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わたしは父に腕枕をしてもらいながら話をきくのが好きなパパっ子だった。腕枕だけではない、その枕になる腕でしっかりとわたしの身体を包み、ぎゅっとして欲しいタイプだった。その腕がパタンと布団に落ちると父を睨みつけるくらいちゃんと、ぎゅっとして欲しかった。 その腕の先を見ると父の小指は関節が曲がらないということに気付いた。「なんでパパの小指曲がらんのん?」 当時、小指を立てる仕草というのは【恋人】を指すものだった。わたしが男の子と歩いていると、おばちゃんやおじちゃんがニヤニヤして