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令和の今も『古畑任三郎』への愛をさけぶ

1994年から2006年に放送された「ファイナル」まで長きに渡って放送され、多くのファンを獲得した『古畑任三郎』シリーズ。
田村正和さん演じる警部補•古畑任三郎が、犯罪のアリバイやトリックを巧みな話術と卓越した推理力で崩していき、完璧と思われていた犯行の真相を解明していく超絶面白い刑事ドラマです。

私も大好きで、再放送を含めて何度も観ました。
で、ある時「そうだ、こんなに好きならBlu-rayを買おう!」と思って調べ、その値段を見てびびりました。
私が調べた時はちょうど在庫がほとんど売り切れている時期で、新品を購入しようとするとプレミアもついて70,000円くらいになっていたのです。

むりむりむりむり!!!
70,000円はさすがに高い!高すぎる涙!!!

…ということで、夢のcomplete Blu-ray boxは諦め、日本映画専門チャンネルで放送していた『古畑任三郎』を全て録画することで満足することにしました。
何回も見てるので、私が古畑任三郎をつけていると、夫は「変えていい?」とも聞かずに録画を停止してきます。
え、見てるんですけど。

基本的に「笑うカンガルー」とか「しばしのお別れ」とか「黒岩博士の恐怖」とか「すべて閣下の仕業」とかスペシャルは全部好きなんですけど、レギュラー回で1番好きなのは第2シーズン最終回「ニューヨークでの出来事」(犯人:鈴木保奈美)です。

これ、バスの中で鈴木保奈美が自分が過去に起こした完全犯罪の謎を古畑に話すだけのストーリーです。
ほとんどがバスの中の会話劇で、過去の事件の話をするときも回想シーンは一切入りません。鈴木保奈美はトランプの絵札を使って過去の事件を説明し、どうやって完全犯罪が行われたのか古畑に推理させます。

すごくないですか?

普通はどうしたって回想シーン入れたくなります。だってこれ、第2シリーズの最終回なんですよ?ちょっと気合入れた感じにしたいじゃないですか。

それを、既にアメリカで「無罪」の判決が出ている事件の謎を言葉だけで説明するんです。たとえ古畑が事件を暴いたとしても、彼女はもう「無罪」。逮捕されることもなければ、何か罪を背負うわけでもない。

しかも、シーンとして、バスの中+途中立ち寄るドライブインのコーヒーショップ、で完結させています。

脚本の三谷幸喜、天才。やること、考えることが神。君の膵臓を食べたい。彼の脳みそを食べたい。
ラスト、事件を解いた古畑に背を向け、サングラスを取って堂々と歩き出す鈴木保奈美がかっこよすぎ!!!

なんなら、このドラマ、主題歌ないところもかっこよくないですか?
ドラマ全盛期でお金もあったのかもしれないですけど、プロデューサーか誰かが、「このドラマに主題歌はいらない」って判断したわけですよね。ドラマの主題歌って売れますし、絶対「なんかしら主題歌あってもいいんじゃない?」って声もあったと思うんです。それを断固として「主題歌なしでいく」と決めたところがこのドラマのオープニング(ドゥル〜ル、ドゥル〜ル、ドゥル〜ルル〜)に繋がってると思うと泣けます。

えらい人「主題歌はいらない?何言ってるんだ、タイアップの要望がもうきてるんだよ」
プロデューサー「いえ!このドラマにタイアップの主題歌はいりません!なしにしてください!」
えらい人「主題歌があろうがなかろうが視聴率は変わらんだろ」
プロデューサー「確かに視聴率は変わらないかもしれません!ですが、古畑任三郎は必ず話題になります。我が社のドラマを代表するドラマになると確信しています!三谷さんと田村正和さんによって作られる古畑任三郎を、私は完璧なものにしたい!余分なものは削ぎ落としたい!この曲のみで行かせてください!!!!」
(曲が流れる。ドゥル〜ル、ドゥル〜ル、ドゥル〜ルル〜)
えらい人「…わかった。お前にすべて任せる!」

出典:とっつぁんの頭の中


プロデューサー!!!粘ってくれてありがとう!!!!誰だか知らんがえらい人!!!漢気を見せてくれてありがとう!!!
【注意】もちろんすべて妄想です。


古畑さんって本当に嫌な攻め方で犯人を少しずつ少しずつ追い込んでいくので、なぜか途中から犯人がかわいそうになってきて、「頑張れ!顔引き攣ってるぞ!」と犯人を応援したいような謎の心理状態になります。

挙句に「いつから気づいてた?」とトリックに自信のあった犯人たちが古畑さんに聞くんですけど、古畑さんは「最初からあなたが怪しいと思ってましたよ」と容赦なく微笑むのです。

……やめてあげて?

最初からバレてたとか恥ずかしすぎるでしょ?あんな必死に古畑さんに食らいつこうとしてたのに、食らいついてるつもりだったのに、最初からわかってたって、犯人たちも恥ずかしすぎるよ!!!

と言いながら、そんなくだりも含めて古畑任三郎が大好きです。

古畑任三郎の新作はもう見ることはできませんが、古畑さんは今もどこかであのキラキラの自転車に乗りつつ、朝の呼び出しに嫌そうにしながら現場に向かい、会った瞬間から犯人にロックオンして犯人を追い詰めてる気がします。


あ、ちなみに調べてみたところ、現在complete Blu-ray boxは新品も多数取扱があるようで、なんと40,000円ちょっとで購入できそうでした!(40,000円?!え、じゃあ買おうかな…)

「古畑任三郎 vs SMAP」とか、「間違えられた男」(犯人:風間杜夫)とか、権利の関係で再放送されないものもあるんですよね。ちなみに同じく滅多に再放送されない「赤か、青か」(犯人:木村拓哉)は、木村拓哉主演の映画『マスカレード•ホテル』公開記念としてフジテレビで再放送したのを見逃さずに録画しております。

なので、実質「古畑任三郎 vs SMAP」と「間違えられた男」2本のためにcomplete Blu-ray boxを購入するかどうかなんですよ。

どうせ買うならやっぱりcomplete Blu-ray boxがほしいですし…。

子供たちが無事に巣立った時に買おうかな、でもその時もまだ売ってるかな。(下の子、まだ4歳です)

そんなことを果てしなく悩みつつ、録画の古畑任三郎をこれからも何度も見たいと思います。


おしまい。

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