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単身

30歳になるまでに一人暮らしをしよう。
なんとなく掲げていた指標だった。

しかし、UNIQLOばかりの今から考えられないほどの金額の洋服を着飾って夜遊びしまくっていた私にはとにかくお金がなかった(笑)
不思議と今みたいなハイブランド欲はなかったけど、小さいものにお金をガツガツ使っていた気がする。

実家はたまに夕飯を食べ、シャワーを浴びるだけ場所だったと思う。大体彼氏とホテルに泊まったり、朝まで遊んだりで特に寝る場所でもなかった。家に入れる約束の4万円も滞納しまくっていた。

そんなあまちゃんな私が一人暮らしを始めたきっかけは些細なことだった。

父親と喧嘩した、というか一方的に怒られた。
私は怒られると大体テキトーに謝罪して乗り切るのだが、内容が一方的すぎて逆ギレしてしまったのだ。

もうこんな家にはいられないといわんばかりに即家探し。

SUUMOで探して、新築で建築中の物件を内見もせずに詳細図面をもらって即契約。
「住」を生業としてる者としてそこにこだわらないという選択肢はない。

新築なら綺麗なのは当たり前。
内見の必要なんてない。

駅近などの条件はマストだが、私が更にこだわるのは間取りと住宅設備と構造だ。
詳細図面と仕様書で全てを確認して、住宅設備や床や建具など品番で検索して各種機能なども確認した。

CADで図面を起こし、配置予定の家具やカーテンの寸法なんかも完璧だった。
ここまで初回の一人暮らしうまくいく?と思うほどに完璧だったと思う。

不動産屋には、詳細図面と仕様書下さいって初めて言われました…と若干ひかれたけど。

でも私は前述したようにお金がなかった。
完璧な計画なのにお金がない(笑)
新築で条件が良い物件を妥協せずに選択したから初期費用に40万以上かかった。頼みの綱のボーナスがほぼとんだ。
だけど、例えば少しずつ何かを買うとか、なにかをとりあえず我慢するとか住環境が整っていない住まいなんて絶対にいやだ!という思いがあった。最初から不自由なく生活できなきゃいやだった。

でもお金がない(笑)

でもでもでも!私には当時お金を持ってる彼氏がいた。そして引っ越した8月は私の誕生月だった。ふわっふ!!!たかまるっ!!!

「おまえ、家って契約しただけで住めるようになるって思ってんだろ?」
と嫌味を言われるぐらいの金額を注ぎ込んでもらった。全部返せと言われたら、おそらくこの家には何も残らない。

TVもテレビボードも洗濯機も冷蔵庫も炊飯器もレンジもマットレスも…言い出したらキリがない。

私はこの家に住むときに初期費用しか払ってないのだ。ちなみに引越しは父親の知り合いがやってくれたから、5千円の菓子折りですんだ。

でもそのぶんかなりその彼氏には尽くしたし、ひどいこともされたし、何回も泣いたしまあその代償かなって思ってる。
ほぼうちにいた時期もあったしそのぶんの家賃とか光熱費とか食費とかね?うん、winwinだよね?wwwww

そんな我が家も3度目の更新を前に引っ越す可能性がでてきた。

たくさんの思い出がある家をでるというのはなんだかちょっとセンチメンタルな気分だ。

引越したい気持ちもある。

新たなスタートを切りたい気持ちもある。
この家にいる限りあの男との思い出も忘れられないし、関係も絶てない。

最低で最高でこの世で一番大好きだったあの男を忘れきれない私がまだいる。

その気持ちをこの家に置いていけるのか、正直まだ自信がない。

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