This Time

例えば明日にはすべてが終わるとしても、私はあなたの言葉に救われて、未来などいらないと言うのだろう。あなたの言葉が曖昧だとしても。思い出したくない過去であってもあなたの言葉によって、愛せそうになる。

いつかやってくるだろう終わりとは、季節の変わり目の様に自然に訪れるのだろう。暖かくなって桜は咲くけど、すぐに散ってしまうように。もくもくと育った入道雲は雨を降らせるけれど、雨はいつか止むように。葉は色彩を豊かにするけれど、風に吹かれて落ちるように。風もいつかは止むように。

「私たちは忘れてしまう生き物だから、忘れたくないと思っていても忘れてしまう。」

そんな言葉をだれかに言われた。
そうだよなと笑って流しても、私は忘れたくないと苦しんで、生きていくのだろう。
あなたと過ごした思い出のそれぞれが私の重みを分散して背負っていくのだろうと。

明日にはすべてが終わるとして

私は笑って


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