丘野冬姫

丘野冬姫

最近の記事

夫婦関係

たまにふと、母が子どもの頃に負った心の傷を父は癒すことはできなかったのだろうかと思うことがある。マンガなどではたまに、相手が自分を受け入れてくれたことで、これまでの自分を肯定して生きることができるみたいな場面を見掛けるが、母と父の間ではそういう奇跡は起こらなかったのだろうか? 無理か……。だとしたら、母が父と一緒にいる意味って何だろうと思うのは、私が父に期待しすぎなだけなのか? それとも、傷を抱えたまま一緒になり、その生活の中で母の傷は癒えていく可能性はあったとか? (……癒

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      そういえば、スカイツリーに行ったことがないと急に思い立つ。別にいつでも行けるし、観光スポットなのだからそのうちタイミングが合えば行くこともあるだろう。そんな風に思っていた。 でも、いつかっていつ? ……いつだろう? 案外、こういう場所の方が行く機会がない。 そんなわけで急遽チケットを取り、スカイツリーへ。 思っていたよりいいお値段。普段こういう観光スポットへ行くことが少ないせいか、相場がわからない。せっかく行くなら上がれるところまで、と展望回廊まで。 結果、面白かった。何か感

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        集団の中に入らないと生きていけないと思い、無理して頑張ってボロボロになりながら食らいついてきた。それでもそこに居場所は無くて、いつの間にか孤立し、最後は排除されるようにその場を追われる結果になる。 何度それを繰り返すのか。 だいたい自分自身でさえ、その場にいたいと思っていないにもかかわらず、どうにか自分の形を歪に歪めながらでもそこにいないと生きていけないという思い込み。 本当に? 本当にそれを望んでいる? こんなにボロボロになってまでそこに食らいつく意味なんてある? 何

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          うまくできなかったことを後ろめたく思っているのに、全然その気持ちに寄り添えていなかったことと気づく。自分ができなかったことをしている人を見掛けては目を逸らし、無関係を装う。失敗を失敗と認められず、気持ちだけ当時の場所に残ったまま「そのときはうまくできなかっただけだから」と小声で自分に言い聞かせる。そんな中途半端な言い訳をして、結局その過去に気持ちを留まらせてしまっているのは自分自身だ。これ以上進めないくせに撤退すらできていない。終わったときにきちんと振り返りをすることなくここ

          私の世界に入れるな

          つくづく、自分が幸せになることが一番だなと思う。 ストレスが溜まったら絡んでくる人や、その様子を傍観している人、反論したらこれ見よがしに相手を悪者に仕立てようとする人。 なぜそこまで人を使って自分のストレスを発散させないと気が済まないのだろう? 自分が言いやすそうな人を見つけては、自分で整理できない自分の中のモヤモヤを人にぶつけて喜ぶような最低人間のことなんて見たくない。強い人間にはいかないくせに。うんざり。 でも何よりも、そんなしょうもない人間の存在を自分の視界の中に許し

          私の世界に入れるな

          小さな忠誠心

          何を守りたかったのだろうか。 私は人に対し、何を怒っているのだろうかと疑問を持つ。人からの善意も好意も優しさも、手で払いのけてきたのは私だ。そうやって差し出される人からの素晴らしさを過小に扱い、人を悪者にし、一人の世界へ閉じこもる。善意を悪意に変換し、自分の味方は自分だけだと言い聞かせて一人で踏ん張ろうとする。一体、敵はどこにいるのだろう? 他人からの優しさを受け取ったら、親への裏切りのように感じるのはなぜか? 他人を敵にすることで親への忠誠でも誓っているのだろうか。優しさ

          小さな忠誠心

          母に対して望むこと

          母はなぜ結婚したのだろう? いや、母はなぜ父と結婚したのだろう? どう考えてもそのに母が望む生活があったとは思えない。ここで何がしたかったのか? それとも、父と一緒にいることだけを考えて結婚した? 自分のこれまでの生活を捨ててまで? こういうのを若気の至りというのか、ただのバカというのかどっちだ? 何度考えても、母の望む生活はここにはなかったし、ただ不満を言い続けるだけでここでの生活は終わってしまった。本当にそれでよかったのか? もっと早くに見切りをつけるとか、ここでの生活

          母に対して望むこと

          夫婦のカタチ

          父はなぜあんなに母に優しくなかったのだろう? と考えていて思った。どう関わっていいのかわからなかったのではないか? そのため、最初はきっとチャレンジしたのだろうとは思う。下手くそながらも、どうにか夫婦としてやっていこうと母に関わろうとしてみた。憶測だが。そして、おそらく返り討ちにあった。「もっと他の人はスマートに対応してくれたのに」「他の旦那さんはもっと頼りがいがあるのに」なんて。母なら言いそう。もしそうだったとすればきっと、父の心はズタボロになったのだろう。そして、もう関わ

          夫婦のカタチ

          奪い合い

          母は父に大事にされないことに不満を溜め、静かに父を恨み、父は父で自分の言動を棚に上げた上で、毎日恨めしげに父を睨む母を見てうんざりするという負のループ。もうその輪からどちらかが抜け出すしかないよなと思う。どちらも相手に与えてもらうことを考えるから不満が募る。早くそこから抜ければいい。 でも。相手に幸せにして欲しいと思う気持ちもわかる。ましてや、子ども時代に愛情を感じられずに大人になったのなら尚更。与えられず、不足していると思っているからもらおうとするし、実際そうなのだろう。

          対立

          最近の自分の状態を考えたとき、自分の中の男性が、自分の中の女性を責めている。もしくは、自分の中の大人が、自分の中の子どもを責めている。そんな状態が目に浮かぶ。 自分の中の男性は自分の中の女性に面倒事を押し付け、自分は他人事のようにそれを見ながらダメ出しをしている。「全然できていない」と。そのため、自分の中の女性は自分の中の男性に対して不信感を持ち、心を閉ざしている。そりゃそうなるよ、と自分でも思う。にもかかわらず、自分の中の男性はそうやって不信感を持つ自分の中の女性に対し、

          母の理不尽

          母が家庭の中で浮いているのを見て、子どもながらに、母はなぜここにいるのだろう? と思っていた。家庭の中に母のやりたいことはなさそうで、母の周りにはいつもその「何か違う」感が漂い、満たされていないことによる苛立ちはそのまま家族に向けられた。 どうすれば母は満たされるのか? それは母自身が探して見つけるしかなく、他人から与えてもらうものではない。それでも、母が不満を持ちながらイライラと家事や子育てをしているのを見るたびに、どうすればいいのだろう? と母を見つめ、そのイライラをぶ

          考え直し

          仕事をしても面白くなくて、一人でいても面白くなくて。 一体何をやっているんだか。 ずっといつかの誰かに怒ったり、悲しんだりしてきて、今になってそうやって過去の感情に支配されている時間が少なくなってしまうと、何もやることがなくて困る。いや、これが普通の状態か。これまで、こんな状態になったことがなかったから、どうしていいかわからない。何だろう、この手持ち無沙汰さは。 今まではいつも目の前に、私を問題に巻き込む誰かが存在していて、そんな誰かとの関わりで気持ちが乱れ、そのことで頭

          提供

          両親を思い出して思うのは、どちらも、相手から幸せにしてもらおうと考えている二人だったのだろうということ。ケンカで飛び交う言葉をまとめると、どちらも「なぜ私の望むようにしてくれないんだ?」に集約されると思う。そんなの無理だよね。違う人間同士が、自分の望みを相手に伝えないまま、察して自分が喜ぶ行動をしろなんて、どういうテレパシー? 父は母の気に入らない行動を見ては「(母が)常識がわからない(からダメなんだ)」と憤り、母は父が何もしないのを見て「私のことを助けてくれない」と父を罵っ

          誠実

          誠実さのない行動。 子どもの頃、誠実さのない人たちの誠実さのない行動を見て驚いた。そして何より、その人たちの周りの人がそういう人たちのそういう行動を許してることに驚いた。この世界はどうなっているのだろうかと。だから自分でも試してみた。その人たちと同じような誠実さのない行動を。そうすると、なぜか私は許されない。なぜ? 理由はもちろん、その人たちはそれぞれの関係性の上でそういった関わり方が成立しているからというのはある。そして、その人がそういった行動が許されるキャラクターであるか

          裏切りでも否定でもなく

          自分の過去の恨み辛みを手放してしまうことは、どこか過去の自分への裏切りのような気がして手放せないだけではないかと考えてみたりしている。あれだけ苦しかったのに、それを忘れてしまのか? と過去の自分から脅されている気持ち。その期間の想いを否定するつもりは毛頭なくて、ただずっとその感情を抱き続けるにはすでに過去の出来事は風化している部分がある。そのときの気持ちを忘れないように、手放してしまわないようにと抱え込み続けることの重たさ。そうすることで、自分をそこから動けなくしてしまってい

          裏切りでも否定でもなく

          残像

          斜に構えて対応したり、なぜか不機嫌な態度をとってしまったり。目の前の人に、似ている過去の誰かの残像を重ねそっけない態度をとる。別の人間なのに。今目の前にいる人に、過去の怒りをぶつけてどうする? そんなのただの八つ当たりじゃないか。そう申し訳なく思っているくせに、態度はうらはらに改まらない。そもそもそこまで引きづらなくてはならなかった出来事とは何ぞや? すでに大元の原因である出来事すら思い出せなくなっている。 子どもの頃に、尊敬できない大人たちをも敬わなければならないというし