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おいしいから売れるのではない。売れるからおいしいのだ。

サイゼリヤ創業者である正垣泰彦会長の言葉です。外食産業の経営者は、決して自分のところの商品を決しておいしいと思ってはいけないと、正垣氏は自書「おいしいから売れるではない。売れるからおいしいのである」で言ってます。おいしいと思ってしまえば、その瞬間に、それ以上売れない理由は他責に向かいます。お客さまが悪い、立地など出店環境が悪い、経済や景気が悪いといった調子です。実はよくある話です。特に現場のスタッフや店長、時にはエリア管轄責任者まで、口を揃えて、それ以上売れない原因を簡単に他責にします。挑戦しなくなります。

経営者は、決してこうした言葉を認めてはいけません。その瞬間にその会社は、終わります。経営者には、大事な点では常識的な限度を超えて、追い求める姿勢が必要です。「社長、それは無茶です。」でも良いんです。狂気の沙汰くらいの迫力で、最高水準を求めていかなければ、その会社はすぐに停滞し、品質を落とし始め、市場から退場を余儀なくされます。
「自社の商品がよく研究開発され、美味しいと感じても、まだまだ。もっと美味しく出来る余地は必ずある!」
「店頭欠品は悪以外の何者でもない。欠品ゼロの状態を常に保たねばならない!」
「欠品をゼロにしながらも、廃棄処分商品もゼロにしなければならない。矛盾する?世の中、二律背反を追い求めることは当たり前!」

確かに如何ともし難い現実はあります。当たり前です。しかしその現状を素直に受け入れてしまっては、最高水準をめざす強い気持ち、強い思いが消え去ってしまうのです。そしてそれは、終わりへの道の始まりです。

2021年4月、ゴルフの4大メジャーであるマスターズで優勝した松山英樹は、「日本人がこれまで勝てなかった、このマスターズを制した最大の理由はなんでしょうか?」という記者の質問に、こう答えてました。
「それは、『マスターズをはじめとしたゴルフのメジャー大会で、日本人が欧米人に勝てるはずがない』という思い込みを持たなかったから、だと思います。これまでの皆さんは、そう考えていたから、勝てなかったんだと思います。」

経営者が絶対に下げてはいけないこと水準があるんです。追い求め続ける最高水準があるんです。経営は経営者の思いです。強い思いを経営者は、決して捨ててはいけません。

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