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社内SE要員は本当に必要か!?[20240216]


今週は「社内SE」というロールの存在について話している。

簡単に言うと「社内SE」要員が必要なこと自体が間違っていないだろうか!?ということだ。

そうすると、以下のような質問をいただいた。

「先日、地方拠点のルーターが故障してリモートで修理しようとしたのだが、どうやらそれもダメみたいで、そこに新幹線で誰かが行かねばならない。これでも社内SEは不要でしょうか?」

私からの確認事項は以下の通り。

(1)故障したと思われるルーターは、家庭用?業務用?
(2)地方拠点を管理している部署は有人か無人か?(例えば○○(支)店とか)

まず、家庭用ルーターを拠点と呼ばれる所に設置してはダメだ。

情報システム資源を甘く見過ぎている。

「しかし、業務用は高価ですもの」という声がありそうだが、業務で使うのだから家庭用では困る。

「オンサイト保守」契約をベンダーと締結出来ないではないか。

オンコールのオンサイト保守は最低限必要だが、家庭用を使っていたら、ほぼ保守は不可能である。

ネットワーク機器の場合は、ベンダーによるリモート監視の保守サービスの契約を付けても良いくらいだが、地方拠点の業務の内容により、そこまでは必要ないかもという考えもある。

ネットワーク上にぶら下がる端末機(パソコン、プリンタ、サーバーなど)のリモート保守は難しいかもしれないが、ネットワーク全体のリモート保守は不可能ではない。

また、そういう保守が可能な機器を購入すべきである。

往々にして保守サービスを提供してくれるベンダーから機器購入をすることが多いようだ。

「それは、SEではなく手配師の仕事では?」と思うかもしれない。

まあ、手配師という言い方が正しいかだが、私に言わせれば「手配不全により正社員を日本全国に走り回らせる」ことの方がよっぽど酷い。

多分、ルーターの電源のON/OFFで概ね片付いたりする程度の話かもしれないのに。

拠点有人なのか無人なのかを尋ねたのは、有人ならば「拠点に勤務している非IT要員にスイッチのON/OFFを頼んでみよう」ということだ。

もちろん、マニュアルはそれなりに準備しておく必要はある。

最近では、動画によるマニュアルで「誰が見ても分かる」ようにすることも可能だ。

「本社だって社内SEばかりで、そんな気の利いたことを考える要員はいないです」

だからこそ「闇」だと申し上げている。

企業規模によるが、情シス子会社やITベンダーに良いようにされて雑用だけが自社に残ってしまっているのかもしれない。

それでも雑用を究極に減らすことは可能だし、本当の雑用は「現場で出来る」ようにしておくべきなのである。

「パスワード忘れ(ロック)」などの話は、メールかイントラネットのWebサービスでパスワード再設定が出来るようにしていても良いはずだ。

言葉を選ばずに言うと「大人の運用体制構築」をすべきで「大人気無い(おとなげない)素人集団が運用を設計」したら社内SEが必要で大忙しとなるのだ。

「当社は大企業でもなくITに投資して貰えないのです!」

なるほど、言いたいことは痛いほど分かる。

「大人の運用体制」を実施出来ないほど予算を削られるならば、アプリケーションサイドの投資を削減すれば良い。

IT投資で大事なのは「運用」だということを忘れてはならない。

アプリは、必要以上にリッチにするくせに運用だけが大人気無い状況にするのは良く言えば「バランス悪い」仕事になろうが、悪く言えば「素人企画屋」の仕事である。

当たり前のことを当たり前にするだけなのに、何故か下流工程に皺寄せをさせてしまうようなプロセスが当たり前になっていることが多い。

しかも、何故か「正社員として採用した要員」にその仕事を担って貰っているのは甚だおかしい。

来週も社内SEについて考えてみたい。

ちなみに、社内SEの存在の何がダメなのか、来週は、そこに焦点を当てて話をしようと思う。

合同会社タッチコア 小西一有

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