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映画祭スタッフの見どころ解説③ 映画『メジャーさん!』

*2021年10月に開催されるトランスジェンダー映画祭2021で上映予定の作品のみどころをお届けします!

③ 映画『メジャーさん!』 

 *10月29日(金)14時〜 10月31日(日) 23時59分の期間、Vimeoで鑑賞可

この映画に出てくるトランスジェンダーたちは、何重にも折り重なった差別と社会問題の連鎖反応の中にいる。親に理解されず、勘当され、就学や就職も困難。貧困状態から犯罪やグレーな仕事に手を出さざるを得ず、それでなくとも人種(多くがアフリカ系やラテン系)やトランスジェンダーであることを理由に逮捕されて刑務所に収容される。更には、刑務所でも不当な扱いを受け更生の機会も奪われる。出所しても行く当ても働く当てもない……。そんな中で、自身も同じ経験をしてきたメジャーさんは投獄されたトランスたちに手紙を書いて励まし、出所したトランスを自分のコミュニティに家族として迎え入れて支えている。明るく陽気でパワフル。人を惹きつける魅力的な人柄の彼女の周りには、個性的な”娘”たちや支援活動をする仲間たちが集まってくる。

彼女は既に80歳近くで、1969年NYでのストーンウォールの暴動を体験したトランス女性の1人だ。激動の時代を生き抜いた、彼女の様なトランス女性が築いてきた歴史があってこそ現在のトランスコミュニティや支援団体、アライが存在すると言える。

同映画祭の『最も危険な年』では、トランスキッズの支援を描いている。『メジャーさん』とは人種や家庭環境といった部分で非常に対照的だが、同じトランスの権利を勝ち取る闘いの系譜で繋がっている。是非合わせて鑑賞してほしい。

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