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ライター、編集、企画をしている。食いしん坊、お酒好き。備忘録として日常と自分の思い込み…

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ライター、編集、企画をしている。食いしん坊、お酒好き。備忘録として日常と自分の思い込みの解体。生活を哲学するをモットーに執筆していきます。

最近の記事

人間も蚕も家畜化した生き物!?ーお蚕育てのススメー

2021年の5月に、NPO法人くにたち農園の会が主催する「お蚕フレンズプロジェクト」からお蚕を迎え入れ、今年2年目の飼育を迎えました。 2年目のお蚕育ては、思いがけなく始まりました。その日は2022年4月10日。最高気温は26℃。初夏の香りさえ感じられるような春の陽気のなか、私の知らぬ間に蚕の卵が孵っていたのです。お蚕だけではありません。春の足音はまだかと耳をすましていた庭の丸裸の木々も、蚕の餌のとなる桑も、この日を境に一気に芽吹き始めたのです。 私はというと、卵のことは

    • コロナ禍に父を看取る

      「母に会いたい」と母の友人にメールをし、「夫婦なんだから会えばいいじゃない」と返答をもらっていた父が亡くなったのは、コロナ禍の2月8日のこと。父は心臓の人工弁の手術を二回しており、夏に一度心臓が止まったこともあり(幸運にも病院内だったためすぐ蘇生した)、もう一回心臓手術を医師からすすめられていたのだ。今思うと寿命だったと思う。再手術のリスクは高かったが、父は三度目の手術を決意した。ポジティブで楽観的な父に「手術をしない」という選択肢はなかった。手術は2021年10月7日に執り

      • 赤茄子を育て、斎藤茂吉に触れる

        セレンディピティー。広辞苑によると「(お伽話「セレンディプ(セイロン)の三王子」の主人公が持っていたところから)思わぬものを偶然に発見する能力。幸運を招きよせる力」とある。 使い古された言葉であるけれど、偶然の出合いはいつだって大歓迎。偶然の出合いに出合うために、私は家族が図書館に行ったときにランダムに雑誌を借りてきてもらうようにしている。雑誌を隈なく読む時間はないけれど、パラパラと目にするだけで自分の知らない世界が山ほどあることを教えてくれる。豊かな気分になるのだ。 先

        • 黙祷と笑い

          笑ってはいけない場で笑いが込み上げてくるのはなぜだろう。私は、小さい頃に亡くなった祖父のお葬式が笑えて仕方がなかった。たしか漫画家の蛭子さんもそんな話をしていたっけ。もしかしたら根っからゲスいのかもしれない。 今はすっかり大人になったので、お葬式で笑いが込み上げることはなくなったが、今という時間軸しかない子どもにとって、お葬式は難解なのだ。幼な子たちには、わざわざ生命の断絶を接続させ、連続性をもたせる儀式の意味を知るよしもない。それは、今年小学1年になった息子(6歳)も例外

        人間も蚕も家畜化した生き物!?ーお蚕育てのススメー

          平田オリザさんから学んだこと

          私はフリーランスである。独立したのは2014年7月7日のこと。独立前に働いていた会社では、劇作家である平田オリザさんの演劇メソッドを使った研修の立ち上げをしていた。その頃は、上司である社長が博学多才な人であったこともあり、なぜか業務中に本を読むことを推奨してくれたおかげで、出版社で働いていたときよりもよく本を読んだ。 そこでは、青年団の方とともにプログラムを作ったり、平田さんの講演や大学の授業に潜ったり、平田さんの本はすべて読み込んだ。折しも、私が平田さんのメソッドを知った

          平田オリザさんから学んだこと

          注射にめっぽう弱い

          コロナワクチン接種1回目 8月25日 コロナ全国感染者数2万4321人 累計136万8822人 (2021年8月25日18:30時点 NHKまとめ) 8月25日、遅ればせながらコロナワクチン1回目を受ける。生まれてこの方幾度か注射針を皮膚に差し込んできたはずなのだが、いくつになってもあの鋭意な針が我が皮膚を突き刺す作業に慣れない。 一方、今年10月で7歳になる息子は、3歳頃から表情ひとつ変えずに注射を受けられる。我が子ながら、惚れ惚れする。彼の痛みに対する強さがうらやま

          注射にめっぽう弱い