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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.373 完全決着制

今週のプ・レボは680円です…680円です。
これもうインバウンド・価格だろ……。


◆前回までのあらすじ

ホワイト・ナイト・バトル第9試合。悪魔王子との試合前の小競り合いで左脚を亀裂骨折していたユーリは必殺のローキックを多用できず次第にスタンプに追い詰められていく。だが、自身の過去を振り返って奮起し、たとえこの脚が折れても蹴るしかないと"バルディッシュの斧"と称された左足のローキックを放ち、場内に乾いた音が響く……折れたのはどちらの脚か!?
(このあらすじだとスタンプが敵キャラみたい)


◆激突する両者

ユーリ「(打たれても打たれても蹴るしかない "バルディッシュの斧"は決して折れない)」
悪魔王子の膝ブロックによって負った左脚の亀裂骨折であと一発しかローキックを放てないユーリ。決死の覚悟で距離を詰め、スタンプの左拳のカウンターを食らいながらも放った必殺のローキックがスタンプの右脚を捉える。「ボキッ」と場内に嫌な音が響くが……。

"バルディッシュの斧"は決して折れない(過去30回以上骨折 ※371話参照)。
まぁこれは(俺の心は)折れない的な意味ですよね。"バルディッシュの斧"とは彼の"不屈の精神"と"脚"でセットなんだ。ユーリがここまで「自分にはこの脚しかない」というプライドと意地を持った正統派ファイターだったとは……ある意味異色だ(聞いていますか?サーシャ・ポベトキンさん、ルスラン・グラドビッチさん?)。


◆悪魔王子の思惑

悪魔王子「折れたのはユーリの脚だ スタンプの勝ちだよ」
会場裏で悪魔王子はリング上で響いた骨の破壊音をユーリのものだと確信する(よく聞こえるな、実況の台詞から察したか?)。なぜ邪魔者のスタンプを援護するようなマネをしたのかとゲルマノヴィチ博士は問いかけるが……、
悪魔王子「助ける?フン 獲物をとられたくなかっただけだ スタンプは俺がぶちのめすんだ…」
最初からスタンプは自身の手で倒すつもりだったという悪魔王子。そのために試合前にユーリを挑発してローキックを打たせ、膝ブロックで左脚を壊したのだった。

なに急にサイヤ人の王子みたいなこと言い出してんのコイツ?
ならスタンプに見つかって吉祥寺駅のエレベーターから尻尾を撒いて逃げ出したのは一体?犬は逃げずに闘えよ。一応、擁護するなら日本はアメリカのお膝元なので闘いの場には不利だから逃げたのは分かる……でもR国というスタンプにとって不利な場で勝つのは悪魔王子的には有りなんスかね?

悪魔王子は自身のことを"人間兵器"という消耗品扱いを受けてきた時の名"ガルシア11号"で唯一呼んでくるスタンプを憎んでおり(スマイル・ジョーもだよな…)、そんなスタンプに細胞レベルの恐怖を植え付けて"悪魔王子"と呼ばせることを目論んでいた。

なんか過去のトラウマを克服しようとする姫騎士みたいで普通にかわいいと思う(小並感)。
殺すとかじゃなくて「"悪魔王子"と呼ばせるんだっ」ってチンケな野望なのがちょっと笑えるんだよね。このシーンで悪魔王子がスタンプの首輪に繋がれているけど昔はスタンプ(アメリカ)の犬で今はR国の犬なのが悲哀を感じますね。

自分がサポートしてあげないと試合に負ける可能性がある奴を最も恐れている男……それが悪魔王子や。


◆意外な結末

司会「ユーリか?スタンプか?どっちの破壊音なんだあっ」
ユーリのローキックがスタンプの右脚にヒットしているように見えるが、ガードは間に合ったのかどうか、司会も観客も固唾を飲んで見守っているが……

ガクン

なんとスタンプの脚があり得ない方向に曲がっていた。ユーリのローキックによって右脚の脛骨が完全に折れてしまい、スタンプは凄まじい激痛に襲われリング上でのたうち回っていた。
悪魔王子「お…おいおいマジか(汗」
まさかのスタンプ敗北に驚愕する悪魔王子。

怒らないで下さいね。特にガチらなくてもいい試合で負傷するなんてバカみたいじゃないですか。
スタンプお前……あんだけイキリまくってそのオチはないだろ。負傷は演技で悪魔王子を釣る作戦もあるのかなと思っていたけど、描写的に明らかに骨折れてるし、熹一や龍星も脛骨がやられてると確信してるから身体操作術による演技という線は薄いでしょ。この結末、悪魔王子のデバフがなかったらユーリに普通に負けてた可能性あることになるんだが。スタンプといい勝負をした悪魔王子と熹一の格も下がるのは勘弁してくれ。

そして何一つ思惑通りにいかない悪魔王子に哀しき扱い……。
悪魔王子「スタンプ倒して」

悪魔王子「本当は自分でスタンプをぶちのめしたい」
↓ (スタンプ負傷)
悪魔王子「な…なにっ」

ヒャハハハ、こいつメチャクチャおもろいでェ。


◆ノーコンテスト

スタンプは骨折により戦闘不能、ユーリの逆転勝利に思えたが亀裂骨折した左脚で強引にローキックを放った代償は大きく、その脚は"くの字"に折れ曲がっていた。両者にドクター・ストップがかかり試合続行不可能の判定、激闘の第9試合はノーコンテスト(無効試合)で終了となった。
(このシーンで司会が"ヴァルディッシュの斧"って言っているんスけど数ページ前まで"バルディッシュの斧"だったんですが……また誤植なのか?)

ヘボ・レフリーがまともなジャッジをしているだと!?
これまでの試合ではクスリ飲ませたり、明らかな異常事態でも「両者ファイッ」ってやっていたのに……これまでのアンフェアな判定からスタンプの方が先に戦闘不能になった扱いでユーリの勝利にしそうなもんだけどね。

この試合が無効試合で終わるとは思わなかったなぁ……。


◆忍び寄る影

獲物スタンプが怪我をして闘いの場から逃げたことを残念だったなと煽るゲルマノヴィチ博士だが、悪魔王子はホワイト・ナイト・バトルでなくてもR国内ならどこでも闘れると気持ちを切り替えていた。
ゲルマノヴィチ博士「たしかに…スタンプなんてスパイ容疑でいつでもどこでも逮捕できる なんなら消滅させることも可能だ」
この国ではアメリカの特命捜査官であるスタンプも籠の中の鳥であるといい、R国の恐ろしさを語る博士。

私は"消滅"とかおおよそ人に使うものではない単語が出てくるR国を恐ろしく思う。
でもスタンプもそこは織り込み済みだろうし、どっちが上手かまだ分からないですね。スタンプには位置情報が分かるICチップが埋め込まれているから自分をビーコン扱いしてる可能性もあるし。

R国を恐ろしいと言いつつも自分は簡単に捕まらないよとゲルマノヴィチ博士に釘をさしてその場を立ち去る悪魔王子。彼はR国が自分と龍星の突然変異の心臓を狙っていることを察していて、"味方のような敵が一番危険"だとR国側の人間も警戒していた。ゲルマノヴィチ博士は内心でスタンプと同じくお前も今は泳がせているだけだと悪魔王子に苛立つが……突如、博士は背後から自身に拳銃を突きつける謎の影に気付き……。

◆この背後から忍び寄る影は…!?
モンキー・コミックでおなじみのトカレフの登場。銃の種類的にR国のキャラのなんだろうけど、スーツ着てるからパヴェルだよな…多分。

ま…まさか "あの男"?


◆完全決着制

~VIP席~
勝負は勝つか負けるかのみ、痛み分けという形で終わった試合をくだらないと言い捨てるヨシフ(ユーリは骨折だけならまだ闘えたとか無茶言い過ぎなんだよね)。そんなヨシフに対して、
鬼龍「どうでもいいけど…自国の選手が勝たないから観客はイラついてるぞ」
国威発揚の大会で観客が沸いていないぞ…と茶化す鬼龍。

はうっ また鬼龍おじさんの口調が変な気がする(おめめもキラキラだし)。
龍星・熹一・スタンプ以外の6試合の結果がどうなっているかは分からないけど、終盤の8・9試合がこのザマだと観客は怒るわな。マジで熹一たち生きて日本に帰ってこれるのん?

ヨシフ「いよいよ 悪魔王子の登場だが…次の試合は特別ルールだ」
ヨシフは鬼龍に向けてホワイト・ナイト・バトルの最終試合は
・ノールール(←ふうん バーリトゥードということか)
・ノーレフリー(←いや ちょっと待てよ)
・目突き噛みつきなんでもあり
・時間無制限
・勝敗はどちらかの戦意喪失か戦闘不能

の"完全決着制"で行うと告げる。

殺人ショーなんて一部のマニアしか見ませんよ。
それに今までも実質ノーレフリーみたいなもんだったろ。よっぽど自国側の選手が強いという自信がないとこんなルールにできないと考えられるが……そういや第10試合はスペシャル・マッチの無差別級なんですけどR国的にはどっちが勝った方が嬉しいんですかね?
"X"(旧Twitter)選手がR国の人間ならそっちなんだろうけど、悪魔王子は"あの男"とR国に媚売るためにホワイト・ナイト・バトルに出たのに"X"に勝っちゃうとマズい気がする。

いまいち国威発揚におけるスペシャル・マッチの扱いが分かんないっスね。


◆キラー・ジョウ

そしてついに謎の特別招待選手"X"の正体が明かされる。それは人を"倒す"ことよりも"殺す"ことを得意とする武術家……

その名もキラー・ジョウ

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)。
ぽっと出の新キャラだーーー!!

じゃあ何スか?"X"の正体を尊鷹だの"あの男"だのガルシア・クローンの生き残りだの予想していたマネモブ…全員バカですって言いたいんスか?
普通、正体を大会開始から今までぼかしたら既存キャラかその関係者ってパターンが定石でしょ、普通の漫画なら……この漫画普通じゃなかった…。
(これなら最初から悪魔王子の相手は特別招待選手"キラー・ジョウ"って紹介でよかっただろ…)

見た目がなんか"あの男"の若い頃に似てる気もするし(髪型だけ)、人種がR国民に見えないと言われればそうな気もするし(C国人ぽいのん)、マジでなんなんキラー・ジョウ。
国籍無しの悪魔王子と(恐らく)他国の選手のファイナル・マッチ…ハッキリ言ってまったく国威発揚できないと考えられる。

◆何れの国の何者か…!? ← こう書くってことはR国の選手じゃないよね?
次号、悪魔王子の闘い、いざ!! ← 味方メンバー出陣みたいなノリで草。


◆まとめ

まさかガチで相打ちの無効試合で終わるとは……ユーリの株は下がらなかったけどスタンプはやばいやろ。試合内容的にユーリが万全だったら普通に負けてた説ある。
負傷は演技ってパターンを推してるけど、描写は完全に折れているんだよなぁ。あくまでホワイト・ナイト・バトル編の導線のキャラクターでこのまま猿空間送りってパターンが現実的にあり得るのがモンキー・コミックの恐ろしいところなんだ。それか尊鷹やジーキルが使っているような義足(か補助パーツ)で復活とかあるのかね?
スタンプ「ちょっと待っててね すぐにセットするから(義足装着)」←このパターンだったら震えるわ。
一応真面目な考察をすると試合中に龍星がスタンプのことを「勝つことを求めていない」と感じ取っているのでこれが伏線になっているかもね。

どっちにしろ悪魔王子の試合は楽しみだし、これが終わったらR国関係の話が大きく動きそうなので期待しています。

……そういえば結局369話で意味深な表情を浮かべていたパヴェルは何だったんですかね?


◆余談

多分関係ないと思うけど、キラー・ジョウがヤング・"あの男"を意識して描いているとするなら、猿渡先生はかなりアクロバティックにボコボコにする手段を思い付いたと感心しますね。

"あの男"とヤング・"あの男"は別人なんや。


◆次号予告

次のプレボNo.20-21は4月30日火曜日です。
ウアアア合併号ダーッ、助ケテクレーッ。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第373話