見出し画像

【第57話】ぐるっと奥多摩! 東京の大展望!

こんにちは!
旅する自転車です。

「関東平野で面白い場所さがし」という企画を以前やり大惨敗に終わりましたが、今回は東京都内に絶景サイクリングコースが存在するという情報を得まして、確かめに行ってみたいと思います。

その場所とは、奥多摩です。

こんなに身近なエリアになぜ今でも気が付かなかったのでしょう……。今回は学生時代の友人とタッグを組んで挑みます。11月の中旬ということで紅葉も見頃を迎え、山は錦秋に染まっていることでしょう。
それでは、行ってきます!

▼関東平野で面白い場所さがし▼

奥多摩とは?

奥多摩とは東京都西部に広がる山岳地帯のこと。多摩川の上流にあたり、浸食によるV字谷が広がる。奥多摩エリアの象徴ともいえる奥多摩湖は、小河内ダムによって堰き止めて造られた人造湖。湖の南側を通る東京都道206号における19.7㎞の区間は「奥多摩周遊道路」の名称が付けられており、湖畔側と山の上の展望台とでは600mほどの標高差がある。かつては有料道路だったこともあり、緩やかなワインディングが多く、かつ道幅にもゆとりがあるためツーリストに人気のあるコースなんだとか。そして最大の魅力は都心からのアクセスの良さ。東京駅からでも中央線・青梅線で約2時間。電車での移動も含めて日帰りで本格ヒルクライムと山岳の眺望を堪能できるというわけだ。

“東京アドベンチャーライン”の愛称がある青梅線。青梅駅を過ぎてしばらくすると、多摩川上流部の美しい渓谷を車窓から楽しめる
山小屋風の外観をした奥多摩駅。「関東の駅百選」に選ばれている

やって来ました。奥多摩駅

ということで、奥多摩駅にやって来ました。11月の中旬ということで紅葉の見頃なのでしょう、駅前には人の姿で溢れ、みな登山口を目指して路線バスに乗り込んでいるようだった。人混みを避けて壁際でコソコソと輪行解除。準備を整え、さぁ出発だ! さきほどまでの人混みがウソのように閑散とした町を抜けると、行く手を塞ぐかのような山々が視界に現れた。いくつかのトンネルで山をブチ抜きながら、国道411号を進んでいく。まずは5㎞・200mアップして奥多摩湖畔へ。湖畔の道路は多少のアップダウンはあるものの、比較的平坦で走りやすい道が続いた。朝も早かったのでお腹も空いてきた。お昼にしよう、今何時かな。……まだ9時30分!? しかしこの衝動は止められない。沿道に中華そば屋を発見! 奥多摩では結構人気のお店らしく、補給がてら立ち寄ることにした。

国道411号。麓の市街地付近も、紅葉が始まっていた
進行方向左手に現れた小河内ダム
奥多摩駅から車道と並走する路線は、ダム建設に貢献した貨物線跡
車通りは少なく、非常に走りやすい
「のんきや」の手打ち中華そば750円。手打ちの中太ちちれ麺は、コシがあり自家製スープともよく絡む

奥多摩周遊道路

奥多摩湖はダム湖ということもあり、山の稜線がそのまま沈下した地形のため、湖岸線は複雑に入り組んでいる。このギザギザの湖岸をショートカットするように、いくつかの橋で道路が結ばれている。4つ目の橋梁を通過すると、ここで都道206号へ右折する。ここからが13㎞・600mアップ、本格ヒルクライムだ。道路は森の中を通っているため見晴らしはイマイチだが、時より木立の間から、だんだんと小さくなる奥多摩湖を望むことができる。標高は700m、800mと着々と上がっていく。木々は葉を落とし冬の装いすら感じさせる風景だったが、モミジの紅葉はこれからのようで、鮮やかな朱色がハードな登りに癒しを与えてくれた。こうしているうちに、都道を登り始めて1時間10分、奥多摩周遊道路のハイライトである月夜見第一駐車場へと到着した

背後に見える黒い鉄橋は「三頭橋」。この橋を渡ると奥多摩周遊道路の登りが始まる
東京都とは思えない大自然が広がる
月夜見第一駐車場。グッドタイミングで空も晴れてきた
駐車場に来ていたキッチンカーで大判焼きを購入
奥多摩湖を見晴らす

東京で一番高い道路らしい

月夜見第一駐車場を出発してさらに150mアップすると、上り坂は緩やかになり、やがて下りへと折り返していった。どうやらこの場所が奥多摩周遊道路の最高地点のようだ。標高1,146 mに達する風張峠には、「東京都で一番高い道路」として標識も立てられているらしいが、全く気付かずに完全にスルーしてしまった。さあ、ここからは一気にダウンヒル。ゴールの武蔵五日市駅とは、標高差で言うと1000m! 東京都内で1㎞も下るというのは驚きだ。下り坂は細かいワインディングの連続で、写真を撮ることを忘れるくらいの疾走感だった。しかし、しばらくすると斜度は緩やかになり、斜度3%ほどに減退。中途半端な下り坂は、マウンテンバイクの変速ではスピードが出ない。この微妙な下り坂で、思った以上に時間がかかってしまった。平野部まで降りてくると、次第に道を通る車の数が増えてきた。この辺りは都内でも有数の行楽地、秋川渓谷。皆、キャンプやハイキングを終えて家路についているのだろう。渓流を抜けると建物は増え始め、町らしい風景になってきた。町の中心らしい大通りを進んでいくと、左側に高架線の末端を発見。JR五日市線の終点・武蔵五日市駅に到着だ。

西陽を受けた黄葉が、金色に輝いている。
南秋川に架かる、ヘンテコな形の新矢柄橋
渓流に架かる吊り橋は、秋川渓谷を代表する風景。橋を渡ると温泉があったりしたが、帰りが遅くなるので断念!
この有様である
関東平野の西の果てに、こんなに立派な駅舎が建つ。秋川渓谷の玄関口として、人々を迎え入れているのかもしれない

という訳で、奥多摩をぐるっと周ってきました。
奥多摩駅から武蔵五日市駅まで約60㎞・800mアップ。
新宿駅から電車で片道1000円という好アクセスでありながら、観光道路を走りながらダム湖や山々の眺望も楽しめるという、みどころがコンパクトに詰まった満足のゆくサイクリングコースが用意されている。
奥多摩がツーリストに人気な理由がわかりました。
東京近辺にお住まいであれば、絶対に行くべきです。

今回の舞台は東京でしたが、次回はお隣、埼玉へと向かいます。
どうやら埼玉にも面白いサイクリングコースがあるようです……。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?