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西和賀町のやべーやつが西和賀町でやろうとしていること

西和賀町のやべーやつが、今、何を考え、何を目指し、何をやろうとしているのか。そこら辺をご紹介。これはご紹介であり、ご招待でもある。

任務は「移住体験ツアー創設」

西和賀町役場 農業振興課の地域おこし協力隊採用面接で俺が述べたのは、「新規就農者を増やすためには、移住体験ツアーが必要だ。私がそれを作ります」ということだった。

西和賀は「西和賀で農業やりませんか」と言うだけで新規就農者が増えるような条件のいい土地ではない。それは西和賀の農業従事者自身が重々承知していることだろう。

だから裾野を広げて「移住体験ツアー」を実施し、そのなかで農業と接する機会も用意し、「ここに住んでもいっかな」と思ってくれた人のなかの一部が「農業してもいっかな」と思ってくれたらいいよね、ということだ。

というわけで、俺の任務は一義的には「移住体験ツアー創設」だ。

で、構想中の移住体験ツアーはいいことづくめ。簡単に説明すると、

天才すぎるにもほどがあるぞ、西和賀町のやべーやつ。

そのかわり、ほかの自治体がやってるどの移住体験ツアーよりも、実現へのハードルが高い、と思われる。ぱねぇの。

地域おこし協力隊を大量に入れようと画策

しかも、最近になって、「地域おこし協力隊を数十人単位で大量に導入しようぜ」とか言い出すやべーやつ。

俺は「この町はこれから変わろうとしているんだよ!」という情報発信をしなければいけないと考えている。

現実として、この町は人口が減り続けている。もちろんこの町に魅力を感じて引っ越してくる人間もいるが、それは「この町がこの町のままでいい」ということを意味しない。

断言するが、この町(官も民も)が変わろうとしないならば、ゴールドラッシュが来ない限り町は滅びる。そして、ゴールドラッシュは来ない。残念ながら。

俺は総務省の手先でありながら反体制志向なので、増田レポートどおりに岩手県で真っ先に西和賀町が滅びる未来は御免こうむる。

協力隊を大量に入れる際、「町にある大量の課題と正面から向き合い、協力隊の力を借りながら、これまでとは違うやり方で解決していきます」と宣言できれば、「これからこの町は大きく変わろうとしているんだな」と感じてもらえるはずだ。

明るいニュースのない町に移住体験しにくる変わり者を呼び寄せたいというなら別だが、求められているのは、明るいニュースを自ら作っていく覚悟だ。

そして、明るいニュースが作れた場合、移住体験ツアーと大量の協力隊の相互作用でなんかこう、この町はやべーことになる。

広告宣伝が欠かせねーじゃんねー

着任して1ヶ月。もう「移住体験ツアー構想」の大枠は動きようがないほどに自分のなかで固まったので、あとはそれを事業として組み立てていくだけなのだが、はたと気づく。

「いや、どんだけ魅力的なツアーを組んだところで、その存在を伝えられなきゃ意味ねーじゃん。人、来ねーじゃん。」

(最初から気づいとけよ。)

ツアーがどれだけ魅力的な内容になったとしても、それを発信できるだけの力が今、この町にはない。

同時に、悲しいかな、現在ある町の魅力を十分に宣伝できているとも言い難い。

西和賀町は魅力がないわけではないのである。「一度来た人はいいところだって言ってくれるよ」「一度食べた人はおいしいって言ってくれるよ」。そんな声をよく聞く。

でも、問題は、どうやって、その一度目を獲得するかだ。

そして本来、いい素材があるならば、それがツアーの宣伝につながるはずなのだが、そんなこんなで、なんにもつながってないのが現状なのだ。

まずは両者を隔てる昏くて深い川に橋をかけなければいけない。

橋とはつまり、広告宣伝戦略である。

なんか、こんな感じ。いかん、眠くなってきた。

移住体験ツアーと協力隊大量導入を成功させるためには、すでにある素材を使って、ちゃんと戦略を立てて広告宣伝を行うことが必要、ということ。

(それがちゃんとできたら、当然ながら「ツアーに応募が来る」以上の効果をもたらすはずだ。)

ところで、戦略を立てる人は誰?
広告宣伝をする人は誰?

はーい、俺でーす!

それで、町にマス広告を打つ体力はあるの? ないでしょうね。ここは知恵の絞りどころである。

究極的には好循環を生み出すことが任務

「西和賀町を面白くて暮らしやすい町にします」と言うことができたら、この上なく、俺はやりやすい。

俺もわりとそう。

今のところ、俺は毎日温泉に入ってるけどね。

うんうん。

俺もクマと遭難が怖いから山は行きたくない。

わかる。満員電車を受容している社会って、マヂ病み。

「どこにもない四季と湯の里」というメッセージが刺さらない層にも、いろいろな「暮らしやすさ」を提示することで、

「おっ?」と思わせることができるだろう。

そして、

(´・ω・`)

でも、移住体験ツアーがあれば、

やったね。

移住体験ツアー参加者が感じた不満や不安を町が解消することが(少なくとも、課題として認識し、解消しようと努力することが)、さらに暮らしやすい町を作っていくし、ツアー参加者自体がこの町のポジティブな情報を世間に巻き散らかしてくれて、新しい参加者がやってくる。

そんな循環ができれば、おのずと新規就農者も増えるはずだ。

恐らく、過疎の自治体の多くがそうなのだろうが、西和賀町で行政が主体になって行う事業は持続性が低い。金の切れ目は縁の切れ目であり、補助金の切れ目は事業の切れ目である。

俺はこの町に初めて訪れてから引っ越しに至るまで、6年半かかった。だから俺は、移住体験ツアーを少なくとも6年半続くものにしたい。

初年度の移住体験ツアー参加者が、「いやあ、ようやく引っ越すことに決めたぜ、へへへ」って言いながら、7年目のツアー参加者のもとを訪れるとか、ステキやん?

財政的な要因で移住体験ツアーをつぶさせないためには、結局のところ、上で述べた好循環を作る以外にないのである。

まとめ

はい、そんなわけで俺がやろうとしているのはこういうことです。

↑  《面白くて暮らしやすい町の実現》
  ーーーーー「マジやべー壁」ーーーーー
   《高い事業継続性を構築》
  《変わろうとしていることを外に宣伝》
  《町が変わろうとする雰囲気の醸成》
  ーーーーー「結構やべー壁」ーーーーー
   《協力隊大量導入》《広告宣伝戦略策定と実行》
  ーーーーー「当然越えるべき壁」ーーーーー
  《移住体験ツアー創設》

マジやべー壁をみんなの力で越えましょうやぁ。

唐仁原 俊博 a.k.a. 西和賀町のやべーやつ / とうじんばら としひろ
岩手県西和賀町 地域おこし協力隊 / 演出家 / エンハンサー / エンチャンター

大学生・怠惰な生活・演劇の三足のわらじで、京都大学を10年かけて中退した、元フリーランスライター。ほんとは大してやばくないけど、最長3年の任期をフル活用するためにも、やべーやつを名乗ることにした。
ほんとに大してやばくない。

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