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【旅行記2-1】伊豆箱根週末パス遠征〜四国編〜

タイトルが大渋滞していることをお詫びする。しかし、この旅行は伊豆にも、箱根にも、福島にも、山形にも、新潟にも、長野にも滞在したうえに、その前段階として四国にも行っている。なぜここで"四国"が出てくるのかについてはおいおい説明するとして、まずはこの旅行の構想段階から話を始める。

この旅行を決行したのは2月某日。2月というのはフリーきっぷの少ない時期で、鉄道で旅行するには少し不利な時期である。新幹線や特急を除く全国のJR線が乗り放題になる青春18きっぷや、JR北海道、JR東日本管内で乗り放題になる北海道・東日本パスもまだ利用できない。そんな時期に目をつけたのが、伊豆と箱根である。まだ乗車経験がないうえに、伊豆では185系特急踊り子号の引退、箱根ではモハ2型109号の引退が迫っていた。そこで、行きと帰りに夜行バスを利用し、伊豆と箱根を2日間でめぐることにした。これがこの旅の素案である。

しかし、2日間だけで夜行バスで行って帰るだけの旅行というのもつまらない。何か面白い方法はないだろうかと模索すると、一つ名案を思いついた。実はこの旅行を決行する前の週に帰省の予定を入れていた。私は高知の出身なのだが、たいてい高知に帰るときは鉄道で帰っている。相生岡山新幹線課金&特急南風乗継割引を適用して片道7,000円ほどで帰っていた。すなわち、往復14,000円である。これと伊豆行きを組み合わせられないものだろうか。そう、長距離片道きっぷである。

まず神戸から阪神電車と南海電車で和歌山港へ行き、南海フェリーで徳島へ、徳島からは片道きっぷで高知に帰省し、宇和島まわりで四国を脱出し、そのまま箱根の玄関口、小田原まで1枚のきっぷで行ってしまおうというものだった。きっぷの有効期間は7日間。帰省して伊豆箱根旅行の間に日を挟んでも十分問題ない。これが第2案である。

それでもまだ満足できない。せっかく関東に行くのに結局東京から夜行バスで帰るのはちょっと微妙な気がする。そこで思いついたのが週末パスを利用した旅である。週末パスとは、北東北を除くJR東日本の全線と、各種私鉄が2日間乗り放題になるきっぷで、前日までにJR東日本の券売機で購入する必要がある。伊豆箱根旅行を終えてちょうど小田原にいるときに週末パスを購入して、東北に残された未乗車区間、福島交通飯坂線、阿武隈急行、山形鉄道、そして新潟のえちごトキめき鉄道、長野のしなの鉄道、長野電鉄に乗車することを考えた。これが第3案。最終的にはこの案で旅行が決行された。

まずは普通に帰省

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いよいよ帰省を決行する。南海フェリーでの帰省は別にたいして特別な感じはしない。特急サザンで和歌山港へ行き、そこから南海フェリーに乗って四国入りする。

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フェリーの展望デッキに登ると、向こう側に淡路島が見える。

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船内は意外にも混雑していたので、テラスに出て作業する。旅行中に次の旅行の計画を立てるのもよくあることだ。

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徳島に入ると大きな橋梁が目に入った。徳島インターから南に伸びる徳島南部自動車道である。工事が着々と進んでおり、完成も近そうな様子だった。

フェリーは徳島港に到着し、市バスに乗り換えて徳島駅に向かう。バスは意外と混雑していて、ずっと立ったままで徳島駅に到着した。

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さっそくみどりの窓口に行き、今回のメインのきっぷを発券してもらう。徳島から安積永盛までと伝えると、案の定聞き返されたので、ルートを正確に伝えて発券してもらう。発券まで10分ほど時間を要したが、無事に発券することができた。ちなみになぜ安積永盛までの乗車券を購入したかについては、後ほど触れることにする。

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徳島駅の改札を入るとキハ185系と1500形が並んで停車中。左側の1500形に乗車して終点の阿波池田まで向かう。

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阿波池田からは1000形に乗り換えて土讃線を南下し、祖谷口駅で途中下車する。土讃線の山間部には意外と棒線駅が少なく、祖谷口の次は黒川(坪尻はスイッチバックなので省いた)と土佐穴内くらいである。

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祖谷口駅でやること。それは、2000系の撮影である。2000系気動車は3月13日のダイヤ改正をもって、特急南風・しまんとの定期運用を終える予定である。最後にカメラに収めようと駅を出てすぐの踏切で狙ってみたが、逆光で少し微妙な写真となった。

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駅から30分ほど歩いて、次の撮影地へ。山の影が意外にも早くかかり始め、2000系の通過には間に合わない気がした。この写真は2000系通過前に千年ものがたりを後ろから撮影したもの。これぐらい光が射せばちょうどよく撮影できる。

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しかし、予想通り影に隠れ始めた。

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本命の2000系が通過する。なんとか耐えた気もするが、写真の出来はいまいち。

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祖谷口駅に戻り、踏切からきいろいアンパンマンを撮影。こちらは光線もよく、いい写真に仕上がった。

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結局3時間くらいいただろうか。実家へ帰る列車がやってきた。もう辺りは暗くなり始めていた。

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四国なのに、関西では見覚えのある近鉄の広告を発見した。違和感しかない。ちなみに私は奈良派ではなく京都派である。

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この写真を見て、いや〜帰ってきた〜となる高知県民は私くらいだろうか。高知駅に到着。ワープ高知支店の鉄分濃ゆめの広告が懐かしい。

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本当に2000系の定期運用がなくなってしまった今となっては、まだ走ってた頃の広告が懐かしい。高知駅からは普通列車で実家の最寄り駅に帰った。

高知での一日

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翌朝、私は再び高知駅にいた。実家から自転車を飛ばすこと20分、2000系のグリーン車の真下にあるとかいう、ワープ高知支店を訪れた。写真では1000形の真下になっているが、そこは気にしなくてよい。

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まずはきっぷを発券。翌日の宇和島からの宇和海32号と、松山からのミッドナイトEXP松山の指定席特急券を発券した。ミッドナイトEXP松山は3月13日のダイヤ改正で廃止された。最後の乗車の記念に、指定席で発券したのである。ワープ高知支店で発券すると缶バッジがもらえるとのことで、ありがたくもらっておく。

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ワープ高知支店に来た一番の目的は、2000系の部品の見学である。いつも乗務員室の窓越しに見ていた運転台が、すぐ目の前にある。種別幕も間近で見ることができた。緑うずしお幕は意外と見る機会が少ないので、満足だった。願わくば幕回しを見ていきたかったが、それはまた別に機会があればということにしておこう。

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座席にはこうちれっちゃくんが乗車中。

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グリーン車座席は2011号で使用されていたもので、リニューアル後のモケットとなっている。原型モケットも置いて欲しいな……。2009号廃車のときに検討していただきたい。

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鉄道好きの好奇心をくすぐるような、さまざまな仕掛けに溢れたワープ高知支店。時々マイナーチェンジをしているので、また機会があれば訪れてみたい。

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とまあこんな感じでワープ高知支店を堪能した後は、さらに自転車を東に漕いで撮影地へ。2000系の後を継ぐ2700系が、力強い加速で高架を登っていく。

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次にやってきたのは1000形の回送。

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そしてお目当ての2000系がやってきた。原型モケットを積んだ2009号が、夕日を浴びながら高知までの最後の走りを見せる。結局ダイヤ改正前に走行する2009号を記録できたのはこれが最後であった。

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撮影の帰りにはりまや橋の「とさのや」に寄っておく。帰省の度に訪れているラーメン屋で、正直言って今まで食べた中で一番美味しい家系のお店である。こうして高知で一日を過ごし、翌日からは再び大移動を始めることになる。

四国大回り紀行(奇行)

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翌日、私は予土線にいた。実家を出てたどり着いたのが予土線の鉄道ホビートレイン。予土線に使用されるキハ32形はロングシートなのだが、鉄道ホビートレインにはボックス席がついている。ちなみにこの便は窪川18:43発の4827D。3月のダイヤ改正に伴って窪川ー江川崎間の運転が取りやめとなり、これが最後の乗車となった。

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宇和島に到着したときには21時前だった。

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宇和島から特急宇和海に乗り換え。2000系の3両編成。特急南風・しまんとから引退する2000系だが、特急宇和海ではまだまだ活躍を続ける。

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今回は指定席を取ったため、青色の枕カバーの席へ。少し優越感がする。

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1時間半ほどで終点の松山に到着。ここから左のアンパンマン列車に乗り換える。

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3月のダイヤ改正に伴って廃止される特急ミッドナイトEXP松山。東予方面への最終列車となる。車両は8000系アンパンマン列車が使用されており、子どものいない深夜の車内で虚しく「ぼく、アンパンマン!」と放送が流れる。

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この幕も見られなくなってしまった。

アンパンマン列車に揺られて今治で下車。今治ではネットカフェに泊まった。快活CLUBではないのだが、なんとポップコーンが食べ放題と言うことで、ありがたく何度もおかわりした。

翌朝、今治からは高松行きの普通列車に乗車。2時間以上乗車してたどり着いたのは多度津駅。多度津駅には、3月で営業終了する食堂がある。JR四国の職員だけでなく、地域の人や鉄道ファンからも愛された食堂に行ってみることにした。

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朝から健康的な朝食をいただいた。これで380円とはお値打ち価格である。もう今では無くなってしまった食堂だが、善通寺に移転するとのことで、移転後が楽しみである。

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その後の行程は言うまでもなかろう。普通列車で坂出に行き、坂出からマリンライナーで岡山、岡山からいつもの黄色いやつで相生、相生から姫路、姫路から新快速というふうに帰ってきた。三ノ宮で途中下車し、阪急電車で帰った。

こうして帰省はいったん終了。神戸に帰って、バイトを2日間こなし、翌日の深夜に再び旅に出発する。いよいよこの旅のメイン、伊豆・箱根へ向かう。深夜に東へ出発するということは、勘のいい方ならもうお分かりであろう。

1日目につづく……

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