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【エッセイ】娘に優しくできない日は、自分を好きになれない日

2歳半の娘は、まだまだ体力があるようでない。

なのに、外出して何かのイベントに行き、テンションが上った日はお昼寝をしないことがある。

そのときは元気なのだが、夕方に近づくにつれて次第に残り電池が少なくなり、でも眠るほどではないその気だるい感じできっと本人も何が何だか分からなくなるのだと思う。

普段できることができなくなる。
話し方がだらしなくなる(何を言ってるかわからなくなる)。
抱っこ、食べさせて、など甘えてくる。

こういうときは、疲れたんだねえと言いながら甘えさせてやればいいのだと分かってはいるが、
こちらとしても黄昏泣きが絶好調の0歳児を片腕に抱いているゆえに、十分な余力は残されていない。

そんなときは、イライラを娘にぶつけるよりはましだろうと、感情のスイッチを切って、淡々と対応してしまう。
そして決まって、数時間、娘の顔をろくに見ていなかったことに夜気づくのである。

今日、夕方何してたっけな。
何話してたっけな。 
どんな顔してたっけ。
思い出せなくて、保育園の連絡帳を書く手が止まる時、私はやっと後悔する。
私は最低な母親だな、なんて独り言をこぼす。

もしも今晩大地震や火事があって、万が一、今日の夕方に過ごした時間が娘との最後の時間だったら。
そんなことすら、考えてしまう。

娘に優しくできない日は、自分を好きになれない日。
もやもやして寝付きの悪い布団の中で、明日朝起きたら必ず娘の顔を見て抱きしめようと思うのだ。

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