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【旅行記4】初夏の長野撮り鉄遠征

時は7月中旬.大学院入試までおよそ1ヶ月ほどに迫ったころ,私は院試勉強と部活とバイトの合間を縫って,何とか丸1日の休日を捻出した.そこで,往復に夜行バスを使った旅を決行することとなった.なお,この旅が院試前で最後の旅となった.

行き先は長野.長野には近々引退する予定の車両が2つある.1つは,しなの鉄道線で活躍する湘南色の115系である.115系自体はしなの鉄道線でも数多く見られるが,新型車両のSR1系による置き換えが進んでおり,この度湘南色の2編成の引退が決定している.もう1つは,長野電鉄で活躍する元営団3000系の3500系電車である.こちらは製造から60年近くが経過しているかなり古い車両で,2022年度までの引退が決定している.

さらに,これとは別件だが,2年前の台風被害で流された上田電鉄の千曲川橋梁が復旧し,全線開通を果たしたので,撮影で長野に行くついでに上田電鉄に乗車しようと考えた.

また,これも別件だが,夏が近づき気温が上がってきたので,冷たいおそばが食べたいと考え,日本三大そばの1つ,戸隠そばを食べに行こうと考えた.

以上のやりたいことを総合的に考慮した結果,このような行程となった.

まず,夜行バスで大阪駅から長野駅まで向かい,長野駅から隣の安茂里駅まで移動し,115系を撮影.撮影後すぐに長野駅に戻り,長野駅から車を借りて長野電鉄3500系の撮影に出向き,そこから車で戸隠高原へ登り戸隠そばを食べ,長野駅に車を返却する.その後は上田に向かい,上田駅から上田電鉄線に乗車し,終点の別所温泉駅で温泉に浸かり,上田駅まで戻り,そこからさらに夜行バスで大阪駅に帰る.という,行き帰りともに夜行バスを使う頭のおかしい行程となった.

さて,旅行当日.私の乗った夜行バスは4列シートに満員の乗客を乗せて発車した.ただの平日ではあったが,ビジネスマンから,長袖のトレッキングウェアに身を包んだ観光客まで,幅広い利用があった.女性専用区画が備えられておらず,男女隣席となるケースもあるようで,私の隣には女性客が乗車していた.狭い車内なので愛知県くらいまで寝れなかったが,奇跡的にそこから少し寝て,休憩のために松代PAに停車した時に目が覚めた.

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松代PAは長野ICの直前のPAで,私の目的地の長野駅までもう少しだと実感した.PAの地図を見てみると,すでに廃線になった長野電鉄河東線が記されてあった.PAにコンビニがあれば,朝食を確保しておこうと考えていたが,コンビニはなかった.

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長野駅に到着.ここから115系の撮影のために1駅先の安茂里駅に向かう.

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安茂里駅に到着したので歩いて撮影場所へ.早速115系一般色がやってきたので練習がてら撮影.

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反対側から初代長野色がやってきた.このあと折り返して長野行きとなり戻ってくる.

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北長野駅へ向かうEF64

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続いてやってきたのは一般色S10

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こちらは篠ノ井線で運用されるJR東日本E127系長野色

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こちらもJR東日本の211系長野色

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こちらは前2両一般色,後3両長野色の115系5両編成.少し構図をミスったか.

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いよいよお目当ての横須賀色,通称スカ色が通過.前3両がスカ色,後3両が一般色の6両編成.スカ色はつい先日引退したばかりで,これが最後の記録となった.

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次にやってきたのは快速しなのサンライズで運用されるしなの鉄道の新型車両SR1系100番台.全6両が総動員で長野へ向かう.

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お次は211系長野色.

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次にやってきたのは篠ノ井線快速運用の211系.快速幕は初めて目撃した.

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次はしなの鉄道115系湘南色.115系湘南色は新潟,岡山でも見かけることができる.

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しなの鉄道が続く.一般色5両.

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お次は211系.

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そして最後にやってきたのは115系初代長野色.

安茂里から再び長野駅に戻り,長野駅からタイムズのカーシェアで車を借りる.車を借りてまず向かうのは山ノ内町.車を走らせること50分,少し道に迷ったりもしたがなんとか山ノ内町の撮影地に到着した.

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天気は晴れ.実は前日まで雨の予報も出ていたのだが,雨が降るどころか綺麗に晴れた.しかもこの日,関東甲信越地方の梅雨明けが発表され,梅雨明け初日の長野となった.気温はぐんぐん上昇し,かなり暑かった.

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長野ということで,あたりにはリンゴ畑が点在している.

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まだ実は小さいものの,これから秋に向けて,さらに成長していくのだろう.

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お目当ての電車が到着.長野電鉄3500系N8編成.今や2編成にまで減った元日比谷線3000系電車である.3500系は昨年日比谷線から引退した03系によって置き換えが進んでいる.一度03系に追われる身となった3000系が,奇しくも長野でも同じ03系に追われる身となっている.この「日比谷線コンビ」の活躍が長野で見られるのも後1年ほどか.

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長野駅から借りた青色のノートで次の撮影地に向かう.以前九州を車で旅した際や,秋田で車を借りた際(【旅行記1-5】参照)にノートを運転した経験があったため,運転に慣れているノートを借りることにした.

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次の撮影地は夜間瀬川を渡る橋梁.

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夜間瀬川を渡る3500系.ステンレス車体で前面に丸みを帯びていることから,通称マッコウクジラとも呼ばれる.

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少し寄り目で撮ってみる.丸みを帯びているのがよくわかるだろう.前面の窓も車体に沿ってカーブしている.

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信濃竹原駅で3500系と行き違った元小田急ロマンスカーHiSEの長野電鉄1000系.広い前面展望が特徴的で,先頭に乗ると長野の風景を楽しむことができる.(1000系には以前乗車している.詳しい説明は【旅行記2-5】を参照)

夜間瀬川の橋梁から次はおそばを食べに戸隠に向かう.戸隠までは信州中野ICから上信越道に乗り,2つ先の信濃町ICで降りて,北回りで向かうことにした.

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信濃町ICを降りてすぐにある道の駅しなので新物のとうもろこしを購入.信濃町はとうもろこしの産地で,初夏になると道沿いに焼きとうもろこしの店が並ぶそうだが,少し時期が早すぎたようで,焼きとうもろこしの店はまだやっていなかった.

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ちなみに信濃町のとうもろこしは長野から帰ってきた翌朝の朝食となった,時期的に少し早く,まだ未熟で白い粒が目立つものの,甘くて美味しいとうもろこしだった.

戸隠までの道中はヘアピンカーブが続く山道だったが,先日の九州旅行で鍛えたドライビングテクニックで攻略していく.県外ナンバーが意外と多く,戸隠の観光地としての人気ぶりが窺える.戸隠そばの店が軒を連ねる戸隠神社中社の駐車場はかなりの車が入っていた.およそ半分が首都圏ナンバーだったように思える

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戸隠神社のお社は撮影禁止なので,杉並木を撮影しておく.奥社にはもっと素晴らしい杉並木があるのだが,時間の都合で訪れることはできなかった.また時間があれば訪れてみたい.

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戸隠神社中社を出て,次はいよいよお目当ての戸隠そばを食べにいくことにした.

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待望のおそばが到着.戸隠そばは,小さな束に分けた「ぼっち盛り」という盛り方で提供される.地元野菜の天ぷらセットで大満足の昼食である.店員さんからまず塩につけて食べるようにすすめられたので,まずは塩だけでいただき,次につゆにつけて食べた.この日の長野は30℃を超える暑さで,私も戸隠神社の訪問で汗をかいていたので,冷たいおそばは格別に美味しかった.店員さんのサービスも素晴らしく,ちょくちょくお茶を入れていただいたり,ちょっとした漬物やかりんとうのサービスがあったり,手厚いサービスだった.

戸隠からの帰り道は長野の市街までひたすらダウンヒルだった.特に,道中にある「七曲り」はスノーシェルターの中にヘアピンカーブが8連続する難所で,急勾配を下りながらヘアピンカーブを次々と曲がっていく高度なドライビングテクニックが求められる.私はヒヤヒヤしながら七曲りをなんとか攻略した.対向車両がそこまでいなかったのが幸いだった.

長野駅には予定の30分前に到着.車を返して上田に向かうのだが,上田に行く途中でもう一度115系を撮影しようと,今井駅に向かった.

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長野駅からはSR1系200番台に乗車.朝に撮影した100番台はライナー専用車両で車体は青色なのに対し,200番台は一般車両で車体は赤色.

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今井駅から少し歩いて撮影地に到着.早速やってきたのは朝の撮影でも見られた115系長野色.

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長野方面に向かう383系の特急しなの.

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お次にやってきたのはお目当てのスカ色.朝に撮影したのは3両編成だったが,こちらは2両編成.

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上りの383系特急しなの.

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次にやってきたのは台鉄色.しなの鉄道は台湾鉄路管理局と友好協定を締結しており,その交流事業の一環で,台湾を走るEMU100型の塗装になっている.

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長野から折り返したスカ色2両編成が通過.

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撮影地を後にし,同じく長野から折り返してきた台鉄色に乗って上田へ向かう.

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途中で高校生が多く乗車してきて,混み合った車内だった.上田に到着し,上田電鉄に乗車する前に,最近復旧した千曲川橋梁を見に行くことにした.

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空には入道雲がかかり,夏らしい風景の千曲川.真ん中を通る赤鉄橋が最近復旧した千曲川橋梁.

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橋を渡っていく赤帯の元東急1000系電車.東急1000系は上田電鉄の他にも,福島交通や,伊賀鉄道にも譲渡されている.

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次に渡ってきたのは中間車を改造した6000系電車.

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橋を渡るとすぐに高架を登り,上田駅にアプローチしている.

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橋での撮影を終えて上田駅に戻る.上田電鉄の上田駅には,上田が舞台となったアニメ映画「サマーウォーズ」のキーホルダーが販売されていた.上映から12年が経ったが,今でも上田の観光を支えているのだろうか.もしくは,上田が「サマーウォーズ」に固執しているのだろうか.ちなみに,奇しくもこの日,金曜ロードショーで「サマーウォーズ」が放送される日だった.

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ホームに向かうと先ほど橋を渡ってきた6000系電車が到着していた.「サマーウォーズ」でもこのホームが登場する.

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終点の別所温泉まではおよそ30分ほど.

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別所温泉駅の文字が斜めに配置されたおしゃれな駅舎である.

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駅の東側には丸窓が特徴的なモハ5252が保存されていた.

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多くの飾りがホームの屋根に彩りを添えている.

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別所温泉駅から坂道を10分ほど歩き,真田幸村の隠し湯として知られる石湯へ.中は狭かったが,ちょうど良い湯温で,珍しく長湯してしまった.

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帰りに乗った電車は「まるまどりーむ号Mimaki」.かつて上田電鉄を走っており,「サマーウォーズ」にも登場する7200系の丸窓の意匠を受け継いだ車両である.

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車内からだと,その丸窓がわかりやすいだろう.

バスの時間まで30分ほどしかなかったが,短い時間で上田名物のおいだれ焼鳥をいただいた.グラスに注がれた特製のタレに,焼鳥を刺してタレをたっぷりつけて食べるスタイルで,ニンニクのよく効いたタレが刺激的で美味しく,ビールとの相性も抜群である.時間がなかったため写真は撮れていないが,次は時間に余裕がある時に訪れたいものだ.

上田駅から大阪行きの夜行バスに乗車し,帰路につく.運よく隣の席は空いており,滋賀県の多賀SAまでぐっすりだった.往復で夜行バスを使いながら,1日だけの休みで無理やり旅したので,自宅に着いた頃には相当な疲労が溜まっていた.そのまま朝から部活に向かい,その日の夕方に家に帰ってきた頃には,さらに疲労が蓄積され,その日の晩は確か10時間くらい寝ただろうか.

ということで,長野旅の様子をお届けした.院試前という時間のない中ではあったが,1日で無理やりやりたいことを詰めまくったため大満足の旅となった.ただし,2夜連続で夜行バスに乗るのは体に悪いので,やめておいた方が賢明だろう.この駄文にお付き合い頂いた皆様も,夜行バスに2夜連続で乗ることのないよう気をつけていただきたい.

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