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(5)決断 #IPMN

MRI検査&肝胆膵外科受診

嚢胞のサイズはやはり大きい。
主治医は「6cm」と表現するようになった。
6cmの風船がお腹の中にあるって、けっこう異常な事態だ。
夫の胸中はもう決まっていた。
私としても、一番避けたいのは、手術のタイミングを逃して、嚢胞ががん化してしまうこと。
それだけは確かだ。

主治医「どうしますか?」
夫「オペ、お願いします」
主治医「(にっこにこして)そうですか。わかりました。よろしくお願いします。」
すごく嬉しそうな主治医。
前回、仮予約を入れたとおり、約一ヶ月後のオペが決まった。
もう後戻りできない。

膵頭十二指腸切除術

しかしまあ、調べれば調べるほど恐ろしいオペだ。
医療ドラマの天才外科医ものに、しばしば取り上げられるらしい。
(怖くてもう見られない)

体の震えが止まらない。
このままでは私の精神が保てないと、昔お世話になったサイコオンコロジークリニックに連絡をとり、抗不安剤と眠剤を処方してもらった。
薬がなかったら耐えられない。

手術時間は約10時間。
入院期間は二週間から三週間。
合併症が生じると、もう少し長くなる。

術関連死は全国平均3%。
100人に3人が手術をしたことによって亡くなるという。
(入院先は0.5%とのこと)

多くないですか?!

それに、3%とはいっても、その3%に入ってしまったら、当事者にとっては100%だ。
リスクについて説明するのが病院の義務とはいえ受け入れ難い。

それに、10時間って、夜10時に寝て、ゆっくり朝8時に起きた頃に、やっとやってくる長さだ。
耐えられるだろうか。(私が)
コロナ禍にあり、付き添いは一人のみ。
しかも、病室にもどこにも入れない。
入院したら、夫とは一切会えなくなる。
耐えられそうにない。

この日から、私の体重は1kg、2kgと減っていき、最終的に7kg減。
全然変わらない夫と、どちらが病人かわからなくなってしまった。

→(6)に続く

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