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【第31話】のぼれ筑波山!! 新年を告げる

みなさんこんにちは。
今回の舞台は“筑波山に喰いつく婆さん”で有名な、筑波山です。

筑波山とは?

茨城県つくば市、石岡市および桜川市にまたがる標高877mの山で、西側の男体山(標高871 m)と東側の女体山(標高877 m)からなる。山の尾根を走る観光道路が整備され、県道236号線つつじヶ丘〜風返し峠の区間は筑波スカイライン、風返し峠〜朝日峠の区間は表筑波スカイライン、2つを合わせて筑波パープルラインとして親しまれている。
表筑波スカイラインは残念ながら自転車走行不可なので、わずか1.7㎞しかない筑波スカイラインを目指して、麓からアタックしてみたいと思います!

茨城南部の筑波山や霞ヶ浦、千葉県東端の銚子、鹿島や香取といった茨城・千葉の境界“ちばらき”をひっくるめて水郷筑波国定公園に認定されている

つくば霞ヶ浦りんりんロード

2018年1月7日、新年の初走りだ。つくばエクスプレスの終点つくば駅に到着したのは朝7時30分頃。早朝にもかかわらず地下ホームにはすでに人の姿があったものの、地上に上がると太陽がようやく登り始めたばかりで、街はまだ眠っているようだった。ここから筑波山まで20㎞弱だが、訳あって遠回りになるが、いったん土浦駅へ寄り道してから目指すことにした。およそ10㎞、特筆することのない、いかにも地方らしい4車線道路を行く。あっという間に土浦駅ロータリーに到着した。さて、なぜ土浦駅まで来たかというと、かつてこの駅から筑波山方面へかけて鉄道路線が通っており、廃線となった今はサイクリングロードが整備され、安全に筑波山を目指すことができるからだ。ちなみに、この土浦駅からJR水戸線岩瀬駅を結んでいた旧筑波鉄道の廃線敷、そして霞ヶ浦を周回する湖岸道路を合わせた全長約180㎞のサイクリングコースは「つくば霞ヶ浦りんりんロード」と呼ばれている。廃線跡だからこそ見られる鉄道遺構を眺めつつ、往時にこの路線を走っていた車両になった気分でペダルを漕ぎ進んでみよう。

土浦駅を通る常磐線から分岐し、なだらかにカーブを描くこの道が廃線敷のようだ
住宅街を走るサイクリングロード。右手にあるコンクリートの塊は、かつての駅のプラットホーム
土浦駅から7㎞ほどの常陸藤沢駅跡。だいぶ里山風景が広がってきた

いざ、筑波山クライム!!

土浦駅から出発して15㎞、旧筑波鉄道常陸北条駅跡に到着したところで、サイクリングロードを外れて一般道へ出た。ここからいよいよ筑波山を目指す。どうでも良いが、いつも使っている一眼カメラは残念なことに出発前に充電を忘れたせいで使えず、予備で持っていたコンデジで撮影していた。快晴の空の下、防水カメラが大活躍した。1車線の県道139号を進むと、目の前に大きな二連の山がそびえて見えた。筑波山は目前だ。3.5㎞ほど走ると、山の麓に素朴なコンクリート造りの鳥居が現れた。筑波山神社一の鳥居で、ここから本殿へ向かう参道が続いている。とても自転車に乗って進むことのできない暴力的な坂だった。遠回りをすれば走って登れそうだが、せっかくなのでこの急斜面を手で押して進むことにした。思いのほか坂は長く、20分ほど押し進めてやっと朱色に輝く大鳥居へと辿り着いた。自転車を停め、階段を登り筑波山神社へお参り。常陸北条駅跡から約240mアップと、ちょうどいい運動になった。時刻はまだ10時30分だったが、朝が相当早かったおかげで体感的にはもう昼だ。お腹も少し空いていたので昼食をとることに。神社の周辺は平地になっており、みやげ処やホテルまでも建つ、ちょっとした観光地になっている。古き良きドライブインのような施設で、名物つくばうどんを注文。1月の寒気に冷えた身体を、深みのある出汁が温めてくれた。

サイクリングロードから離脱し、つくば道へ。石碑が立つこの地から筑波山方面へ延びる
筑波山を構成する男体山と女体山がはっきりと見える
謹賀新年と書かれていて、めでたい雰囲気に包まれていた
地元産の鶏肉「つ」くね、黒(「く」ろ)野菜、豚「バ」ラ肉が入った“つくばうどん”。観光地価格の1000円。じっくりと、ゆっくりと味わった。

女体山の大パノラマ

筑波山神社から5㎞・200mアップ。県道42号を走り風返峠へ、風返峠から筑波スカイラインを通りロープウェイ乗り場へ到着した。女体山山頂まで、さらに300mほど標高を獲得する。女体山駅を降りるとすぐに展望台があり、冬の澄んだ空気のおかげで関東平野を一望することができた。無事にノルマを達成したところで山を降り始めた。今度は筑波山から東方面へ向かう。午前に一生懸命に登った500mの標高差を、わずか6㎞の距離で一気に駆け降りる。筑波山は鉄道空白地帯にあり、周囲10㎞圏内に輪行できる鉄道駅がない。今走っている東方面で最も近い常磐線石岡駅でさえも13㎞ほど離れている。ここからは地味にアップダウンのある里山を淡々と走り、ただゴールを目指した。みどころは何一つ………あった!! 北海道の大手ローカルコンビニで、なぜか茨城でも展開しているセイコーマートだ。茨城へ来たなら絶対に立ち寄りたい。あの驚きの低価格のパスタと無数のアイスを楽しめるのだ。これがなければ退屈のあまり意識がなくなるところだった。セイコマに感謝だ。石岡駅に到着したのは14時30分。まだ1日は長かったが、駅前にこれといった観光名所もなかったのでまっすぐ帰ることにした。

”笠間つくば線”の愛称をもつ県道42号。筑波山を走っているが見晴らしは良くはない
全長1296mの筑波山ロープウェイ。6分間の空の旅へ
岩場の向こうに見えるのは霞ヶ浦
筑波スカイラインの下りの景色は、一瞬だが見晴らしが良い

冬の景色はなんだか切なくて、サイクリングから離れがちだが、天気さえよければ意外と楽しめることがわかった。次はどこに行こうか。ちょうど2月に会社の研修が大阪で行われる。土日もセットということで、せっかくなので自転車も持っていこう。

次回第32話、関西特別編。
「大阪から、あの離島へ」

懐かしのゲーム風手作りマップ

つづく…。

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