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月の科学(月の周期)

天体としての『月』は太陽系の他の衛星と比べると、ありふれたものかもしれません。
そんな『月』について、少し掘り下げてみましょう。

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『月』常に地球に同じ面を向けているのはご存知のことと思います。
(言い換えると満月はいつも同じ姿ですよね?)

これは『月の科学(自転と公転)』のnoteで取り上げましたが、月が地球の周りをまわる公転周期と月自身が一回転する自転周期が一致しているためです。

では、月が満月から新月となり、再び満月となるまでは何日かかるでしょうか?

カレンダーに満月の日が書いてあれば確認してみてください。
おおよそ、29日ないし30日といったところかと思います。
この日数を『朔望月』と呼び、月の満ち欠けの1周期になります。

月は複雑な軌道を通るため、周期には29.27日から29.83日の幅があり、平均すると朔望月は約29.53日になります。
『月の科学(自転と公転)』のnoteで月の公転周期は約27.32日と書きました。

おや、ずれていますね。

このずれは何なのでしょうか?
模式的にあらわされる下記のような図では、地球の周りを一回転すれば、再び満月に戻るようにみえますが、約2日もあるずれはどうして生じるのでしょうか?

自転と公転_2

ここで一つ考慮されていない運動があります。

地球が太陽の周りをまわる公転になります。

上の図では太陽の位置は変わっていないよう見えますが、実際、月が地球の周りを一回りする間も、地球は太陽の周りをまわる公転運動をしています。
月が公転する間に、どれぐらい地球が公転しているかは、
 >360度÷365.2422日(=地球の公転周期)×27.32日(=月の公転周期)
で計算でき、約26.93度となります。

月は地球が動いてしまったことにより太陽の位置が変わってしまったため、この約26.93度分、余計に公転しなければなりません。
月は約27.32日で公転しているため、
 >26.93度÷(360度÷27.32日)=2.04日
となり、もう2日地球の周りを回らなければ、満月になれないのです。

自転と公転_3

このため、1朔望月の日数は月の公転周期よりも長くなっているのです。

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