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150年前、フランスとドイツに翻弄された陶窯

sarreguemines(サルグミンヌ)窯

なめらかで美しく魅力的なアンティークのうつわたち。その多くをたどれば、無数の陶窯の吸収合併において成り立っています。

その中のひとつでもある、Sarreguemines(サルグミンヌ) は1770年創業された陶磁器ブランド。その名の通り、フランスとドイツの国境に位置する小さな町サルグミンヌで窯の歴史が始まりました。

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出典:Wikipedia,Sarreguemines

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かのナポレオンも愛したといわれるその品質のすばらしさから大きな会社へと急成長を遂げるも、
1870~71年の普仏戦争の結果、サルグミンヌがフランス領からドイツ領となり、フランスへの陶器の輸出に莫大な税金を課されることになりました。
そのためサルグミンヌ窯は、1879年にフランスのブルゴーニュ地方の小さな町ディゴワンへと窯を移すことになりました。

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出典:Wikipedia,Digoin

Sarreguemines(サルグミンヌ)はそこで当時すでに陶器の制作を行っていたカフェオレボウルで有名なDigoin(ディゴワン)と合併し、
その後はディゴワン&サルグミンヌとして陶器の生産を行っていました。
大都市に近く、水路、陸路も優れ、セラミック、グレー陶器、陶器の工場もすでにあるので移転先としてはぴったりの場所でした。

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2つの窯が一緒になってからもサルグミンヌマーク、ディゴワンマーク、サルグミンヌ・デイゴワンマークと3種類の刻印が使われていましたが、
1970年以降はサルグミンヌマークの刻印は使われなくなってしまいました。
その後、1978年に買収されるまで食器の生産を行っていましたがこの年で終了。ディゴワン&サルグミンヌとしては2007年に閉窯しています。



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