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“ものと来て、ものと観て、ものと帰ってください” 福井裕孝『インテリア』9/16-9/18 @豊岡市民会館 3階ギャラリー

はじめまして。福井裕孝と言います。
普段は京都で演出家として活動しています。

特定の集団は構えず、作品やプロジェクトごとに俳優や作家やスタッフと共同して製作しています。

今回は俳優の石田ミヲさん、金子仁司さん、制作の八木志菜さんと一緒につくります。

『インテリア』について


今回は豊岡演劇祭2023フリンジプログラムで『インテリア』という作品を上演します。

この作品は、私たちが普段暮らしている家や部屋の中における〈人〉と〈もの〉と〈空間〉との関わりについて描いた作品です。

2018年に初めて京都で上演した後、2020年には東京にあるオルタナティブスペースSCOOLと京都の劇場THEATRE E9 KYOTO という性質の異なる二つの空間で上演しました。

今回はそれ以来3年ぶりの再演となります。


『インテリア』(2018)trace


『インテリア』(2020)SCOOL撮影:渡邉時生


『インテリア』(2020)THEATRE E9 KYOTO 撮影:中谷利明

内容はとてもシンプルで、家での生活を上演します。

〈もの〉が並べられた舞台に俳優が現れ、何も特別なことはありませんといった面持ちで家の中での生活を再現し、適当に時間が経ったところで去っていく。

基本的にはただそれだけです。

 2020年にTHEATRE E9 KYOTO で上演したときの映像を公開しています。

『インテリア』(2020)THEATRE E9 KYOTO 


ものと来て、ものと観て、ものと帰る

『インテリア』ではご来場いただく観客のみなさんに、普段生活している家や部屋にある〈もの〉をひとつ会場まで持ってきていただきます。

上演が始まる前に、その〈もの〉を舞台上に置いてから上演を観ていただき、上演が終わった後は、またそれぞれ持ち帰っていただきます。


〈もの〉の集合写真撮影:中谷利明

「ものと来る」と「ものと帰る」はなんとなく想像できそうですが、「ものを観る」ではなく「ものと観る」というのはどういうことなのでしょうか。

「ものと観る」というのは、同じ家からここにやってきた〈私〉と〈もの〉が、客席と舞台にそれぞれ身を置きながら、同じ上演という出来事の経験を共有するということです。

舞台上に置かれた〈もの〉は、ただ〈観られる〉だけの客体として存在しているわけではなく、〈もの〉は客席にいる〈私〉と共にいまここで起こる出来事を経験していて、その経験がここに来るまでの家の中での生活の履歴の上に新たに保存されているはずです。

それぞれの家の生活の履歴が含まれた〈もの〉を持ち込み、そこで〈観た〉上演の経験をまたそれぞれの家に持ち帰ること。この一連のプロセスから得られる体験に期待しながら、現在豊岡で準備を進めています。

ぜひ(豊岡に)ものと来て、(豊岡で)ものと観て、(豊岡から)ものと帰ってください。

ご来場お待ちしています!



公演情報


福井裕孝『インテリア』

◯日時
2023年9月16日(土) 〜9月18日(月・祝) 
9月16日(土) 12:30 / 17:00
9月17日(日) 12:30 / 17:00
9月18日(月・祝) 11:00
※上演時間は約70分を予定しています。

◯場所
豊岡市民会館 3階ギャラリー
(兵庫県豊岡市立野町20-34)

◯チケット料金(前売・当日一律/自由席/税込)
一般=3,000円
U29*=2,500円
U18*=1,000円
*当日受付にて年齢がわかるものををご提示ください。
*うずまくパス対象公演です。

◯チケット取扱
https://teket.jp/7291/24768

◯クレジット
演出:福井裕孝
出演:金子仁司、石田ミヲ
制作:八木志菜
主催:福井裕孝 / 豊岡演劇祭実行委員会
製作:福井裕孝

◯プロフィール
出演:石田ミヲ(いしだ・みを)
桜美林大学演劇学科卒。俳優、ダンサー。これまで、スペースノットブランク、山本伊等、福井裕孝、松田正隆、小泉明朗等の作品に参加。近年は東京芸術祭Farm-LabExhibition(敷地理、ネスロケ演出)、アーツカウンシル東京「未来の踊りのためのプログラム」、インドネシアダンスフェスティバル(ジャカルタ)、アジア・ディスカバリー・アジア・ミーティング(台北)に参加。

出演:金子仁司(かねこ・ひとし)
岐阜県下呂市出身。俳優。2006年より劇団維新派(主宰 松本雄吉)入団。以降「ナツノトビ ラ」(梅田芸術劇場)から解散公演の「アマハラ」(2016年奈良平城京跡/2017年台湾高雄)まで、すべての本公演に出演。2013・15年には松本雄吉外部演出の「レミング」にて出演兼振付を担当。維新派解散のち、2018年11月、劇団「kondaba」を旗揚げ。 

演出:福井裕孝(ふくい・ひろたか)
1996年京都生まれ。演出家。人・もの・空間の関係を演劇的な技法を用いて再編し、その場に生まれる状況を作品化する。近作にテーブルの上を舞台に上演する『デスクトップ・シアター』(2021) 、劇場の不可視化された「もの」を観察し記録する『シアター・マテリアル』(2020, 2022)など。下北ウェーブ2019選出。ロームシアター京都×京都芸術センターU35創造支援プログラム“KIPPU”選出。2022年度よりTHEATRE E9 KYOTOアソシエイトアーティスト。

関連情報

◯レビュー
『インテリア』(2018)レビュー / 山﨑健太

『インテリア』(2020)レビュー / 高嶋慈


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