見出し画像

【英語学習】特定の技能だけ伸ばしたい人がいることについて

世の中には、リーディングの技能だけ伸ばしたい、リスニング力を重点的に伸ばしたい、というニーズを持っている人が結構います。そのような気持ちはよくわかるのですが、いわゆる英語の4技能のいずれかに的を絞り、それを重点的に強化していくというやり方は、無理というか、若干ずれている気がします。今回の記事ではその辺の話をします。

言語とは音である

言語には文字言語と音声言語という分類がありますが、基本的には文字言語は音声言語が派生したものとされています。つまり、まず音ありきで、それを記録したり、遠くの人に伝えるという目的のために文字が使われる、と考えてよいと思います。

そして、文字で伝えるにしても、書き手と読み手で同じ音が共有されていることが大前提です。これはラジオによる通信と似てて、ラジオの場合は変調>復調の2回の操作でオリジナルの情報を復元しますが、文通などの文字を介した遠方とのやり取りの場合も、文字起こし>読解の2回の操作でオリジナルの情報を復元します。

この際、書き手と読み手の想定する音がずれていたら、文字起こし>読解の変調復調プロセスで差分が生じてしまい、情報が正しく伝わりません。文字を使えるのは、音を理解している人だけだということになります。

4技能で分類することの意味

そもそもなぜ4技能で分類するのでしょうか。

たとえばですが、発音を鍛えるといわゆる4技能がすべて伸びます。言い換えると、嫌でも伸びてしまいます。冒頭で特定の技能を伸ばすことは無理じゃないかといったのはそのためで、何かの技能を伸ばすと、メニスカスのように周辺技能も引っ張られて伸びてしまうためです。

文字は手段

まず音があり、それを目に見える形で表記したものが文字です。ですから、分類すべきは音と文字であり、モジュラリティの低い分類である4技能で考えるのは、あまり意味をなさないと個人的には考えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?