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流れ星への願いごと

9月12日、今日は流れ星の日です。


お父さんと女の子の親子が、手を繋いで土手にやってきました。
2人で流れ星をみるためです。

土手の草木は、秋の冷たい風でそよそよと揺れていました。
夜の空は、真っ黒でお化けでも出そうな静けさです。

女の子はお父さんの服の裾を、きゅうっと引っ張り「お化け出るかなぁ」と嬉しそう。
お父さんは笑って女の子の頭を撫でました。


2人で黒い夜空を見上げていると、やがて流れ星が見えました。
お父さんと女の子は、手を組んで目を瞑りました。
流れ星はきらりと光る間も無く空を横切って行きました。


「お父さんは何をお願いしたの?」
女の子が聞きました。

「君とお母さんがいつも元気でいてくれますようにってお願いしたよ」

女の子は首を傾げます。
「お父さん、自分のことはお願いしなかったの?」

「大人になると、自分のお願いは流れ星は叶えてくれないんだ」
お父さんは夜空を見上げて言いました。



「大人って大変だねぇ、お父さん」
「大人って大変なんだよ」


2人は手を繋いで、温かいお家に帰っていきました。



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このお話は、「今日は何の日」という企画で、今日が何の日かを自由に自分で決めてお話を書いています。今日は9月12日。流れ星の日にしました▶︎ツイッターにて企画の話や創作の話をなどなど呟いてます▶︎http://twitter.com/toufucoromochi▶︎インスタグラムでは短いお話を画像で読めます(#30秒小説)▶︎ https://www.instagram.com/toufucoromochi

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