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自己紹介―東欧よこんにちは、澁澤龍彦へのオマージュをこめてー

ついに、東欧の現代文学を紹介するブログを始めた。

きっかけは済東鉄腸さんの『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』を読んで背中を押されたことだ。アカデミアじゃなくてもここまでできるのかと、その情熱と探求心、破竹の勢いの実行力に感動した。

私も今のところアカデミアではないが、もうそろそろ、ただ消費するだけではなくて未開拓のまま眠っている作品を発掘して、紹介したいと思っていた。

大学ではフランス語を専攻し、2年生の終わりごろに地獄棚をふらふら歩き回っていたら澁澤龍彦に出会ってしまった。それからは寝ても覚めても澁澤龍彦、高丘親王と真珠が一心同体であるが如く澁澤と私も一心同体なんだと本気で思い、卒論では澁澤をテーマに論じたくらいだ。題目は『澁澤龍彦のアナロジー論―球体嗜好とルネ・ドーマル『類推の山』との関連をめぐって―』である。命日のお墓参りは毎年(といっても去年からだが)の恒例行事となっている。しかも昨年は四谷シモンさんの個展に赴いてシモンさん直々にエコールドシモンに招いていただいた!澁澤の導きに感謝である。ちなみにこの記事のヘッダー写真は1体目の人形である。いまは2体目を制作中だ。これを読んでいる方で澁澤ファンがいたらぜひ語り合いたい。一緒に澁澤トークをしましょう。

ちょっと脱線したが、このように澁澤ワールドを通ってフランス文学にのめり込む傍ら、東欧に何となく惹かれるものを感じていた。発見されていない独特の文化がわんさか眠ってるんじゃないか、素晴らしいものが発掘されていないだけで有り余ってるほど存在しているんじゃないか。これをみすみす逃してはおけまい、というわけである。

 実際に東欧、主にバルカンの言語を独学で勉強し始めたのは大学を卒業してからだ。いまは契約社員をやりながら趣味に費やす資金を得、好きなことを探求できている。この環境を最大限活用したいものだと考えていろいろ模索するうち、日本で知られていない東欧の現代文学を紹介しようと辿り着いた。

未知なるものの紹介、これはまさに澁澤龍彦が切り開いてきたことである。アカデミアではないからこそ、学術的な信憑性や正確性という厳格さからは距離を置き、いわば知の快楽として縦横無尽に探求できたのだと思う。

澁澤と東欧、一見繋がっていないように見えるが、私の中では、根底で繋がっている。


最後にヘッダー・プロフィール画像の絵画を紹介したい。 このふたつはともに旧ソ連ウズベキスタン出身の画家Konstantin Kacev (1967-)の作品だ。彼は現在北マケドニアを拠点に活動している。ほとんど無名の存在だったが、1990年代から徐々に知られてきている画家だ。夢のような非現実の風景、写実的で繊細な描写、優美に砕けていくイメージの虜となり、最近注目している。もっと広まってほしい作家である。

ヘッダー画像の引用元https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fporamoralarte-exposito.blogspot.com%2F2019%2F04%2Fkonstantin-kacev.html%3Fm%3D0%26hl%3Des_419&psig=AOvVaw1bLmY2T-kDAkVtz-IE2gZL&ust=1692421013540000&source=images&cd=vfe&opi=89978449&ved=0CA4QjRxqGAoTCLClwdy15YADFQAAAAAdAAAAABCHAQ 

プロフィール画像の引用元https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.artgalaxie.com%2Fartists%2Fdetails%3Fid%3D141%26artist_name%3Dkonstantin-kacev&psig=AOvVaw1bLmY2T-kDAkVtz-IE2gZL&ust=1692421013540000&source=images&cd=vfe&opi=89978449&ved=0CA4QjRxqGAoTCLClwdy15YADFQAAAAAdAAAAABCZAQ 
 

↑ちなみにこのArt GalaxieというサイトではKonstantin Kacevの作品を見ることができます。 



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