見出し画像

AIイラストこそ、性癖が重要

暫くpixivを見ないでいたら、タグ検索で大量のAIイラストが出てくるようになっていた。そりゃあもう、びっくりするくらい、いっぱい。今日はそれについて話したい。

複雑な心情ではある。いや、AIイラスト自体は別に良い。絵が人っぽくないとか、キレイすぎるとか、そういうことでが言いたいわけではないということは釈明しておきたい。
寧ろ、AIという単語の持つ印象とは裏腹に、個々人の性癖、趣味嗜好という極めて生の人間が持つアナログ的な部分が重要視されるのがAIイラストでは重要になると思う。僕がPixivで画像を検索する時、とりわけR18指定の画像を探すとき、かなりマイナージャンルというか、細かいシチュエーションタグを使うことが多い。特に男性向けジャンルは顕著だと思うのだが、これらのシチュエーションタグは余程メジャーで汎用性のあるタグでない限り、描き手が少なかったりそもそもタグ名が知られていなかったりと、イラストはあまり増えないことが多い。だからこそお気に入りを見つけたときの喜びもひとしおなのだが。
こういうタグの場合、イラストの多くは「マイナージャンルであることを逆手に、イラストとの関連性が薄くてもタグをつけてタグの固定ファンの目に止まろうとする」事も少なくない。そして、これこそ僕がAIイラストに渋い顔をしてしまう部分なのである。既にAIイラストを扱う人、この記事では便宜上、単語帳の名前とそれを扱う人達という意味で魔術師と呼ばせてもらうが、彼らの人口は増えまくっていると言える。最早AIイラストというのは物珍しさで伸びるものではなく、それ以外の何かが必要になってくる。通常のイラストレーターと同じく、技術以外の部分でPV数を増やす工夫をしなければいけないのだ。その一環がタグで、場合によっては前述した関連性の薄いタグの濫用などをする人も残念ながらいるのである。ただ、元々イラスト制作をより手軽に行うためのツールという性質上、通常よりも短期間かつ大量にそれが行われる場合も多く、結果として数人の魔術師による無自覚かつ悪意なきタグ荒らしのようになってしまうことがあるのである。

ここまで悪いことばかりを描いてきてしまったが、AIイラスト自体はむしろ良いもので、特にジャンルに深い造詣のある魔術師はコンスタントかつクオリティの高いイラストを提供してくれるという意味で、マイナータグ愛好家としては極めて貴重な存在となってくれる気がする。

技術的な部分の差異が生まれにくいAIイラストは、だからこそ、使用者の意向をもろに受け止め、反映する。そこに絡む重要なファクターは寧ろ人の表現したいと思う物がどれだけ具体的で、細部まで練られているかという部分であり、表現者としての根本的な所が求められるだろう。

表紙はAIが描いた蜘蛛の女の子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?