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情シスの仕事は自社でしなできない仕事であるべき[20240404]


今週は、情シスに初めて配属された人や、右も左もわからないのにCIOになった人に情シスの正しい理解をしてほしいと思い、そこをテーマに投稿している。

情シスは全社を見渡せる位置に存在する。

システムの老朽化で刷新プロジェクトを始めてはならない。

では、仮にシステムを刷新した時に当初期待されていたベネフィットが収穫出来ない場合の責任は何処にあるのだろうか?

「現場が悪い!」とか「経営者が悪い」と言うだろうか?

答えはそんなに間違っていないと思う。

ただ、普通に考えると、何億円だか何十億円というお金を情報システムに投資してベネフィットが収穫出来ないのだから、情報システム部の責任に違いない、と考えるのが普通ではなかろうか?

システムに投資したのだから回収もシステム部門(情シス)が責任を取りなさいということだ。

経営戦略の変更によりシステムは刷新されるべきなので「悪いのは経営戦略を立案した奴だ!」と言いたい気持ちは分かる。

しかし、システム投資したのは事実だし、そこの責任部署は情シスなのだ。

社内情シスはよく社内SEとは呼ばれるが、細々した価値が発揮出来ないような仕事しかしていないし。

そう言うのなら言語道断ではある。

更に信じたくないが、情シスは目先にある無価値なサービスを提供するだけの組織だから、ERP入替えプロジェクトのような大きなコトを担当させるために、わざわざDX部門を作っている日本企業が多いと聞く。

どちらも情シスの仕事だ。

軽微な仕事を賄う全社の社内SEは、可能ならばアウトソーシングして欲しい。

自社でやる必要は無い。

正社員の仕事は、外注化した社内SEさんの仕事が極小化出来るように調査・分析・施策を実施することだ。

例えば、良くあるのだが「売上伝票の入力を間違えました」と情シスに連絡が来る。

私の常識ではそれは経理部で赤伝処理をしなければならないのに…と思う。

しかし、かなり多くの企業で情シスが赤伝入力処理を手作業で実施するという。

昨年、某上場企業の情シス部長と話しをしていたら「赤伝入力処理で結構忙しくしている…」と聞かされて、クチから泡が出そうになったのを憶えている。

更に、その「赤伝入力処理」は、とても重大な機能なので正社員しかやってはならないのだそうだ。

また、先月にIT会社の社長と話しをしていたら「人材派遣はしていないのに、頼まれるから派遣すると赤伝入力とか本人のキャリア的には役に立たないコトばかり」と言っていた。

悲しくなった。

もし売上入力を間違えたら経理部に「ごめんなさい」を言って修正して貰うのがスジだ。

そして、経理部では「赤伝入力機能」を使って赤伝を入力する。

何故。情シスが対応するのか。

やれるからやる、喜んで貰えて嬉しい、が仕事のトリガーになってはならない。

経営に資する資源を提供するのが正社員の仕事である。

社内SEとか呼ばれて喜んでいる場合ではない。

この話をしながら思い出したことがある。

コールセンターでも同じ現象が起きる。

コールセンターでは、入電内容の分析が欠かせない。

問合せが多い内容は、マニュアルに書くとか、Webで分かりやすく説明するなどしてお問合せ件数を低減させる努力をするのが常識だ。

しかしオペレータの現場では、極めて簡単に処理出来る入電が現象することを喜ばしいと思ってばかりはいない。

入電が減れば雇用機会が失われるし、簡単に処理出来る内容なら特にストレスも無く有り難いのだ。

だから、そのような入電を減らすという考えには至らないのである。

社内SEも同じだな…と泣きたくなった。

そんな情シスは間違っていると、断言したい。

合同会社タッチコア 小西一有

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