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代行ではなく、代理であろう。

この記事は、ぼくがstand.fmで配信している音声コンテンツを書き起こし、修正・編集したものになります。

こんにちは、こんばんは、井口です。
今回のツイートはこちら。

これぼくが大事にしている考え方です。

世界はだれかの仕事でできている

以前のこんな缶コーヒーのコピーがありました。全くそのとおりで、それぞれが得意なことをやって、その互助で世界は成り立っているんですよね。それが仕事です。

遠くの場所のものを買っても取りに行く必要がないように配送業者があったりするわけです。しかもその配送は自分が運ぶよりずっと早いそして安全。
じぶんでやるよりはるかにいい価値があるから、お金が発生するわけです。時間的な節約も含めて。

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プロが提供できる付加価値

そのように考えたとき、じぶんがやっている、プロフェッショナルとして携わっている仕事というのは、別の人やアマチュアとはなにが違うのかって常に考えないといけないと思っています。

なにかのプロが、依頼された人や企業の代わりになにかを行う。でも本当にただ代わりにやるだけだと「付加価値」にならないわけです。

例えばクリーニング屋さん。これはただの洗濯の代理でしょうか?
わたしたちが洗濯するよりずっとキレイになる、あるいはわたしたちが洗濯できないようなもの、難易度の高いものも洗濯可能。実際はそこにお金が発生するんだと思うんです。

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デザインでも、たとえばクライアントの担当者さんがラフまで描いてくれる。そして「こんな感じで作って下さい」と言われそれを作る。これだと代理というか代行でしかない。だから価格をつけづらいですよね。時給になっちゃう。

きちんと対価を頂こうと思うのであれば、じぶんたちの付加価値ってのを出していかないといけないなと思います。

代行ではなく代理である

で、その付加価値を出そうとするときに、「誠実さ」とか「従順さ」でもってその付加価値を見出そうとすると、お客さんの言うことなんぼでも聞かないといけなくなっちゃう

でも反論するほうが、実際は誠実だったりもするし、それがプロフェッショナルとしての意見だったりもする。

「代行」ではなく、私たちはじぶんたちで自立的に考え、あなたのために、クライアントのために提案できるんですよということを常に示さなければならないのです。それが代理だと思うわけです。
そうじゃないと、ついつい代行業者に成り下がってしまうわけです。自ら。そっちの方がかんたんだし、楽だから。

「どういうデザインがご希望ですかね」っていうのを聞いてしまうと、それはもう代行です。「こういうデザインがふさわしいかと思いますよ、お客様」っていうのがプロじゃないですか。

ていねいに、考えることを放棄してる。

たとえば、この「どんなデザインがご所望ですか」っていうような聞き方をするのはすごくていねいな感じがします。でも同時にじぶんであたまを使ってないとも言えるかもしれない。もう正解を聞いちゃおうとしてるわけだから。

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でも、ほんとうは、正解ってプロフェッショナル側が持ってしかるべきなはず。なのにアマチュアであるお客さんに聞いちゃう。これがぼくはちょっとあんまり好きじゃないんですよ。

参考にはする。しかし決めるのはプロであるわたしだ。という気概。

もちろん、「どんなデザインがお好みですか。参考までにお聞かせください。」はあります。

最終的な評価や判断って(クライアントの)主観からは離れられないもの。なのである程度こういうのはNGとか、そういうのが分かるものは聞いたりします。

でもどんなデザインがよいかっていう部分は、こちら側で提案すべきだと思うし、その方が効果が上がるはずだし、上がんないとだめだし。そのイニシチアチブを渡しちゃダメだと思う。結果がどうあれ、じぶんの手柄、あるいは責任じゃなくなってしまうし。

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でもお客さんだって、デザインを依頼するってときにイニシチアチブ取りたかったりするんですよ。悪意なしに。
お金払っているし、自社の、じぶんたちの制作物。当然ちゃ当然でじぶんが好きなようにやりたいって気持ちもやっぱ芽生えるわけですよ。ぼくにだってあると思う。それは仕方がない、気持ちとしては。

でもそれを決定打にさせない。デザインの決定理由を、その担当者や社長の好みといった部分に帰結させないような仕事が求められるわけです。

好みでひっくり返されないよう、論理的な理由なんかもつけながら、ひとつずつマイルストーンを置いていく。ひっくり返されそうなときに予防線を張る。

もうむちゃくちゃ地道やと思うんですよね。この地道さを支えるモノって何かっていったら、もうプロとしての誇りなんじゃないかなって思うわけです。(これ正直、全然僕に足りてないので自戒を込めて言ってるんですけど)

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そうやって、ぼくたちが代行じゃなくて代理してあげる。代理はこっちにある程度決済権があるみたいなイメージですよね。代わりに遂行するぞっていうぐらいの気持ちで提案していかねば!なんとかしていきたいぞ!というのがこの時書いたツイートの思いでした。

これ、すごく僕の大事にしてる考えだなあと思います。お客さんの好みにアジャストするのではなく、効果に誠実であるようにと常に考えてます。(しょっちゅう話してますね)

おわり

ー<いぐちMHzはこちらから>ー


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