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【物語】1つの事件

ここは警察署。

1年前の事件担当班がずっと調査や議論を重ねている。

もう2年になりそうだ。

それはこんな事件だった。

田武歯奥禅定小学校の4年2組で、大山 聡が早退をした。

午前授業のみ受け、帰るのだった。

また、5校時は算数で、長方形と三角形の面積が始まっていた。

いや、正しく言えば、始まろうとしていた。

そこで、忘れん坊の忘憶 寝坊が

「すいません!算数の教科書を忘れました」

と言い、先生は怒り、廊下に立たせようとした。

しかし、優等生の天才 田郎も忘れたので、これは何かあったな、と考えた。

すると、4年生全員の教科書がなくなっていることに気づいた。

クラスや先生がまっさきに怪しんだのは大山 聡だった。

「あいつは今日、早退したぞ」

「あいつがきっと盗んだんだ」

などと噂が出来上がってしまった。

「そういえば大山君ってタレントじゃなかったっけ」

という女子がいたので、

クラス全員で見ることにした。

見終わったら、噂は消え、

「きっと今日は撮影だったのよ」

という噂が広がった。

そこで、テレビを付けていると、次回予告が現れた。

算数の教科書を100枚使って実験!紙の耐久性は?

という文字が画面いっぱいに出たので、ざわめきが生まれた。

「やっぱり大山君だ」という意見と、「偶然だよ」という2つの意見に別れた。

来週まで待ってみるしか無い。

学校に来たらテレビを付け、見てみた。

結論、紙は弱い

という文字が現れた。

教科書は灰やゴミになっていた。

その翌日。

教科書は戻ってきていた。

しかし、名前が少し違った。

きっと入れ間違えたのだろう。

実は戻ってきた教科書には長方形と三角形の面積のページがなかった。

しかしそれには誰も気づかないでいた。




2年と月日が立ち、中学受験のシーズンとなった。

しかし、大山はダントツ1位だった。

その理由は全学校の長方形と三角形の面積のページを抜き取り、大山だけしか解き方を知らないのだった。

しかし、警察はこんなことに気づくまい。





17年の月日が流れ、社会人となった。

大山は建築会社に勤めた。

いい中学を出たので、入社したときから高い地位だった。

設計図を書く仕事だった。

そこで最後の事件が起きた。たまたま同級生の部下がいて、面積がわからなかったのである。

しかし、部下は気づくまい。

切開図通りに作ったのである。

すると、建物が倒れた。

危うく逃げ切れたが、大山はこのあとの恐怖を知らなかった。

自分の住んでいる家も倒れ、警察は不審に思った。

取り調べをしているうちに大山が長い間不明だった事件の真犯人だったことをわかった。

たちまち裁判が行われた。

しかし、運悪く周りの建物はすべて同級生の作ったもので…




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