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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.367 闇グローブ

なんじゃあ、この呪いのアイテムみたいなタイトルはーーっ。


◆前回までのあらすじ

ついに始まった熹一VS"秒殺魔"ルスラン・グラドビッチ。試合前の襲撃により、肋骨負傷というハンデを背負ってリングに上がった熹一だが、案の定大苦戦。一方、鬼龍は標的である"あの男"が一向に会場に現れない理由をヨシフに尋ねるが、そこで驚愕の真実が告げられる。それは、今まで"あの男"主導でおこなってきたとされる戦争も暗殺も…全ては自身の策略であったと。
("あの男"が会場に現れない理由の回答になっていないような気がするんスけど)


◆黒幕の告白

鬼龍「驚いたな あんたがこの国を裏側から仕切っていたとは」
鬼龍は"あの男"の側近だと思っていたヨシフこそがR国を裏からコントロールしていたフィクサーだと知り驚愕する。ヨシフも"あの男"をこの国の最高権力者にまで担ぎ上げたのは自身のおかげだと自負しており、そのためには危険な仕事や汚れ仕事をなんでもやったと言う。

前回、いつもの闇のフィクサー展開でヨシフおじさんが真の黒幕だということが分かったけど、鬼龍おじさんにとっても意外だったんですね。静虎の節穴っぷりが伝染したのかな?

鬼龍「"あの男"はお飾りか?」
鬼龍は標的と定めていた"あの男"がヨシフの傀儡だったことを知り、"あの男"は只のお飾り大統領か?と嘲笑するが、そうではないと意外にもヨシフが反論。彼曰く、多民族国家であるR国をまとめ上げるのは力だけでは成りたたず、それは民衆を引き付ける強いカリスマ性と愛国心にみちた強い信念と熱い意志を持った"あの男"でなければならないと……。
ヨシフ「"あの男"は私の希望…"あの男"のためなら私はいつでも命を捨てる準備がある」
"あの男"とヨシフは単なる傀儡と黒幕の関係ではなく、まさにコインの裏表……お互いに祖国のためを思い、協力し合う仲だった。

えっ ヨシフおじさん 忠臣路線なんスか?
前回までの流れで流石に"あの男"を〇すのはマズいから、今までの悪行をヨシフおじさんに押し付けて"黒幕すべり"したと思ったらまさかの展開。確かに色々と裏で指示していたのはヨシフおじさんだけど、それらは全て愛国心とカリスマ性を持った"あの男"が表へ出るべきと考えた上での行動であり、心から"あの男"を支えていたとはね。強火ファンかな?

ふうん、"あの男"×白鯨というわけか。黒幕の告白(意味深)。
鬼龍おじさんもいきなり惚気を聞かされて困惑してるように見えてきた。

最近のヨシフおじさんの評価が側近→小物→クズ→黒幕→忠臣?とコロコロ変わっていってライブ感全開だけど、こうなってくると未だにまともな台詞や心情描写の無い"あの男"がどう思っているか気になりますね……切り捨てられる展開ありそう(不吉な予感)。

ところで……、
"あの男"のカリスマ性や評価はもう地に落ちていると思うんスけど、
ヨシフおじさん的にはこれでいいんスかね?

反体制派や一部の国民もめちゃくちゃ非難してて国内グチャグチャなんですがそれは。


◆秒殺魔の猛攻

リング上ではルスランが首相撲から2発目のチャランボ(膝蹴り)を繰り出す。先ほどの1発目で肋骨にヒビが入った熹一は2発目は食らうまいと必死にブロックし、すぐさま後ろに下がって距離をとる。ルスランは熹一の苦しそうな様子を見てどこか怪我してるのかと問いかけるが……、
熹一「な…なにを見え透いたことを…ワ…ワシを通路で襲わせたんはお前やろ?」
ルスラン「さあっ なんのことやら」

通路での襲撃がルスランの指示だと思っている熹一は悪態をつくが、身に覚えがないとはぐらかされてしまう。そして、再度首相撲に持ち込み、がっちりと首を固定した上で"チャランボ"で熹一の肋骨を集中砲火。

やっぱりルスランって"シロ"なんじゃないっスか?
(この後の展開を知っているから、ここのルスランの反応が白々しく感じますね)

何でピンポイントに負傷した肋骨を狙うんやろなぁ(すっとぼけ)。


◆熹一の反撃

ルスランの"チャランボ"による集中砲火で徐々に肋骨のヒビが広がる。このままでは熹一の肋骨が破壊されてしまうと危惧する龍星……だが、
熹一「(なめるなっ)」
攻撃を食らいながらも、お返しとばかりに左のボディブローをルスランの脇腹に打ち込む。思いがけない反撃に怯み、とっさに後退するルスラン。
既に試合開始から1分が経過しているが、秒殺魔の異名を持ち、テルモピュライ・チーム・コンバットではひたすら前進して他の選手を秒殺してきた地元の英雄の手こずる姿に困惑する観客と司会。そんな声を聞き、プライドが傷ついたのか、再び熹一に猛攻を加えるルスラン。だが焦っているのか先ほどまでのような肋骨狙いではなく、顔面に向けたKO狙いの攻撃。
熹一「(あ…肋骨が) 」ジャッ
鬼龍「(なにっ? 熹一が…)」

なんとか攻撃を捌いていた熹一だが、肋骨のダメージが大きく、痛みで一瞬動きが止まったところにルスランの左アッパーが顎をかすめる。
本来ならダメージにもならないカスったようなパンチのはずだが、なんとその場で仰向けにダウン。鬼龍と龍星は熹一のタフさを知ってるだけに事態が呑み込めない様子。そして、不敵な笑みを浮かべながら意味深にグローブの何回も握り込むルスラン。

ルスラン、こいつやってんな~。
通路での襲撃までなら自分の与り知らぬところで裏工作されているってパターンもあったけど、さすがにグローブは故意犯でしょ。
今まで散々ルスランは「作られた英雄」で"シロ"って言ってたけど、また予想を外してしまった、節穴を超えた節穴。ワシ、人を見る目の無さでは静虎とタメはる自信あるわ。

あと、ここの熹一を心配する鬼龍おじさん地味にすこ。
基本的に観戦モードの鬼龍は甥っ子の応援に来た気の良いオジさんなんだ。


◆試合終了…!?

熹一のダウンに会場は沸き、観客はルスランを称える。レフリーもR国選手がダウンした時は打って変わって、
レフリー「もうダメだ ゴングをな…」
すぐさま試合終了のゴングを鳴らそうとする。

今までクッソやる気ない感じで無表情だったのに、
ここのレフリー、顔ウッキウキで笑えるんだよね。

おらーっ、ちったあフェア(っぽく見えるように)しろや えーーーっ。
レフリー「さあ飲め キー坊 (つクスリ」
熹一「ばうっ」
◆天を衝く髪…
↑だれかこれでコラ作ってくれよ(他力本願)

熹一「…鳴らしたらあかんでヘボレフリー ワシはめっちゃ元気やん ほれっ(ゴキッ」
ヘボレフリー「あうっ」

しかし、ゴングが鳴らされる寸前で熹一がレフリーの腕をつかみ、捻り上げて静止させる(これ審判に対する暴力行為で失格にならないのん?)。
フラつきながらも何とか立ち上がり、散々汚い手段で苦しめられたが、武術や格闘技は"戦争"の技術から発展したものだから、ルスランの行いに対して綺麗事を言うつもりはないと宣言する熹一。

タフって言葉はキー坊の為にある。

はるばるR国まで来て、こんなクソみたいな試合させられてるのに「まぁ ええわい」で済ませる熹一って聖人か何かかな?
そして、どんな雑魚相手でもデバフでピンチになって試合を盛り上げる熹一は真のエンター・テイナーや(皮肉)。

ルスラン「なに言ってるこのバカ」
↑はうっ、悪魔王子の台詞コピペ……と思ったけど悪魔王子は「なにを言ってるこのバカは?」でしたね。


◆サムライの流儀

熹一「お…相手おまえがどんなに卑劣で卑怯な手段できても正々堂々と受けて立つ それがサムライの流儀や」
熹一が啖呵を切る中、自身の手を叩くルスランのグローブから「ガッ」と、明らかに総合用のグローブとは思えない音が!?
音の違いに気付いた龍星はルスランが何かしらグローブに細工をしているのではないかと疑い始める(龍星 試合終わってからずっと眼帯無しで手で押さえているけど予備ないんか?あと間に4試合挟まっているのに顔血だらけなのもええんか?)。

グローブ・チェック後にアップでグローブ破壊して不正グローブに交換だと思われるが、2話前のシーンが割とちゃんとした伏線になっていて驚きましたね。チェックがガバガバすぎるけど。
音的に金属プレート的な物を仕込んでいるっぽいが、今更そんな細工で固めた拳が掠めただけでキー坊がダウンするのはちょっと謎っスね。ま…まさかテーザー・グローブ!?

でもちょっとショックです……。
ルスランは卑劣なファイターではないと淡い期待を持っていたのに。

これでルスランがガチで襲撃の件を知らなくて、只の報連相不足だったら草生えるんだよね(ルスラン「よしっ グローブに不正してやったぜ…えっ 対戦相手に襲撃を!?」)。

せめて一人くらいはR国側にフェアなファイター用意してくれや。も…もうユーリに期待するしかない。後は"X"ぐらいか……完全に存在忘れてた。

◆さらなる不正…!! ←ガッカリだよ、マジで。
次号、熹一の反撃となるか…!? ←今週、一応反撃しましたよね?


◆まとめ

"あの男"とヨシフおじさんの関係性の掘り下げとルスランの不正疑惑が高まった回。これまでの戦争、暗殺……すべての黒幕であったヨシフおじさんが"あの男"にちゃんと忠誠心を持って裏からサポートしていたのが意外でしたね。ヨシフおじさん…"あの男"の話になると早口になるよな。
それとは対照的にまったく掘り下げのない"あの男"が不気味に感じてきました。ヨシフおじさんは"あの男"を信頼しているけど逆はどうだろうねぇ。

ルスランに関してはこの感想でも散々"シロ"って言ってきたけど今回で"クロ"濃厚になっちゃって残念です。闇討ちや不正グローブを使っていたせいで、先週のヨシフおじさんの700勝無敗の擁護が完全に無意味になったんだよね、怖くない?
これなら幼稚園児に勝ってもカウントしてた方がマシだった。

まぁ これでキー坊が心置きなくインチキ野郎をブチのめす展開にできるから別にいいんやけどな ブヘヘヘヘ。


◆余談

月曜日の"プレボ"は私の希望…
"龍継"のためなら私はいつでも499円を捨てる準備がある
(その上で単行本も買ってるぞ)

最後のページに龍継30巻好評発売中って書いてあるけど、実際のところ1巻あたり何冊ぐらい売れているんですかね?
2~3万部くらい?16巻ぐらいまでは重版かかってたみたいだからそんぐらいはありそうだけど。


◆次号予告

次のプレボNo.12・13は3月4日月曜日です。
(ウアアア合併号ダーッ 助ケテクレーッ)


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第367話