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【詩】音の無い夜

何もかもが消えたような 音の無い夜

いつもは聞こえない音が 聞こえて来る

他の音にかき消されてしまう程に 小さな 
けれど 聞けば忘れられなくなる 音が


それは ずっと私の中に潜んでいたと
思い知らされる 

思考や感情の断片 未整理の想い
片隅に在り続けていたものが発する音

私は気づかぬふりをしていただけなのか? 
欠片かけらが刺さってくる  

否定し消し去れば前を向けるのか
受け入れることで前へ進めるのか

私が私で在るためには?
どう進めば? どこへ向かって?

霧が立ちこめていて その先は見えない
私独り

そっと 後ろを振り返る
足元に細い道 道とも言えないような 
細い細い道に 足跡あしあと

これは 間違いなく私の 足跡
私がここまで歩んできたあかし

胸の中にほんのりと灯りがとも
マッチの火のように小さな灯りが

前を向いて不安になるなら 
後ろを振り返って確かめればいい

ここまで歩んできたことを

そして火が消えないうちに 蝋燭に移し 
炎を大きくするように

歩を進める ゴールの旗は今は見えなくても

この一歩が 望む場所へ繋がっていると信じて

これまでと同じように

歩んでゆく








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