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ウィークエンドけそ(第12回/2020.11.6号)

くずざんぽー、けそです。
今週の『ウィークエンドけそ』のお時間がやってまいりました。

皆さんは、どちらで、いかがお過ごしでしょうか?

2020年の流行語大賞に、30語がノミネートされましたね。

恋人と、選考委員が誰か調べてみたところ、「姜尚中(東京大学名誉教授)、金田一秀穂(杏林大学教授)、辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)、俵万智(歌人)、室井滋(女優・エッセイスト)、やくみつる(漫画家)、大塚陽子(『現代用語の基礎知識』編集長)」(ユーキャン「新語・流行語大賞」のウェブサイトより引用)の6名でした。

…結構謎なメンバーじゃない…?

この番組は、今週けそがビビビと来た、SNSの話題・ラジオで聴いたもの・YouTubeで観たものの中から、特に皆さんにお伝えしたいものを紹介していくテキストラジオです!

ということで、今週の最初の部門。

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ティッシュ箱の中の暗闇に、思いを馳せたことはあるか?

最近、私の中で再び短歌を読むブームが来てます。
(前のブームのときの記事は、これ↓)

きっかけは、牧村さんの発信を読んだことかな。

このたとえすごくよくわかる。「昨日と同じ日を繰り返したくない!」という思いを、いっとき簡単に満足させてくれるのがTwitterなんです、私にとって。Twitter追ってれば、昨日の私が知らなかった情報に絶対出会える。「勉強になるのはわかってるけど、長い文章を咀嚼する元気はない…」っていう日でも、気軽に手を出せるし。

でも、Twitterを追うことには終わりがないんだよな…。わんこそばならぬわんこ情報で、いくら気軽に摂取できるとは言え、ちょっとずつ疲れて、擦り切れていく気持ちになる。

そんなとき、コミックエッセイを読むようにしてた時期もあったんだけど、今は「短歌、ちょうどよくない?」っていう気分。余白がたっぷりあって、心が苦しくならないから。

そんなわけで、『短歌ください』シリーズを2冊(↓)読んだので、その中から気に入ってる短歌をいくつかご紹介します。
『短歌ください』シリーズは、『ダ・ヴィンチ』で連載されている、短歌の一般公募コーナー(選者は穂村弘さん)で掲載された作品をまとめている本です。穂村さんのコメントも、とても面白いです。

前にも『本当はちがうんだ日記』の感想で書いたけど、穂村さんご本人の、世界とのチューニングがうまくいってない感じが好きなんですよ…。そう思いながら好きでいるのって、敵意(穂村さんが幸せだったらむかついちゃう)の一歩手前で危険だなと感じつつも…)


(短歌の本って自分で買うのはちょっとハードル高いなと思うけど、Kindle Unlimited だと冒頭読んで好みと違ったら違う本に切り替えればいいから、どんどん試せて便利。何回も書くけど、本を延滞する活字中毒の皆様にはほんとにKindle Unlimited おすすめ)

箱の中暗い空間増えてゆくティッシュ一枚引き出すたびに
(西口ひろ子・女・47歳)

『短歌ください 君の抜け殻篇』より引用

今まで人類のだれもその様子を見たことがないし、これからも永遠に見ることはないのです…。自分の横顔を直接見ることはできないと知った日の絶望を思い出す歌。

一人旅装うブログ打つ君の携帯カメラに映らぬわたし
(たみやともみ・女・31歳)

『短歌ください その二』より引用

旅に出ると、普段は映らないところを写真に収めたくなってしまうのだけれど…。

(この2枚は、リオデジャネイロのでっかいキリスト像前で撮影した。人と巨像を同時に収めるために、できるだけ低い位置にカメラを設置しようと苦心している人々がおわかりいただけますでしょうか…)

それでも切り取れる世界は、やっぱり絶対に「一部」なのだよな。

会議室の椅子が重なり積みあがる 何かの交尾じみていながら
(一・男・24歳)
『短歌ください その二』より引用

大学生時代、中華料理屋でバイトしていたときのことを思い出す。
その日は、同じビルに入っている会社の社員たちの忘年会が個室で行われていた。皿を片付けようと閉じられていた扉を開けたら、赤い顔でよだれかけをして哺乳瓶を持ってるサラリーマンと目が合ったのだった。
活字に支配される世界では、ほころびが光る。

ひらがなのさくせんしれいしょがとどくさいねんしょうのへいしのために
(木下龍也・男・27歳)
『短歌ください 君の抜け殻篇』より引用

ひらがなで書かれている短歌が優しいとは限らない。
すっと読めないところに、拒まれるような印象を感じる、恐ろしい歌。

その妖精5人のなかにB型はいませんご安心ください
(つきの・女)
『短歌ください その二』より引用

全員B型じゃないなら、きっと大丈夫です(by B型当事者)

ここで会うことはもうない 6Fの職場のトイレの鏡の僕よ
(新道拓明・男・25歳)
『短歌ください 君の抜け殻篇』より引用

世界中の会社の鏡の中で、出口を失った退職者たちの亡霊がひしめいているのかもしれない。



あとね、この『短歌ください』シリーズ、いろんな人に開かれている雰囲気があるところも好き。

牧村さん(また!)のこの回のラジオで(↓)、「文化って別に高尚な人たちのみのものじゃないでしょ」って話が出てきて、そこに打たれていたからなおのこと刺さったのかも。

うっすら関係しそうなとこで、ライターの豊崎由美さんのつぶやきも貼っちゃおう。

時々noteとかcakes界隈で起こってる(と私には思える)「内輪盛り上がり、持ち上げ合い」みたいな文化が、ちょっと苦手でして…。

誰とでも仲良くする必要なんて全然ないし、通じ合える人しかいない心地いいコミュニティを持っておくことは、リラックスのために大事だ。

でもなんか、それで閉じる方へ閉じる方へいっちゃうと、かっこ悪いよな、見える景色が限られるよな。

「ぜーんぜん違う人生を歩んできたこの人の運命とも交われるような奇跡も起きちゃうんだ、文化(あるいは創作)のバトンを介したら!」って驚きを、できるだけたくさん味わって生きていきたいんだよなあ。

スペインの哲学者、オルテガ・イ・ガセットの、この言葉を愛しています。

「幸せとは自ら自身の外に出ることである」



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続いては

ウィークエンドミュージック

のコーナー。

いろいろ探すけど、結局作業用BGMは彼女に落ち着く…。

エンヤで『Wild Child』

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つづいては、おすすめフードや飲食文化について扱う、この部門。

元気が出ない日は、もりもりチーズ豚キムチだッ!

ということで、この間エネルギー補給のためにつくったレシピを貼っときます↓

私は今回、別レシピの「至高の豚キムチ(↓)」の味付けにチーズを入れるバージョンで作ってみました。

やっぱり韓国製キムチで作ったらしょっぱくなりすぎちゃって、前に作ったときよりうまく味付けできなかったんだけど…(はちみついっぱい入れて調整したけどうまくいかず…)、それでも白米との相性がばつぐんでした!恋人氏も飲むように食べてましたわ!

カロリーのことはいったん忘れて、はふはふ食べて幸せになろう!!!

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最後の部門!

…なんかこういう顔が…好きなんですよね…。

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今週の『ウィークエンドけそ』、いかがでしたでしょうか?

この番組では、皆様からけそへの、褒め言葉・人生相談・質問をお受けしております。

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「なんにもしない時間」も持ちつつ、自分を大事にいきましょ~。

それでは、また来週!

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