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プロセスマネジメントを学ぶ

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定型業務の業務改善、工程可視化などです。
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記事一覧

『プロセス思考でビジネスが変わる』日常業務にプロセスの概念を持ち込もう!

ずっと読みたいと思っていて読めていなかった本を読むことができた。 『プロセス思考でビジネスが変わる』 土方 雅之 「プロセスマネジメント」を極めたいと思って日々業務をこなしている僕ではあるが、実はこの分野、意外とお手本となる教科書が少なかったりする。 IT向けの書籍はたくさんあるのだけれど、僕が求めているのはどちらかというとユーザー部門、オペレーション部署への指南書だった。 そんな中で出会った本が2冊。一冊目は、以前このnoteでも紹介したことがある『ビジネスプロセス

僕が中小製造業で学んだこと

僕は今30歳、大手情報サービス業→中小製造業という一風変わったキャリアを歩んでいます。 今日は、転職した経緯と、そこで学んだことについて書こうと思います。 中小製造業に入社した経緯大学卒業後、新卒で大手情報サービス業に入社し5年ほど働きました。 どうしても海外と英語を使って仕事をしたくなり、海外事業職の募集をしている中小製造業の求人に応募し、転職を決意しました。 大企業から中小企業へ転職することについては、そこまで悩みませんでした。確かに、給与や福利厚生のことを考える

『ニュータイプの時代』

著者の山口周 氏について、耳にする機会が増えたので読んでみた。 『ニュータイプの時代』 山口周 著 著者の主張「問題の数に対して解決策が過剰になってきているので、問題発見できる人に価値が出る」という視点は面白いと思った。 問題数と解決策も需要と供給の関係にあり、解決策が過剰になってくると「~できる」「~の能力がある」ということに価値が薄くなってくる。なので、「これからどのようにしていくべきか」「何をやりたいか」を提言できる人に価値がでる、らしい。理屈としてはわかりやすい

ビジネスプロセスを『天才を殺す凡人』から考える

遅ればせながら、北野唯我 氏の『天才を殺す凡人』を読了した。 『天才を殺す凡人』北野唯我 本書の内容については、既に多くのビジネスYoutuberやビジネスBloggerに紹介されているので、とりわけ詳細に説明するつもりはない。 僕は僕自身の観点から本書を語るために、 ビジネスプロセス × 天才・秀才・凡人のフレームワーク でnote記事を書いてみようと思う。 「天才・秀才・凡人」のフレームワーク本書を詳しく紹介しない、といってもこのフレームワークの説明は避けては通れ

業務プロセスの「広さ」「深さ」、そして「成熟度」

久しぶりにプロセスマネジメントについての記事を書きます。 10,000字くらいの長い記事を書いても良かったのですが、図解も含めてコンパクトにまとめることにしました。 本記事で伝えたいことは以下の3点です。 その① 改善したい業務プロセスの問題が「広い」問題なのか「深い」問題なのかを事前に考える必要がある。間違っても混同してはいけない。 その② 「広い」かつ「深い」問題に対しては先に「広さ」の問題を解決する必要がある。「深さ」のアプローチから始めてはいけない。 その③

マニュアルを作り始める前に気にかけたいこと

どの組織でも知識の共有は課題の一つだと思います。知識を共有化して管理していくことを形式知化とよび、そのためにたくさんの便利なツールが存在しています。 中でも有名なツールがマニュアル(作業手順書)でしょう。先人の知見を書類でまとめたマニュアルはとても便利。うまく活用すれば作業効率化につながります。 わからないことがあったとき、マニュアルがなければ詳しい人を探して聞くしか解決方法がありません。しかし、マニュアルがあれば自分で調べて解決に至ることができるからです。 製造業をは

『カイゼン・ジャーニー』③孤独の改善 マインド編

第二部、第三部もまとめようかと思ったけどやめました 笑 今回は、たった1人で改善を始める場合のマインドについて。 第一部にリッチに3記事使って、本書の紹介は終わり。 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 1人の改善はメンタル勝負?本書の第一部では、主人公の江島の視点で改善活動が語られる。 ここではタスクボードの導入→チームでの共用化

『カイゼン・ジャーニー』②孤独の改善 実践編

改善の始まりはいつも孤独。実現に至るまでは辛く長い道のりだ。 どうやって個人で改善活動を始め、チームに伝播させていくのがよいのか?本書ではそのためのヒントを教えてくれている。 『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) 前回の記事 『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動 個人で改善するための3つの活動新しいアイデアを思いついたとして、それを実現まで結びつけるために何をすればよいのか?本書の第一部では、そのための具体的なヒントを提示してくれ

『カイゼン・ジャーニー』①一人で始める改善活動

業務改善を題材にしたビジネス小説はたくさんあるが、ストーリーの導入は実に様々。 経営危機からはじまるものもあれば、謎のコンサル登場から始まるものもある。起承転結の「起」の部分は、読者の興味を引きつけなければならず、役割も期待も大きい。 その点、本書『カイゼン・ジャーニー』はこれまで出会ったなかで最高の導入といえるかもしれない。 『カイゼン・ジャーニー』について『カイゼン・ジャーニー』 市谷 聡啓 (著), 新井 剛 (著) ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する

プロセスマネジメントの資格 OCEB2

これまでたくさんのプロセスマネジメントに関する記事を書いてきた僕ですが、体系的な理解ができているかどうかは怪しいです。 正直なところ、経験と独学によるところが大きい... なので、同じくプロセスマネジメントの実績がある方々とお話した時に、どれくらい共通言語が使えるか、共通認識が持てるのか?という不安がありました。 なにか、こう、プロセスマネジメントの共通枠組みみたいなものはないだろうか?資格試験とか... そんな風に考えていたところ、見つけました! OMG認定技術者

『クリティカルチェーン』③ものづくりをプロジェクトとしてマネジメントせよ!

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 過去2回のnoteにて、『ザ・ゴール』の著者であるゴールドラット博士によるプロジェクトマネジメント論を説明した。 『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す! 『クリティカルチェーン』②最適な納期管理 これらを踏まえて、僕からの製造業へのメッセージをまとめたい。書いていくと予想外に冗長になってしまったので、今回は先にまとめを示しておく。 まとめ・ものづくりはプロジェクト。ものづくり以外のプロ

『クリティカルチェーン』②最適な納期管理

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 前回の記事: 『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す! TOC理論がプロジェクトマネジメントにも適用できることを示した本書。 今回は、納期最適化の方法について。 5+5=13? 本書では興味深いたとえ話が登場する。それが「5+5=13」だ。 常識では、5+5=10である。それがプロジェクトマネジメントの世界では5+5=13となることが当たり前だという。 どういうことか? プロジェク

『クリティカルチェーン』①プロジェクトマネジメントの常識を覆す!

『クリティカルチェーン』 エリヤフ・ゴールドラット 著 なぜ、プロジェクトは予定通り進まないのか? という副題が示す通り、本書はプロジェクトの納期を最適化させるための手法を示している。 これまで読んたゴールドラット博士の著書は、理論よりの説明が中心だった。『ザ・ゴール』ではTOC理論が提示され、『チェンジ・ザ・ルール』ではそれが製造業以外の業界でも通じることが紹介された。 一方、本書ではTOC理論がプロジェクトマネジメントの世界でも生かせることを示している。その内容はか

トヨタ生産方式といえば「カンバン」「ジャストインタイム」なんかが有名だけど個人的には、 『前工程は神様、後工程はお客様』 という名言が一番好きだなと思います。