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結局我々はスクールアイドルの物語が見たかった~アニメ虹ヶ咲が面白い件~

まずは引用

東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校「虹ヶ咲学園」。
スクールアイドルの魅力にときめいた普通科2年の高咲侑は、
幼馴染の上原歩夢とともに「スクールアイドル同好会」の門を叩く。

時にライバルとして、時に仲間として、
それぞれの想いを胸に日々活動するメンバーたち。

「夢を追いかけている人を応援できたら……。」

9人と1人の少女たちが紡ぐ、初めての「みんなで叶える物語スクールアイドルプロジェクト」。

届け!ときめき――。

いままた夢を、追いかけていこう!

はい、ということで虹ヶ咲のアニメ絶賛放映中ですね。ラブライブ!シリーズ好きとしてとりあえず見ておこうくらいに思って1話から見てるんですがこれめちゃくちゃ良いです。

これまでも虹にはいい意味で期待を裏切られてきたんですが今回もやられました。

いい意味で裏切られた過去事例(なぜかいまだにアクセスが多い記事)
【μ'sとAqoursの後輩「虹」がどうやら少しずつ面白いことになっていると最近感じた話】
https://note.com/toxumeikixin/n/n21492cce5763

ということで5話まで放送されたアニメ虹ヶ咲、マジで面白いぞという点を雑に勢いに任せて箇条書きにしました。

読んでティンと来たあなた、見ましょう、そしてときめきましょう。

▼すごくラブライブ!である

もうとにかくラブライブ!なんである。

スクールアイドルに邂逅した歩夢が学校の皆とのスクールアイドル活動を通じて成長していくというTHEラブライブ!がど直球で描かれていく。

何がすごいって今回は廃校もしないし田舎でもない、強烈な外的制約がないのにも関わらず非常にうまくスクールアイドル組成のプロセスが描かれていく。なんというか概念ラブライブ!を使いこなすとこんなことも可能なのかというシステム上の熟練を感じることすらできる。

記号的な工夫も秀逸で、

・一話でせつなのステージを見て心打たれる歩夢
・バラバラな境遇からスクールアイドルに収束していく仲間
・抵抗勢力としての生徒会
・一話の終盤、ススメ→トゥモロウや決めたよ Hand in Handのスキームで展開される曲パート

など、強烈にラブライブ!を感じさせる工夫が随所にみられる。これらが理由なのかはわからないが、見ていて2分くらいでキャラデザは気にならなくなった。結局我々は見た目以上の何かでラブライブ!を感じているということがわかる一つの事例となりましたね。(何のまとめだ)

▼高咲侑という逆転の発想

いわゆる「アニメのあたなたちゃん」こと高咲侑。

あなたちゃんてなんやねんについてはこちらから
あなたちゃん とは【ピクシブ百科事典】https://dic.pixiv.net/a/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93

最初、さすがに蛇足ではと思ったこのアニメ用キャラ。蓋を開けてみたら、ごめんなさい、めちゃくちゃ効いている。

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公式サイトでたった全角30文字で紹介される彼女だがとにかくこの存在が虹アニメの完成度を担保している。

ひとつ前の項にもあるように今回は廃校など「どうしようもない障害」というものが無い。そこを「概念としてのラブライブ!」で埋めることで骨格を作っているのが虹アニメの構造になるのだが流石にそれだけでは足りない。そんな中で侑の存在がこの作品を強烈に補強してくれている。

彼女は全角30文字の紹介の通り「スクールアイドルが大好き」であり、究極それだけなのだ。しかしその「大好き」からくる言動はすくなくともラブライブ!の世界においては強烈な説得力を持ち、ノンロジックな納得感を視聴者に与え続ける。

これは言うまでもなく視聴者と同じ目線を侑が持っているというメタな要素があり、「スクールアイドル好きがメンバーの外で狂言回しをする」というファンからするとすごく安心して見れる構造を作ってくれているに他ならない。

侑の「スクールアイドルが好きなスクールアイドルじゃない登場人物」としての性質により虹のある意味で不安定な在り方がバチンとアニメの中で固まっていく感じが毎話痛快なのだ。

あと余談だがめっちゃドラパルトに似てるのもいいポイントである、流石600族、抜け目ない。

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ドラパルトについての記事はこちら
https://note.com/toxumeikixin/n/n7ba87c6cd8c8

▼ソロアイドルであること

虹ヶ咲はラブライブ!でありながらソロアイドルシステムを採用している。ラブライブ!といえばグループだったわけでこれはなかなかに大きな特徴だ。実際のライブやゲームでのありかたなどでも「ソロ」であることは一貫して採用されており虹といえばソロみたいなところもある。

アニメでも当然それは踏襲されているが、これがまたいい感じなのである。

まず「お当番回」が非常にわかりやすく象徴的になる。このアニメは毎回お当番回のキャラの新曲がPV風アニメーションとともに披露されるのだがこれはそのまま彼女たちの「ライブ」であり、今まで以上に挿入歌の持つ意味みたいなものが増している。きっとこれが次のライブで披露されるわけでファンはそのまま推しの活躍をイメージしてしまうだろう。

しかしソロであるろいうことはある意味でラブライブ!を否定することでもある。ストーリーの中で絶対的な大会として存在する「ラブライブ」に出れんのかということだ。そもそもラブライブ!といえば9人という流れがある中で、これまでもいろんなケースでその数字を飛び越えていく「虹ヶ咲」なのであるが、アニメにおいてもここはキモになりそうだと勝手に思っていた。

しかし、流石、侑、さすゆう。3話にて一言で片づけてしまった。

3話、せつ菜の加入回。ソロアイドルの在り方と同好会との向き合いかたに悩むせつ菜に「ラブライブなんて出なくていい」と言い放つのである。

これはすごい。

「ラブライブ!」がシナリオの中でラブライブを否定するという強烈なくだりはこの時点における「ラブライブ! < スクールアイドル」というバランスを突き付けて、これがそのまま「やりたいようにやればいい」というソロアイドルとしての虹流ラブライブ!を定義している。

これだけ強烈なことをやっておきながら見ているときの感覚はやはりアニメ「ラブライブ!」のそれであり、いやはやうまくできているなあと感心するのである。

おそらくこれから後半戦に入るアニメにおいてなんだかんだ大会ラブライブとの向き合いは描写として出てくる気がする。結果、なんらかの折り合いをつけてラブライブに出るのかもしれないが「出なくていい」と一度言い放ったことはとても重要だったと思う。このシナリオがそのままキャストも含めた虹の活動の今後の「支え」みたいなものになっていくんだと思うしアニメでこれをやった意味はでかい。虹が虹であることの一つの方向性をアニメがリアルタイムで描きながら走っているのである、すごい。

後半ソロと関係ないネタがほとんどだったけど「ソロアイドル」としてのラブライブ!めっちゃ面白いんで是非。

▼学校がやばい

学校がやばい。

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参考画像とかではなく、もうまんまビッグサイトなのだ。

ご丁寧に内観や外回りまで再現されており、コミケなどイベントに行ったことがある人なら「そこに部室がある異様さ」に面食らうだろう。生徒会室もどうみてもビッグサイトのロビーみたいなとこに強引に設置されてるし正直自分は当初これでずっと笑っていた。

しかし不思議なもので慣れる人間は慣れる。

すでに5話まで楽しんだ自分にとってはビッグサイトはもはや東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校「虹ヶ咲学園」なのである。

ちょっとだけ真面目に考えるとビッグサイトを半ば強引に学校にしてお台場を聖地化するというのは少しだけAqpursと沼津の関係性に似ている。先日お台場に行ったらいろんなところで虹のキャンペーンが張られていて沼津のそれとはさすがに格が違うがちょっとした町おこしを感じた。ここら辺が虹の面白いところで先輩の成功例をちょっとずつエッセンスとして取り入れているところがニクい。

とはいえビッグサイトはイベント以外での立ち入りは迷惑になるのでまちがっても生徒会室の場所に突入して虹ヶ咲ごっこをやるのはダメ、ゼッタイ。

▼OPとEDがめっちゃいい

もうめっちゃいいのである。

まずOP。これを見るとさすがに大会ラブライブになんだかんだ出場する9人が見たくなってしまう。

とにかくこの曲がこのアニメがラブライブ!であることをしっかりイメージさせるというか「ラブライブ!のオープニングってこういうやつだよね!」という感覚になる。

振り付けもなんとなく「僕今」っぽいところもあってオールドファンが勝手にぐっと来たりするしそういうのめっちゃいい、もっとやれ。

虹のソロの良さの裏側に9人になったときの謎の感動みたいのがあるんだけど毎話ソロとしての良さを見せてくるが故にOPで9人を見せられてぐっとくるみたいな相乗効果があるのもいい。

次にED。これやばい。

1話終了後、自分のタイムラインは「エンディング異様に良い」であふれた、本当に異様に良い。

アニメラブライブ!の伝統として「エンディングが良い」ってのがあると勝手に思ってるのだが歴代の先輩ソングに負けず劣らず、いやむしろ一番いいんじゃねえかくらいこの曲は良い。

「彼女たちはソロアイドルなんだけど同好会という枠組みの中で侑により紡がれる虹としての在り方」みたいなアニメの根っこの部分がこのエンディングの傘をさしててくてく歩いてる描写に強烈にマッチして泣ける。

さんざん記事で「虹アニメ良いよ!」と言ってるけどOPEDがもし「なんかこれじゃない」だったらこんなことにはなってなかったと思う、30分弱の時間をラブライブ!であると言い切れるパワーがこの2曲にあることが虹アニメの良さを何倍にも膨らましてるなあと思うのでした。

▼その他一言ネタ

・せつ菜のライブアニメがバトルアニメみたいでやばい
・愛さんが良すぎる、愛さんマジ愛さん
・中須かすみがすごい。中須かすみがアニメの軸みたいなとこがあるのでこれはもうこれだけで別記事にすべきくらいすごい。
・彼方が心配になるくらい寝る。
・天王寺回はたぶん「天王寺エピソード0~璃奈ちゃんボード誕生の物語~」になるので刮目して見よ
・エマ曲の冒頭の芝グワーのところぼらららみたいで良いよね
・コッペパン食いたい
・絶対次のライブ行きたい

▼まあとにかく見よう!

ということで雑に書きましたが面白いんでラブライブ!が好きだったり虹が気になってる人はまず見てみましょう!

めっちゃ見る方法がある、未来ですね
http://www.lovelive-anime.jp/nijigasaki/onair.php

ラブライブ!好き歴7年目くらいですが本当に虹アニメはおすすめです、いやはや結局スクールアイドルの物語を求めていたんだなあというTHEファンみたいな感想しか出てきませんが本当に良きです。

執筆時点での次回は天王寺お当番回、虹では田中ァ!推しなので楽しみです、では皆さん今後もラブライブ!をご贔屓に。



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