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【旅行記2-5】伊豆箱根週末パス遠征〜信越編〜

地震のあった翌朝6時,ネットカフェを出て寺尾駅から越後線に乗車する.幸いにも,地震の影響はなく通常運転だった.この日の朝に狙うのは越後線・弥彦線・信越本線で運用される115系電車.国鉄大国岡山ではまだうじゃうじゃいるが,東日本では長野のしなの鉄道と新潟で活躍するくらいだ.かつて新潟には多くの115系電車が所属していたが,ほとんどはE129系電車によって置き換えられ,現在は7編成が残るのみである.しかし,この残りの7編成が個性的で,それぞれカラーリングが異なっている.そこで,新潟に残るカラフルな115系を撮影することにした.

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吉田駅で乗り換え.2次新潟色の115系が入線していた.そのカラーリングから通称「キムワイプ」と呼ばれている.

吉田からさらに西に進み,分水駅で下車.ここから徒歩20分ほどで撮影地へ.この日はよく晴れていて,背後に弥彦山がくっきり見えていた.

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まず最初にやってきたのは湘南色+国鉄新潟色の6両編成.湘南色は現在でも岡山,長野で見られるのだが,70系のカラーリングをまとった国鉄新潟色はここでしか見られない.バッチリ陽が当たり,その鮮やかな色味を際立たせている.

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お次は弥彦山バックで二次新潟色を.構図を少しミスった気がするが,山の雄大さが伝わってくるだろうか.

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陽が昇ってきたので場所を少し変えて撮影.こちらは弥彦色.現在ではE127系が主に運用されている弥彦線だが,かつてはこのカラーリングの115系が運転されていた.現在では1編成だけになったものの,引き続き弥彦色で運用が続けられている.

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これにて撮影は終了.あと20分で列車の時刻だったので,慌てて撮影地から帰る.走りながらだったのでなんとか2分前に駅に着いたのだが,列車が来る気配がない.分水駅にいた駅員(なおダイヤ改正に伴って現在は無人化されている)によると,地震の影響を受けて遅れが出ているとのこと.始発は時間通り運行されていたことから,接続待ちによる遅れなのだろうか,20分遅れで運行されていた.

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20分遅れで弥彦色が到着.先ほど撮影した列車の折り返し運用である.

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結局そのままの遅れで柏崎駅に到着.乗り換え時間に余裕があったので,予定通りに乗り継ぐことができた.

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柏崎といえば,ブルボンの本社があるところである.駅にプチの自販機が設置されているのが柏崎らしい.

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柏崎から直江津行きに乗り換え.車両はE129系.意外と混雑していたが,柏崎で多くの下車があり,ボックスシートを確保できた.

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途中で海に最も近い駅とも言われる青梅川駅に停車.列車は日本海を眺めながら西に進んでいき,直江津駅に到着.

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直江津に来たならば,名物「ニシンそば」は外せない.しっかり味付けされたニシンとそばが絶妙に合う.

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さて,直江津駅からはトキめきするのだが,糸魚川方面へは以前訪問したことがあったので,今回は妙高高原へ南下することにした.えちごトキめき鉄道所属のET127系に乗車する.郡山からしばらくボックスシートが続いたが,ここで久しぶりのロングシートに乗車.上越市の中心駅・高田駅を過ぎて,新幹線接続駅・上越妙高駅でしばらく停車する.

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奥に妙高の山々が見える.南下して山に近づいてくると積雪が多くなっていく.

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いよいよ本格的な山登りを始め,スイッチバック駅の二本木駅に到着.ここで列車交換のためしばらく停車.

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先に直江津行きの列車が発車し,引き上げ線へ向かう.手前の渡り線を渡って,左奥の線へ引き上げ,方向転換して左側の本線へ合流する.なお手前にある左側の分岐は側線である.

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引き上げ線へ向かうE127系電車.直江津行きが引き上げてから妙高高原行きは発車する.手前の渡り線から右側の本線に移動して,妙高高原へ向かうのだが,構造上すれ違いが可能であり,直江津行きとすれ違った.

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県境付近の妙高高原駅に到着.ここでしなの鉄道北しなの線に乗り換える.ここで再び115系に乗車した.しなの鉄道色の3両編成.

ボックスシートに腰を掛けて,峠を下っていく.国鉄型車両の重量感とモーター音が心地よい.

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終点の長野駅の1つ手前,北長野駅で下車する.ここから長野電鉄に乗り換える.長野電鉄の信濃吉田駅までは徒歩圏内で,乗り換えに便利だ.

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やってきたのは8500系,元東急の車両である.8500系は抑速ブレーキを備えておらず,信州中野以遠には入線できない.

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途中の信州中野駅で乗り換え.次に乗る湯田中行きは,最近まで東京メトロ日比谷線で運用されていた03系を改造した3000系である.横に並んでいるのは「特急ゆけむり」として運用されている元小田急ロマンスカーHiSEの1000系電車である.他社車両との並びが見られるのも地方私鉄の醍醐味である.

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信州中野からは急勾配・急カーブが連続し,どんどん山を登っていく.元地下鉄車両で,登坂性能に優れているのだろう.終点の湯田中駅に到着.

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湯田中駅から出ていく3000系.背後の山が美しい.

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湯田中駅の駅舎は,外から見ると事務所のように見える.古めかしい建物だが,風情が感じられる.駅舎から右に進むとバスの営業所があり,多くのバスが停まっていた.

猿の入浴シーンが有名な地獄谷野猿公苑へは湯田中駅が最寄りとなる.ここからバスと徒歩でたどり着くことができるが,この日が旅行の最終日で翌日から神戸に戻らないといけないので,今回は諦めることにした.

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次に湯田中駅にやってきたのは元JR東日本253系電車の2100系である.かつては成田エクスプレスに運用されて,成田空港から多くの旅行客を運んできたこの車両だが,今では長野の地で活躍している.かつてのグリーン個室も個室指定席として発売されており,一人でも利用することができる.

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車内はかつての面影を残している.荷物棚はキャビネット型で,座席は集団お見合い式の配列となっている.回転式のリクライニングシートだが,回転はできないようだ.

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2100系電車は「特急スノーモンキー」として運用されていて,前面にもスノーモンキーのイラストが描かれている.モチーフとなっているのは地獄谷野猿公苑の猿である.

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特急スノーモンキーで坂を下り,信州中野駅に戻ってきた.長野電鉄の制服は鼠色をしていて,全国の鉄道の中でもなかなか独特である.

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信州中野から再び湯田中に戻るのだが,ここで乗るのは1000系.前面展望が特徴的な車両で,せっかくなので展望席に乗って移動した.

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湯田中に到着.ここから折り返し,長野行き特急に乗車する.1000系の展望席を早々に確保.現在は昼間時間帯で指定席が導入されており,空いていれば事前に展望席を確保できるようになっているが,この時は全車指定席であり,基本的に展望席は「早い者勝ち」である.

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運転台を見ると,381系を思い出す.展望席があるぶん,運転台は少し狭そうだ.

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展望席に座ってみる.この時点で眺望が広々として気持ちがいい.

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列車は坂を下っていく.広々とした光景が美しい.

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信州中野駅には元日比谷線の3500系が停車中.新型車両であるこちらも元日比谷線の3000系によって置き換えが進んでおり,来年までに引退となる予定だ.

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列車は長野市内に入り,地下区間を走行する.地方私鉄とは思えない立派な地下区間に驚く.

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終点の長野に到着.パッとみると神戸電鉄の新開地駅のようにも見える.長野でこの規模のターミナル駅は壮観である.

ここで長野電鉄とはお別れ.外は暗くなっていた.せっかく長野まで来たのでお土産を買っておく.辛党の私には長野の七味唐辛子は外せない.

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次に向かったのは蕎麦屋さん.JR長野駅の改札を出てすぐ右手にある蕎麦屋で天ぷらそばをいただいた.長野に来たらそばも外せない.

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一杯だけでは満足しなかった私は,長野電鉄の方に戻り,改札口の奥に進んだところにある蕎麦屋へ.ここでも天ぷらそばをいただく.濃いめの出汁と天ぷらがよくマッチしている.

お土産を買って,そばも食べたということで,いよいよ神戸への帰路につく.問題はどう帰るかだが,翌日の夕方からバイトがあるのでタイムリミットは翌日の夕方である.青春18きっぷがない時期だったので,普通列車を乗り継いで向かうのには限界があり,週末パスを使って小海線まわりや篠ノ井線周りで関東方面へ向かっても,夜行バスが発着する東京・横浜には辿り着けないことがわかった.長野からも夜行バスは出ているのだが,東京発のバスに比べると割高であるのだが,この時点で選択肢がなかったのでネットで予約することにした.長野駅からも乗車できるバスだったが,せっかく週末パスを使っているので,夜行バスの始発である小諸駅までしなの鉄道で向かうことにした.

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小諸駅に到着した編成を撮影する.115系横須賀色だった.横須賀色は今年の8月に引退予定で,貴重な経験となった.30分ほど時間があったので,コンビニで食料を確保し,バスに乗車した.

小諸駅は始発だったこともあり,人もあまりいなかったのだが,長野駅に着くと多くの人が乗ってきて,ほとんど満席の状態だった.私の隣にも人が座っていたのだが,耳栓にアイマスクと万全な準備をしたおかげか,大阪駅までぐっすり眠ることができた.大阪駅でバスを降り,阪急電車で神戸に帰った.

こうして,四国から伊豆,箱根,福島,山形,新潟,長野をめぐる大移動が終わった.18きっぷを一切使用しない鉄道での長距離移動はこれが初めてだったのだが,片道きっぷの旅はサンライズにも乗れて自由度が高く,値段が高い分満足度も高かったように感じた.

先述したとおり,しなの鉄道では115系横須賀色と長野電鉄3500系が引退間近であり,さらに上田電鉄が3月に復旧したということで,再び訪れてみたいと思う.また,日本各地でそばを食べている私からすると,日本三大そばと呼ばれる戸隠そばを食べてみたいので,また今年中に必ず長野に向かうことになるだろう.

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