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遠いから、ひかっている

きょうは、四方田犬彦さんの『かわいい論』から、気になった言葉を引っ張ってきました。

夢見られた過去とは絶対の距離のもとに隔てられたものであって、それゆえに光り輝くものと化すのだ。〔中略〕すべてのものはガラス越しに眺められたとき、いっそうノスタルジックとなる。

Always三丁目の夕日が話題になっていたときにも、こんな話って出ていましたよね。あの頃は、今よりもっと不便で臭くて、美しき時代なんかじゃなかったぞ、みたいな話。遠くなっていくにつれてきれいなところだけ残るって、ラッキーだな、と思っちゃいますけどねぇ。もちろん負の歴史については、ちゃんと「臭い」ところがふわーとしていかないようにしなくちゃいけませんけど。

縦の遠さが「時間」だとすると、横の遠さ、「距離」についても、 同じことが言えるかな、と思ったりしました。「いっそうノスタルジック」よりも、「いっそうロマンチック」とすべきかな。おばあちゃんちの百科事典の中のアメリカが、私にとって一番きらきらしていました。

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