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【エッセイ】我が家の目覚まし時計の話

我が家の目覚まし時計は、平日・休日問わず朝6時〜6時半に起動する。
その目覚まし時計は、この夏は青色で、4頭身で、丸い顔をしている。

そう、我が家の目覚まし時計は2歳になる娘である。

次女が産まれてから、我が家では寝室がふたつになった。
ダブルベッドの置いている洋室で夫と長女が眠り、リビング横の和室で私と次女が眠る。
当分は次女の授乳対応で度々夜起きることになるので、このような体制となった。

毎朝6時をすぎると、洋室のドアが勢いよく開く音がして、そのあとすぐに、ぺたぺたぺた!という小刻みな足音がリビングに近づいてくる。
そして半分閉めている襖が、小さな手で豪快に開けられて、遮光カーテンの下2センチから差し込むぼんやりとした光が和室に入ってくる。

そこには、光を背中に受け、青いパジャマを着て、にんまり笑った娘が仁王立ちしているのだ。

おはよう‥と、母は掠れた声で我が家の目覚まし時計に挨拶をする。
おはよう!と、我が家の目覚まし時計は威勢のよい声で返事をする。

娘はそのあと、次女と逆サイドの私の隣に寝そべって、朝からなぜそんなかわいく笑えるの?と秘訣を聞きたくなるような顔で私を覗き込んでくる。
我が家の朝のスケジュール上、6時半までは行動を開始せずとも間に合うので、娘がそれより早く起きた日にはいつも布団の中でお話をして過ごす。

最近のホットトピックは、娘のトイレの話。
絶賛トイトレ中の彼女は、便意や尿意はもう事前に察知出来る気配があるが、どうもトイレに行く足取りが重い。
トイレが怖い、というか、トイレに行くのが面倒といった感じかもしれない。
日中のおむつが取れてから夜間のおむつを卒業する子が多い中、娘はなぜか夜間のおしっこが先になくなりつつある。

「おむつ濡れてないね。トイレ行こうよ、出るよ」
「いや」
「トイレで出来たらシール貼れるよ」
「いや〜」
「なんで?」
「いや〜」
「あ、いまおむつにした?おむつ、あったかくなったわ」
「うふふ」

そんなピロートークが止まらない朝の時間である。

いつか娘も大きくなり、朝勝手に起きてきて母の布団に入り込んでくることもなくなり、家族以外の大好きな誰かの隣で目を覚ます日が来るのだろう。

早朝の15分の睡眠は本当に貴重な時間だが、それでも眠たい目をこすりながら、あと何回出来るか分からない娘とのピロートークを楽しみたいと思っている。

我が家のかわいい目覚まし時計は、日曜の今日も変わらず働き者だ。


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