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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.358 鬼龍と大統領

今週、結構衝撃的なことが書かれていたんですけど……

●これまでのあらすじ
大国が熹一や龍星を狙っていることが判明。(以下略

は?


◆前回までのあらすじ

R国で開催される総合格闘技大会「ホワイト・ナイト・バトル」の前日、劇場にて行われた公開計量を無事クリアした熹一・龍星・スタンプ。そして、無差別級特別招待選手として現れた悪魔王子……各々が明日の試合に向けて意気込む中、その裏では「悪魔王子確保を狙う米国」「自国の選手を勝たせようとする主催側」「打倒"あの男"に向けて暗躍する鬼龍・ボリス」……様々な陰謀が渦巻いていた。


◆"あの男"登場

公開計量が終了後、突如 劇場内が歓声に沸き始めた。
観客「おおっ 大統領だぁ」
なんと公開計量の場に"あの男"が登場。無類の格闘技好きと言われるだけあって、わざわざ前日から視察に来たのだった。

なにっ 生・大統領!? ボリスの回想以外だと実際に登場するのは初かな。
今のところ「ファ~眠い」しか台詞ないから、どんなキャラなのか相変わらず分かんないんだ……さすがに今回は影武者ダブルじゃないよね?

劇場内の観客に向けて手を振る"あの男"を見ながら、
熹一「見てみい アホ顔して手ェ振ってるで」
スタンプ「シッ キー坊 ここではあの男の悪口はひかえろ どこで誰が聞いているかわからない」

"あの男"を馬鹿にした発言をする熹一に対して、それを戒めるスタンプ(さりげなくキー坊呼び)。スタンプ曰く、R国側の人間が耳にしたら難癖付けられて逮捕される恐れもあるから発言に気を付けろとのこと。

今週、めっちゃ"あの男"が愚弄されます(予告)。特に実害被っていない熹一にもボロカス言われる"あの男"カワイソ……いや、己の悪因悪果あくいんあっかを呪え。
最近某国が入国する外国人に「忠誠」を義務付ける法案を通そうとしているけど、一足遅かったら熹一たちも「忠誠」を誓ったんですかね?
ハハハ 金かけてほんとアホなことやってるよな(麻薬王書き文字)。

シッ、ネット上であの男の悪口はひかえろ!どこで誰が聞いているかわからない!!


◆最悪の想定

熹一「スタンプよ お前もいろいろ裏で工作活動せなあかんのかもしれんが 今は明日の試合に集中した方がええんちゃうか」
特命捜査官としての裏工作も行わないといけないスタンプに対して、熹一は明日対戦するユーリに集中した方がいいんじゃないかと忠告する。怪我しているところを狙ったとはいえ、象を一撃で蹴り倒した威力は脅威的。しかも、ユーリは過去に対戦相手の腓骨ひこつをローキックで折ったことがあり、"骨切りユーリ"と恐れられていた。

首狩職人オーエン・スミス?(難聴)
確かにローキックで腓骨ひこつ破壊はすごいけど、そんなん出来そうな奴、タフ・ワールドになんぼでもいそうなんですけど。意外とハイパーボーン持ちのボリスがメタキャラだったりして。

スタンプ「死ぬようなことはないだろう その前にレフリーが止めるはず」
熹一「なんやお前 負けるの前提で試合に出るんか?猪木が生きとったらビンダやで」

どんなに危険な相手でも危なくなったらレフリーが止めるだろうと想定しているスタンプ。熹一は負けることを念頭に置いた考えに怪訝な態度。

唐突なプロレスネタ。
タフって"アイアン木場"という"アントニオ猪木"さんと"ジャイアント馬場"さんをモチーフしたキャラがいるのに、ちゃんとご本人も存在する世界観なの謎すぎるんだよね。はうッ、刃牙でも同様の問題が。
あと、スタンプはヤバくなったらレフリーが止めるとか言ってるけど、ここはアウェーでR国選手に有利なジャッジをする可能性があるから、その見積もりはちょっと甘いんじゃない?

スタンプ「そうじゃない 最悪を想定してるから最高を目指せるんだ」
そんな熹一に対して、別にハナから勝負を諦めているわけではなく、常に最悪の事態を想定しているから、最高の結果を目指せるとスタンプは語る。そして、3人の様子を陰からずっと監視している主催側の使いパヴェル。

今週のスタンプ語録は格言めいているな。
最近、Twitter(俺は"X"なんて洒落た名前では絶対呼ばないよ)で2023年のタフ流行語大賞をまとめたんですけど、この語録も入れたかったな。スタンプ語録は粒ぞろいで使い勝手がいいんだよね。
最悪(の猿展開)を想定してるから最高(の愚弄)を目指せるんだ」

パヴェルがずっと監視しているあたり、R国も米国の目論見とかある程度把握している感じなのかな?まぁ、R国からしたら悪魔王子の身柄とか、
R国「そ…そんなもんどうぞご勝手にって感じなんですけど」


◆密会

~どう見てもエルミタージュ美術館にしか見えない美術館~
一方、R国内のある美術館では、打倒"あの男"を企む鬼龍とゲルマノヴィチ博士が密会を行っていた。博士は公開計量を見に行かなくても良かったのか?と問いかけると、
鬼龍「あんな茶番を喜んでみるのは知能の低いバカか筋肉に憧れる変態だけだ」
ゲルマノヴィチ博士「おいおい大統領に対する皮肉か?」

暗に"あの男"を小馬鹿にする鬼龍。

めちゃくちゃ全方位愚弄なんスけど、いいんスかこれ?
筋肉に憧れる人たちも貶すなんて…こ…こんなの納得できない("あの男"は別にいいよ)。
熹一「アホ顔」鬼龍「バカ」←今週だけで"あの男"がすげーボロカス言われてて草なんだよね。博士も心なしかウキウキしてそう(いい性格してんな)。

鬼龍「政治も軍事もバカがトップに立つと下の者は悲惨な思いをする」
ゲルマノヴィチ博士「たしかに私もこの国の未来を憂いている」

2人はレオナルド・ダ・ヴィンチ作『ブノアの聖母』の絵画を観ながら"あの男"への非難を続ける。


私は憂いています、国民の将来を、祖国の未来を(反体制派書き文字)。
今週の猿渡先生、筆乗ってんなー。

どうせならこの絵画を描いたダ・ヴィンチのような天才の元で働きたいねと愚痴る博士だが、鬼龍は天才も常人には理解不能な行動をする点においてはバカと同じと語る。

確かにIQ200の天才が急に動物園のゴリラと闘い始め、挙句殺されかけるのは常人には理解できないおバカ行動っスね。
あと、天才芸術家の下で働くのはパワハラえぐそうで嫌なんだ(偏見)。

さらに2人はダヴィンチの弟子であるフランチェスコ・メルツィについての話に移り、
鬼龍「それだけでは師匠を超えられない まずダヴィンチを否定し自分にしかできない技法・作粉を想像して初めて超えるチャンスが生まれる」
ゲルマノヴィチ博士「大天才ダヴィンチを超える人間は誰もいないよ」

彼の書いた絵画の前で、天才の師を超えることについて議論する。


今週はタフではなくGOKUSAIなのかもしれないね。
最近は龍継に猿渡先生の描きたいもん全部乗せ。
(GOKUSAIは相当気合入れて描いていたみたいだけど、やっぱしヤクザ展開は悪手だったんじゃねえかな?アートの愛ちゃん結構好きだけど)

ちなみに今回出てきた『ブノアの聖母』も『フローラ』もエルミタージュ美術館にちゃんとあるみたいですよ。
そして、容姿のいい美少年ばかりを弟子にしたせいで大成した芸術家が少ないダ・ヴィンチ・ファクトリーに哀しき過去。


◆龍を継ぐ条件

天才の後継者に関する話題から、ふと博士が、
ゲルマノヴィチ博士「鬼龍 君の跡を継ぐのは誰なんだ?龍星か悪魔王子?それともまだ他にいるのか?」
君の後継者は誰にするつもりなんだと問いかける。それに対して鬼龍は、
鬼龍「俺を殺せる者 もしくは…"あの男"を殺せる者だ」

なんか "あの男" 倒しても龍が継げるらしいです(は?)。
唐突に龍を継ぐ男の追加条件「"あの男"でも可」が増えました。おいおい最強の後出し虫拳(※ジャンケンのこと)やん。さすがに龍の血を継ぐ者限定だよね?じゃないとボリスとかでも龍を継ぐ男になってしまう可能性があるんだが…。しかも鬼龍と"あの男"なら前者の方がよっぽど容易いあたり、老いぼれの悲哀を感じますね。

龍を継ぐ男
[採用条件]
・宮沢鬼龍を倒す("あの男"でも可)
[福利厚生]
・ドラゴンハウス
・500億相当の金融資産

あぶねー あわや動物園のゴリラが龍を継ぐ男になるところだった。


◆決戦前の晩餐

熹一「龍星もっと飯食って体重を増やせ お前の相手はどう見ても体重超過なんや」
計量を終え、ホテルで夕食をとる熹一と龍星。大量の料理をドカ食いする熹一は、龍星にもっと食えと急かすが、自分はそこまで減量していないから必要ないと断る。また、悪魔王子が無差別級で闘うので、自身もウエイトはあまり意識したくないと対抗心を燃やす。

計量後のドカ食いは麻薬ですね、ファ~眠い(血糖値上昇)。
熹一はめっちゃ食って5、6キロ戻してもTOUGH時代の75キロと同じくらいだし、まぁええんやけど…当日腹パンで動けないとかやめてくれよ、オッサンなんだし。
それに150キロのリカルドと闘った龍星にとってウエイト差10ぐらいだったら関係ないでしょ。
…冷静に考えると龍星とリカルドとのウエイト差って90キロ近いのか、よく勝てたな(9割デゴイチさんのお陰な気もするが)。

熹一「ワシは食うぞ」
龍星「あまり食べ過ぎると身体が重く動きが鈍くなりますよ」

気にせずドカドカ食事をとる熹一に対して、
・タンパク質や炭水化物を主体に3~4回に分けて摂取
・塩抜き水抜きで現状してるからあんまし食べなくても元に戻る
等、薀蓄を語る龍星。
熹一「ごちゃごちゃうるさいわっ」

龍星トレーナーかな?熹一も闇試合ダークファイトやってた時はこれぐらい知識持ってそうだったんだけどね。NEO坊辞めてからホント食に対して適当になったな。
今の龍星がTOUGH時代の熹一を見たら多分ビビると思うわ。


◆最終調整

食後はホテルの廊下でミット打ちトレーニング(クッソ迷惑←"国賓こくひん"やからな)。ミットを持った熹一が死角である左顔面を重点的に狙うが、龍星はそれをうまく捌きながら拳を繰り出す。しかし…(トン)
龍星「えっ」
熹一「当ったりィ」

スピードのある攻撃は躱していたのに、なんてことのないミットで軽く小突く程度の打撃が左顔面に当たってしまった。どうやらスピードのある攻撃には危機感知能力が覚醒して反応できるが、逆にスローだと無理らしい。

だから前回軽く小突かれた時に反応できなかったんだ…。
これ結構致命的じゃないっスかね。サーシャ(アキ男)には気付かれている可能性大。明日試合はこの弱点をつかれて苦戦しそうなんだ。
つーか、ここにきて隻眼のデメリットをめちゃくちゃ描きますね。今まであんまり触れられていなかったから問題ないと思ってた。熹一も龍星も試合で苦戦する前振りを入念に用意していますね。

◆いざ、開幕!! ← うぉぉおお 今年も残り僅かだからはやくー。
次号、闘いのゴングが鳴る!! ← 前回が「次号、闘いの幕が上がる…!?」だったので、話が進んでいるようで進んでいないということだ。


◆まとめ

繋ぎ回を超えた繋ぎ回。しかし、龍を継ぐ男の条件が更新されるという重要な回でもありました。読んでた時は「(急に)何を言ってるこのバカは?(悪魔王子書き文字)」という感想が全てで、リアル・フェイスの斜め"あの男"があんまし気にならなかったんだよね、すごくない?美術館での話の流れ的に弟子は師を超えて初めて真の後継者となる…それが師である自分(鬼龍)を殺すことなのは分かる。だけど、そこに"あの男"打倒がif条件で入ってくるのが意味不明なんだ。
果たして鬼龍と"あの男"にどのような因縁があるのか……。

そして、なんか急にR国に狙われていることになった熹一と龍星はどうなるんでしょうか?


◆余談

ホワイト・ナイト・バトルの展開予想なんですが、
龍星VSサーシャ(アキ男)】
体格差と左目の死角をつかれて苦戦するが、なんやかんやサーシャの哀しき過去に触れつつ辛勝。試合後、サーシャ「またやろうぜ」と爽やかな終わり……だったらいいけど、負けたR国側の選手の末路って…ま…まさか!?
熹一VSルスラン】
対戦相手のルスランに掘り下げが無さ過ぎるので、一番どうなるか分からない試合。まぁ勝つと思う……今更こんなモブに苦戦して欲しくない。
スタンプVSユーリ】
実はスタンプが負けると思ってる、あくまで目的は悪魔王子確保だから。今回死ぬ可能性について話していたけど、もしかして試合中に死を偽装して一旦フェード・アウトするかもしれない。ユーリが裏で米国側と繋がっていて、お互いに一芝居打つ可能性ワンチャンありませんか?(考えすぎか)


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第358話