見出し画像

昨日と今日の隙間に / ホトケノザ


朝のスタートが遅い人生なので、人から度々「夜型なんですね」なんて言われてきているわけなのですが、決して夜に集中力が上がるわけでもなく人並みかむしろそれよりも早く酒を飲み始めて気持ちよく眠くなって早々に布団に入っています。

朝型でもなく夜型でもない。これは何型なのでしょうか。僕のアクティブな時間はどこにいったんでしょうか。

日中型と言ってみると何も言っていないただの人間ですということに聞こえてくるし、「お昼過ぎ頃から夕方まで型」ですね〜、なんて言うと活動時間が短すぎて悲しくなってくる上に、まどろっこしくて「型」という手法を用いて気持ちよく分類する悦びから遠ざかってしまう…。

いや、朝型夜型だのという型分類について論じたかったわけではなくて、そういうことで僕は朝が遅いから、岡山に越して来てから朝日を一度も見たことがないという事実にふと気付き(カッコつけてみましたが東京でも別に見たことはなかった気もする)、計画的かつスマートに早起きをしてみました。

本当は昨日寝つくのが早すぎてしまって暗いうちに目が覚めてしまった挙げ句、枕元に置いていた文庫本も丁度読み切ってしまい手持ち無沙汰になって、仕方なく寒さに身体を鞭打って重々しく体を起こしただけなんていう事実は内緒です。スマートでフレッシュな計画的早起きです。

日の出は絶妙に3軒隣の自動車整備工場の屋根に阻まれて見えなかったわけですが、思いも寄らぬサプライズとして霜の降りたお庭を見れたことが嬉しかった。

花をつけたホトケノザが、そのままに凍っている。

朝日をキラキラと反射させていて、大袈裟なんだけどその大袈裟さが僕らしさでもあるのでそのままに表現すると、あぁ、今日も生きていてよかった、と白いため息をついてしまうほどに美しかった。

植物に触れるたびに、その命の力強さに驚嘆し続けている気がする。

毎回、初めて自分自身の手を発見した乳幼児のような気持ちで、初心者(?)丸出しで感動している。

植物や動物に関しては圧倒的な初心者なので仕方がないし、そもそもまだ30年ほどしか生きていない世界の初心者なわけだからなおのこと仕方がない。

ホトケノザのような越年草は、冬の極寒を越していくための仕組みをその体に持っている。

ホトケノザの越冬の仕組みを調べてみたけど、詳しいことは分からず…。でも植物全般として、冬が近づくと細胞や細胞膜の成分組成を、糖類やアミノ酸、タンパク質などの凍りづらい成分に変えていくらしい。

命は、生きていく工夫を続けているんだ。

何だか元気が出てくるような朝だった。嬉しいなあ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?