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製造業&歯車について学ぶ

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製造業の世界を探検していきます。
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記事一覧

『プロセス思考でビジネスが変わる』日常業務にプロセスの概念を持ち込もう!

ずっと読みたいと思っていて読めていなかった本を読むことができた。 『プロセス思考でビジネスが変わる』 土方 雅之 「プロセスマネジメント」を極めたいと思って日々業務をこなしている僕ではあるが、実はこの分野、意外とお手本となる教科書が少なかったりする。 IT向けの書籍はたくさんあるのだけれど、僕が求めているのはどちらかというとユーザー部門、オペレーション部署への指南書だった。 そんな中で出会った本が2冊。一冊目は、以前このnoteでも紹介したことがある『ビジネスプロセス

僕が中小製造業で学んだこと

僕は今30歳、大手情報サービス業→中小製造業という一風変わったキャリアを歩んでいます。 今日は、転職した経緯と、そこで学んだことについて書こうと思います。 中小製造業に入社した経緯大学卒業後、新卒で大手情報サービス業に入社し5年ほど働きました。 どうしても海外と英語を使って仕事をしたくなり、海外事業職の募集をしている中小製造業の求人に応募し、転職を決意しました。 大企業から中小企業へ転職することについては、そこまで悩みませんでした。確かに、給与や福利厚生のことを考える

『カイゼン・ジャーニー』③孤独の改善 マインド編

第二部、第三部もまとめようかと思ったけどやめました 笑 今回は、たった1人で改善を始める場合のマインドについて。 第一部にリッチに3記事使って、本書の紹介は終わり。 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 1人の改善はメンタル勝負?本書の第一部では、主人公の江島の視点で改善活動が語られる。 ここではタスクボードの導入→チームでの共用化

『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編

改善の始まりはいつも孤独。実現に至るまでは辛く長い道のりだ。 どうやって個人で改善活動を始め、チームに伝播させていくのがよいのか?本書ではそのためのヒントを教えてくれている。 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 個人で改善するための3つの活動新しいアイデアを思いついたとして、それを実現まで結びつけるために何をすればよいのか?本書の第一部では、そのための具体的なヒントを提示してくれ

『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動

業務改善を題材にしたビジネス小説はたくさんあるが、ストーリーの導入は実に様々。 経営危機からはじまるものもあれば、謎のコンサル登場から始まるものもある。起承転結の「起」の部分は、読者の興味を引きつけなければならず、役割も期待も大きい。 その点、本書『カイゼン・ジャーニー』はこれまで出会ったなかで最高の導入といえるかもしれない。 『カイゼン・ジャーニー』について『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する

『クリティカルチェーン』③ものづくりをプロジェクトとしてマネジメントせよ!

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 過去2回のnoteにて、『ザ・ゴール』の著者であるゴールドラット博士によるプロジェクトマネジメント論を説明した。 『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す! 『クリティカルチェーン』②最適な納期管理 これらを踏まえて、僕からの製造業へのメッセージをまとめたい。書いていくと予想外に冗長になってしまったので、今回は先にまとめを示しておく。 まとめ・ものづくりはプロジェクト。ものづくり以外のプロ

『クリティカルチェーン』②最適な納期管理

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事: 『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す! TOC理論がプロジェクトマネジメントにも適用できることを示した本書。 今回は、納期最適化の方法について。 5+5=13? 本書では興味深いたとえ話が登場する。それが「5+5=13」だ。 常識では、5+5=10である。それがプロジェクトマネジメントの世界では5+5=13となることが当たり前だという。 どういうことか? プロジェク

『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す!

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 なぜ、プロジェクトは予定通り進まないのか? という副題が示す通り、本書はプロジェクトの納期を最適化させるための手法を示している。 これまで読んたゴールドラット博士の著書は、理論よりの説明が中心だった。『ザ・ゴール』ではTOC理論が提示され、『チェンジ・ザ・ルール』ではそれが製造業以外の業界でも通じることが紹介された。 一方、本書ではTOC理論がプロジェクトマネジメントの世界でも生かせることを示している。その内容はか

製造業社会人におススメドラマ『華麗なる一族(2007年)』

『華麗なる一族』がWOWOWでまたドラマ化しているみたいですね。 僕はWOWOWに加入していないので見ることはないと思います。何より、2007年版ドラマのインパクトが強すぎて上書きできる気もしないです。 木村拓哉も北大路欣也もカッコよかったなあ... そしてまたBGMが素晴らしいんですよ。 さて、このnoteは僕の趣味を語るものではないのでそろそろ本題に入りたいと思います。『華麗なる一族(2007年)』は個人的に超オススメドラマです。その理由を二つ挙げさせていただきます

歯車を使って美しい図形を描こう!Hypnograph

先日、LOFTをブラブラしていたときに面白い玩具を発見しました。 Hypnograph スライダ・クランク機構と複数の歯車を使うことにより、図形を描写しています。これにより、複雑だが規則正しい図形が出来上がるというわけです。 歯車研究家の僕としては、ケースに歯車が見えた時点で興味津津でした。 知育玩具という扱いですが大人も楽めそうな内容だなと。 機構や歯車の動きを感覚的に理解するためにも役立ちそうです。 将来、子どものためと称して自分用に買おうかな 笑? 余談調

『ザ・クリスタルボール』②日本小売業での実例

『ザ・クリスタルボール』 エリヤフ・ゴールドラット 著 日本小売業界の習慣からの実例本書では小売業の在庫管理を最適化する方法について、小説という形式でまとめられている。 いくつもの教えが散りばめられているが、特に僕が重要だと思ったのは以下の二つだ。 ①在庫管理の中央集約化 ②多頻度少数の納品 実は上記2つについて、日本の小売業界では古くから実践がされているように思う。 まずは①在庫管理の中央集約化について。 日本の流通では「卸」がこの役割を持っていたと推察する。「

『ザ・クリスタルボール』①在庫管理の最適化を考える

4冊目のゴールドラット本の紹介となってしまった。今回取り上げるのは『ザ・クリスタルボール』。 『ザ・クリスタルボール』 エリヤフ・ゴールドラット 著 今回の舞台は製造業ではなく、小売業。在庫や物流の考え方も製造業とは異なる部分が多いので、どこまで本書の知見を製造業に生かせるかは未知数。 だが、在庫管理の最適化は製造業でも共通するものだ。部分的にでも著者の教えを活用できる方法を考えていきたい。 物語としての面白さはシリーズの中でも高いほうだと思う。読み物として楽しむ価値

鉄の原料、オーストラリア、東南アジア航海ルート

資源に乏しい日本は、ほとんどの資源を輸入に依存しています。製造業に不可欠である鉄鉱石や石炭も例外ではありません。この二つは鉄を製造するための原料です。 今回は、安定して鉄を製造するためにオーストラリア・東南アジアとの友好関係がとても重要であるというお話。 鉄の作り方鉄の原料は鉄鉱石です。鉄は、鉄鉱石と石灰石と石炭からつくられます。これらの原料を高炉にて製銑することにより銑鉄を作り上げます。 高炉に関しては日本にも存在しますが、鉄鉱石をはじめとする原料は輸入に依存していま

トヨタ生産方式といえば「カンバン」「ジャストインタイム」なんかが有名だけど個人的には、 『前工程は神様、後工程はお客様』 という名言が一番好きだなと思います。