Kumiko タイ語通訳ガイド

タイ語全国通訳案内士。訪日タイ人専門のツアーガイドとして活動中。またインバウンドファク…

Kumiko タイ語通訳ガイド

タイ語全国通訳案内士。訪日タイ人専門のツアーガイドとして活動中。またインバウンドファクトリーのタイ担当として、インバウンドの現場におけるコミュニケーション支援にも取り組んでいます。

マガジン

  • インバウンド最前線の現場から

    • 53本

    日本のことを海外に伝えるお仕事をしているわたしたちは、現役の通訳ガイドです。 インバウンドの現場の最前線で、誰よりも外国人の近くにいるわたしたち。 現場で実践してきたこと、見たり聞いたりして、肌感でインバウンドを理解しているプレーヤーから、現場でガンバル皆さんへお届けしたい情報など、ゆっくりゆったり書いて行けたらと思います。

最近の記事

インバウンド富裕層の食事について思うこと

コロナ前と同様、インバウンドのお客様は日本での食事を楽しんでいる。先日ガイドとして同行したタイ人富裕層のお客様は、 「美味しい和牛はバンコクでも食べられるけれど、美味しい牛タンは日本に来ないと食べられないんだ!」 と、牛タン愛を熱く語って下さり、新宿でのショッピングの合間、デパートにある牛タン専門店で厚切りの牛タン焼とビールを堪能された。そんな様子に刺激を受けた私は、久しぶりに牛タンが食べたくななり、ツアー終了後、自宅近くにある同じ系列の牛タン専門店に足を運んだ。やはり日

    • サワッディーカは「触っていいか?」

      2022年10月11日から水際対策が更に緩和され、外国人の自由な訪日個人旅行が認められ、短期滞在のビザが免除されることになりました。日本好きのタイ人もこの朗報に沸き立っています。 訪日タイ人観光客の約7割は個人旅行者。これからの紅葉、雪のシーズン、日本各地にタイ人の姿が戻ることを期待したいです。 これまで多くのタイ人のお客様を受けて入れてこられた方々も、また、今後もっとタイ人に来て欲しいという方々もいらっしゃると思います。 そこで一つ提案です。タイ人のお客様に、タイ語で

      • お客様に教えていただいたこと

        「赤坂見附にお気に入りのワインショップがある。名前は知らないけれど。」 コロナ前は毎シーズン日本を旅行されていたというタイ人のお客様。久しぶりの日本に到着後、東京都内に向かう車内で、今回の訪日「最大の目的」ショッピングについて、そんな風に切り出された。 お客様の記憶と照らし合わせて判明したのが、日本有数の品揃えを誇る創業1624年の老舗酒店だった。土地柄、専ら飲食関係の方による利用が多く、知る人ぞ知る酒店だという。お客様は、以前、赤坂のホテルに宿泊された際、散策の途中に偶

        • 戻ってきた訪日タイ人観光客

          7月某日、成田空港第2ターミナル。 添乗員付きパッケージツアーに限定した外国人観光客の受入が再開されて1か月。いまだ、コロナ前の到着便ラッシュ時とは比べものにならないほど隙間の多い到着ロビーで、ミートボードを掲げて待っていると、日本人に交じり、マスクをした外国人の姿を目にする。飛行機の到着から約1時間弱。水際対策の緩和後、お客様とのミートは、こちらが拍子抜けするくらいスムーズだ。 約2年、こうした空港でのお客様のお出迎えの機会から遠ざかっていたので、久しぶりに訪日タイ人ツア

        インバウンド富裕層の食事について思うこと

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        • インバウンド最前線の現場から
          53本

        記事

          タイの当たり前が、日本の当たり前ではない。そこから起きる小さなトラブル。

          「郷に入っては郷に従え」 よその土地へ行ったらならば、その地の風習を尊重し従うのがよい。これはもちろん日本に限った考え方ではなく、英語には ’’When in Rome, do as the Romans do.’’ そしてタイ語にも ’’เข้าเมืองตาหลิ่ว ต้องหลิ่วตาตาม’’(意味: よその国では片目をつぶって見えないふりし、その場所のやり方に従うべきだ) という諺があります。 文化の違いを理解し、その土地のマナーに沿って行動することは、旅を

          タイの当たり前が、日本の当たり前ではない。そこから起きる小さなトラブル。

          タイ・バンコクなど、11月1日から外国人観光客の受け入れ本格再開。

          「日本はいつから外国人観光客を受け入れるの?」 このところ、タイ人の友人からそんなストレートな質問を受けることが増えてきました。日本国内におけるコロナ感染者数の収まりや、ワクチンの接種状況はタイにも伝わっていて、今か今かとこちらの様子をうかがっているようです。 そのタイでは、一足先に今年7月1日から「プーケット・サンドボックス」プロジェクトにより、プーケット県で外国人観光客の受け入れを再開。さらに11月1日からは、バンコク都を含む17県(一部エリア制限あり)に対象を広げ、

          タイ・バンコクなど、11月1日から外国人観光客の受け入れ本格再開。

          タイ人が注目する日本在住タイ人インフルエンサー

          訪日インバウンド観光のプロモーションにおいて、日本に住んでいる外国人の情報発信力や、外国人ならではの視点を活かす取り組みは、コロナ以前より盛んに行われてきました。コロナ禍で海外から日本への渡航が途絶えたことにより、さらにそうした日本国内に住む外国人の発信力に注目が集まっています。 もちろんタイ人も例外ではありません。在日タイ人の発信力によって訪日タイ人誘致が成功した事例といえば、新潟県の湯沢町。スノーリゾートで有名なこの小さな町に2011年頃からタイ人観光客が急増した背景に

          タイ人が注目する日本在住タイ人インフルエンサー

          ご当地マンホールは、まちのコンテンツ。

          初めて訪れた街を散策中に、ふと足元にカラフルなマンホールの蓋を見つけてカメラを向ける。そんな経験をされたことはありませんか? 日本全国各地には、北は北海道から南は沖縄まで、様々な「ご当地マンホール」が存在します。まさに路上のアート!特色あるデザインは道行く人の目を楽しませてくれます。それら「ご当地マンホール」を求めて各地に足を運び、写真を撮ってSNSにアップしたり、また近年では自治体とGKP(下水道広報プラットホーム)が共同で作成した「マンホールカード」の収集を趣味とする人

          ご当地マンホールは、まちのコンテンツ。

          自動販売機と訪日外国人

          東京オリンピック・パラリンピックのメディアセンターに設置された五輪みやげの自動販売機が、来日した海外報道陣の間で人気となっているそうです。 タッチパネル式の画面に数回タッチするだけで、オリンピックロゴ入りのマグカップやトートバックなどの記念アイテムや、達磨、招き猫といった日本のお土産まで購入できるこの自動販売機。クレジットカード払いにも対応しています。ニュース映像を見る限り、購入したアイテムは「ガチャンと落ちてくる」というよりも「取り出し口まで丁寧に運ばれる」といった印象。

          自動販売機と訪日外国人

          旬を味わう!果物狩りと訪日タイ人について

          スーパーの店頭にキラキラと輝くサクランボが並ぶ季節となりました。 少々値段が張るので、私はお財布の中身とよく相談してから買い物かごへ運ぶようにしています。一年のうちで今だけ、貴重な旬のフルーツは日々の生活に彩りを与えてくれます。 そんな旬の味覚を最も贅沢な方法で味わえるのが果物狩り体験。ちょうど今の時期はサクランボが主役です。畑の真ん中で、丸く赤く熟した食べ頃のサクランボの実を探し当てたら、木から採ってその場でパクリ!甘酸っぱさと瑞々しさが口いっぱいに広がるところを想像す

          旬を味わう!果物狩りと訪日タイ人について

          ワクチン接種にみるタイ人スターの影響力について

          つい先日、タイ国内最大の日刊紙「タイラット」のオンライン版に興味深い記事を見つけました。タイトルは「秘密を解く。なぜタイ社会ではいつもスターが人の心を動かすことに成功するのか」(2021年5月24日付)。タイ語で「ダーラー ดารา (直訳すると「星」)」と呼ばれる人気俳優や歌手などの芸能人。トップスターとなれば、テレビCMや街の広告でその顔を目にしない日はありません。常にスポットライトを浴びる彼らの言動や行動は、タイ社会で大きな影響力があると言われています。訪日インバウンド

          ワクチン接種にみるタイ人スターの影響力について

          タイ人のお客様をおもてなしする際のヒント【写真撮影編】

          その日、その場所にいた瞬間を切り取ることができる写真。コロナ禍で自由な移動が叶わないため、「以前旅先で撮った写真」の数々を見返しながら、思いを馳せているのはどこの国でも同じではないでしょうか。 今、タイ人の間では、そんな「以前旅先で撮った写真」にハッシュタグเที่ยวทิพย์(ティアオ・ティップ、直訳すると「神の旅」)を付け、SNSに再投稿するのが流行りです。現実には外国旅行はできないけれど、神の力を借りて仮想の旅に出かけよう!嘆きの中にポジティブさも入り混じったタイ人

          タイ人のお客様をおもてなしする際のヒント【写真撮影編】

          タイ人が好んで食べる「ピンヤーン」と持ち込みタレについて。

          「このあたりに美味しいピンヤーンのお店はある?」 「今夜はピンヤーンが食べたいな。おすすめのお店を教えて。」 訪日タイ人のお客様をお連れしていると、客層を問わずこんな風に聞かれることがあります。 「ピンヤーン ปิ้งย่าง」とは、タイ語で「焼いて食べるもの」。イメージとしては炭火でジュージューと焼く焼肉やシーフードのBBQ。また串に刺した日本の焼きとりやカウンターで食べる鉄板焼、炉端焼きなども「ピンヤーン」の一種です。 タイでは首都バンコクに限らず、牛豚鶏の焼肉やシ

          タイ人が好んで食べる「ピンヤーン」と持ち込みタレについて。

          「日本に行ったら何がしたい?」タイ人に聞いてみました。

          コロナ禍に突入してから1年が経過。ワクチン接種が始まり、長いトンネルの先に漸く光が差し込んできたかにみえる今日この頃。個人のSNSを通してタイ人の友達に「もし日本に行ったら一番何がしたい?」という質問を投げかけたところ、20名がコメントを寄せてくれました ※30~50代、バンコクもしくはその周辺に住む働く男女で訪日リピーターの方がほとんどです。以下、タイ人からのコメントです。 河口湖に紅葉を観に行く。 新宿おもいで横丁でやきとりを食べて、小さなお店をはしごする。 本場

          「日本に行ったら何がしたい?」タイ人に聞いてみました。

          タイ人のお客様をおもてなしする際のヒント【旅館での食事編】

          つい先日、NHKのニュース番組の中で、コロナ禍の現在、タイ・バンコク市内にある「旅館」が富裕層を中心としたタイ人から注目を浴びているという報道がありました。経営者の女性はタイ人、従業員もすべてタイ人。ただし、客室の調度品や提供する料理の器などはすべて日本から調達したもので、外観やサービスも含め、雰囲気はまさに日本の旅館そのもの。日本全国各地を旅し、その先々で受けたおもてなしに感銘を受けた経営者の女性が「日本風ではなく日本そのものにしたい。」との気持ちで始められたこの旅館は連日

          タイ人のお客様をおもてなしする際のヒント【旅館での食事編】

          アフターコロナにタイ人のお客様を迎えるために大切なこと。

          「タイ人を知りたいなら、一緒に旅をしてみるといい。」 訪日タイ人から絶大な人気を集める日本人インフルエンサーの方がそう語った言葉に共感しています。 たしかに、タイ人がどんな速度で歩き、どんなところで足を止めてカメラを向けるのか。それらはタイ人と旅する時間を共有しながら実感できる。                    旅行業界とは無縁だった私が、夫の仕事の都合でタイ・バンコクに約5年滞在した後、2014年からタイ語通訳ガイドとして活動を始め、多くの訪日タイ人ツアーの実践

          アフターコロナにタイ人のお客様を迎えるために大切なこと。