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自身のポートフォリオに外国不動産を加えるということ!?

こんにちは。今週は、カンボジアのプノンペンで不動産の見学をしてきました。海外の不動産の見学の楽しみは、ほぼ旅行のそれと一緒です。自分がよく知らない国のことを深く突っ込んで勉強できる最良の機会です。

グローバルな現代、自分の資産や収入源に自国以外のものを加える活動は、世界中の人々で至極、当たり前になりました。

例えば、語学の勉強をすることは、自分という「人的資産」を日本資産から世界資産へと置き換える活動です。今回の旅でもカンボジア人の日本語を勉強したガイドさんに接しましたが、彼らはそれにより日本人から収入を得ることができます。新NISAで人気の全世界株式指数の投資信託を買うことは、「金融資産」を日本資産から世界資産へ置き換える活動です。それにより世界の企業のオーナーになり、配当などを受け取る権利を得ます。世界一と言われる日本の対外純資産はさらに高まります。

我々は何故にこのような行動を取るのか、取るべきなのでしょうか。それは自分が身を置く社会においてバランスよく生きるためであるからと思います。

例えば、50年前の高度経済成長の昭和の時代、東北地方のあるAさんが東京に仕事を見つけに上京してきたとしましょう。東北弁訛りがひどければ仕事は見つけにくいので、Aさんは標準語を勉強するでしょう。そして地元の信金・信組の銀行口座に変えて、新しく東京の銀行の口座を使うようになったと思います。それは新しい環境で生きていくためです。

翻って、現代の我々が外国の資産を持つ大きな理由は、世界経済の中で自分の購買力を維持するためです。我々の日々の生活で消費するものの多くは、日本以外で生産されて輸入されています。石油、食料、衣服などなど。自分の消費が世界に関係しているのであるならば、自分の資産や収入も世界に関係させるべきだからです

人生100年時代、自分の資産(将来の収入に関係)と負債(将来の支出に関係)の「バランス」が悪いことは人生を生きる上でリスクであり、そのリスクを下げるためには国際的な投資の視点と活動が必要になります。

このような行動を取らなくてよいのは、その時々の世界の「覇権国」に生まれた、つまり世界の中心にいる(ある意味でラッキーな)一部の人だけと思います。現在で言えばアメリカの3億人ですが、他の77億人の人は、自国の外に目を向けて自分の資産をバランス良く整えていくいくことが、人生100年時代を豊かに生きる知恵となります。中国人も欧州人もそうです。

なお、儲けるために外国資産を持つという考え方はあまり良くありません。人生をバランスよく生きるためというマインドセットがまず大事です。

この知恵を実行に移すことは、つい20年前までは非常に困難だったのですが、現在では一般の人でも低コストで外国の通貨、債券、株式を持つことができるようになりました。ネット証券やパッシブファンドの登場です。素晴らしいイノベーションですね。生活に、掃除機や洗濯機、クーラーやスマホを取り入れると同じことですので、このようなイノベーションを利用することで人生のクオリティは大きく変わります。

さて、世界で一番大きな資産といえば不動産です。調査会社の分析からの私の推計では、世界の不動産は世界の預金と株式と債券の3つの合計と同等の規模がある資産クラスであり、資産としての歴史も抜けて長い、人類のKing of Asset(資産の王様)。個人にとっても、持ち家を含めて個人の資産形成の1つの核になるものです。ただし、不動産は金融商品と比べると、以下のような特徴があります。

・全てが一点物である(同じ不動産は世界に二つとしてない)
・購入金額が大口である(ファンドとして小口化されている不動産は1%以下)
・商慣習がローカルである(不動産に纏わる各国の法律や地域の商習慣はかなり異なる)

この特徴のため、不動産は個人の国際分散投資には気軽に利用しにくいし、現実としても、あまり利用されていません。King of Assetであるのにも関わらずです。ただ世界の富裕層は、自国外の不動産投資にはそれなりに積極的に思います。現実、日本をはじめとして先進国の不動産を資産として持ちたいという外国人はとても多くいますし、成長著しい国の不動産を購入したいという動機の富裕層も多くみてきました。

個人的には、人口増加や長期の経済発展が見込める国の不動産は、非常に良い長期投資の対象と思っています。日本でも1950年から1980年まで、中国では1990年から2010年までなど、高度経済成長時代は土地価格が爆発的に上がりましたよね(神話とまで言われていました)。理由はシンプルで「需給」です。平地であったり、水がある川や海に近い場所であったりと、特に人々にとって利用価値の高い不動産は有限であり、供給は限られているのです。一方で、経済発展の初期では道路、港湾、鉄道、病院、学校、街づくりなど、何もなかったところに超大規模な社会インフラ整備が急速に行われるため、不動産に対する需要が極めて高まります。同時期に国の人口が安定的に伸びれば、結果として不動産の価格は大きく上がります。産業としても不動産や建設がなどが極めて重要になります。

私の知り合いで「先進国は株式、新興国は不動産を、投資の基本軸として考える」という意見を持っている人がいますが、これは合理的かなと思います。先進国では民間企業の生産力やイノベーションが、新興国では基本的なインフラ整備が、その経済発展ステージに合わせた社会課題の解決により重要な役割を果たしていると思うからです。

ただ海外の不動産、特に新興国の不動産はそもそもアクセスが難しいので、結果としてなかなか投資機会に巡り合うのが難しいです。語学の壁も当然あります。海外に不動産を持っている日本人は、正確な統計はありませんが、おそらく10万人以下でしょう(2000人に1人、0.05%程度?)。

という訳で、話が長くなりましたが、今回は上記のようなモチベーションを持ちながら、カンボジアの不動産を現地見学してきましたので、次回のブログで感じたことを色々と紹介したいと思います!

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