古紙の回収に力を入れていますが・・・

全国的に古紙の回収と利用は、環境保全と資源の有効利用という観点から注目されています。2022年のデータによると、日本の古紙利用率は66.3%、回収率は79.5%に達しており、これは世界的にも高い水準にあることを示しています​​。古紙利用率の向上は、製紙業界における持続可能な資源利用の促進や、環境負荷の軽減に貢献しています。

日本製紙連合会は、2020年度に古紙利用率65%の目標を掲げ、その目標を達成しました。この達成背景には、新型コロナウイルス感染拡大に伴う紙・板紙の需要減少が影響していますが、それにもかかわらず古紙の有効利用は進んでいます​​。しかしながら、板紙の利用率が既に93%を超えているため、これ以上の古紙利用率の向上は技術的、量的な制約により困難とされています。

また、古紙輸出については、2021年に前年比で25.8%減の237万トンとなりました。特に、中国が古紙の輸入規制を強化し、最終的には2021年に全面禁止に至ったことが大きな影響を与えました。これにより、台湾や韓国、ベトナムなど、地理的に近い国への輸出が増加しています​​。

これらの情報は、日本が古紙の回収と利用において世界的にも先進的な取り組みを行っていることを示していますが、さらなる古紙利用率の向上には限界があり、新たな技術革新や利用領域の拡大が求められています。また、国際的な古紙市場の動向も、日本国内での古紙回収・利用戦略に影響を与える重要な要素です。今後も、資源の有効利用と環境保全のバランスを考慮した古紙回収・利用の取り組みが、より一層の発展を遂げていくことが期待されます。