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夏の終わり

うだるような暑さに負けそうになる9月
テレビやラジオではまだ夏の暑さが続くというけれど、私の中で夏は終わった。
8月の31日間に夏は詰め込まれるべきなのだ。

冷やし中華を始めるラーメン屋
朝の公園に響くラジオ体操
人が居ない閑散とした教室
入道雲の下で走り回る子供達
祭囃子の音がするいつもと違う街
人で埋め尽くされる砂浜
7日間を生きるセミの声
夕暮れに聴こえるヒグラシの声
音と共に消える打ち上げ花火
少し大人になれた気になる田舎の家
手を繋いで買いに行く深夜のアイスクリーム

光って落ちる線香花火みたいに、海水浴が終わった浜辺みたいに、溶けて垂れるアイスみたいな。

すぐ消えてしまうから夏は愛おしい。


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