黄咲うりか

おれの歌とペンがサーチライトになるんだ

黄咲うりか

おれの歌とペンがサーチライトになるんだ

マガジン

  • オリジナルB L小説『春の蛹』

    『青春って、まるで蛹の中だ。』 「僕は誰にも愛されない」━━自身を「虫」だと思い込むほどに人生に絶望していた新高校二年生・遥。新学期に転任してきた体育教師・高海に出会い、その明るさに当初は辟易していたものの、初めて自分を思ってくれる人の心に触れ、成長していく。 陽キャ体育教師×陰キャ男子高校生の織り成す、若さゆえの苦味感じるアオハル系B L小説です。 (年齢制限ほどではありませんが一部生々しい表現がありますのでご注意ください)

最近の記事

  • 固定された記事

魔法の杖

自分だけの魔法を探していた、ずっと。 あなたにとっての「魔法の杖」とは、なんですか? 金曜ロードショーの合間に挟まるスバルのCMみたいなことをいきなり訊ねてしまってすみません。困りますよね。 私がここで言う「魔法」とは、「自分が好きで得意で、世界を変えることができるかもしれない力」で、杖は魔法を使うためのツール、という意味です。 私は23歳頃から、それを探して放浪の旅をしていました。 子どもの頃、元々好きだったことは。 「世界に溢れるいろんな知識を吸収し、自分の中で繋げ

    • 海神祭

      2023年5月末日、私は入ったばかりの会社を辞めた。 その会社に在籍していたのは、期間にすればたったの4ヶ月だったけれど。 私はその仕事に希望を持っていたし、これから先、長く続けるつもりだった。人に胸を張って言える、「私の仕事」として。 学生の頃から抱いてきた思いを、やっと叶えられると思っていたのだ。 未経験業界どころか、苦手分野への挑戦だった。得意な人にとっては得意を活かせる仕事だけれど、私はその仕事に有利になる経験が足りなかった。 しっかりとした研修を実施してくれる会

      • 若いコとドライブ

        まえがき 筋肉少女帯というバンドのアルバム『蔦からまるQの惑星』に収録されている同名の曲を下敷きに描いた物語です。 2017年ごろに既存のキャラクターの名前を借りて書いて既に発表していたものですが、妄想をはばたかせすぎて内容はほぼほぼオリジナルのお話になってて、人物名だけすげ替えても問題なく読めるのでそうしました。元作品はあんまり読まれてなかっただろうし文章の作者は私なのでいいでしょう。 名前部分は全部打ち直したつもりだけどやり残してたらどうしよう。気づいたらこっそり教

        • Twitterのおすすめでお見かけした物書き様たちをnoteでもフォローさせていただいています。文字が溢れかえるタイムラインの中で、ひときわ綺麗に輝いていた言葉に惹かれて、見失わないようにとフォローさせていただきました。今までの作品もこれからの作品も楽しみにしています。

        • 固定された記事
        • 若いコとドライブ

        • Twitterのおすすめでお見かけした物書き様たちをnoteでもフォローさせていただいています。文字が溢れかえるタイムラインの中で、ひときわ綺麗に輝いていた言葉に惹かれて、見失わないようにとフォローさせていただきました。今までの作品もこれからの作品も楽しみにしています。

        マガジン

        • オリジナルB L小説『春の蛹』
          4本

        記事

          別のジャンルの創作活動の〆切に追われてて、文章を書くための脳内の余裕が少し圧迫されてるので更新が遅くなるかも……と思ったが逆に現実逃避で文章書きまくる可能性もあり、なんとも言えません😆書ける時に書きます😆それが私のstyle🤟

          別のジャンルの創作活動の〆切に追われてて、文章を書くための脳内の余裕が少し圧迫されてるので更新が遅くなるかも……と思ったが逆に現実逃避で文章書きまくる可能性もあり、なんとも言えません😆書ける時に書きます😆それが私のstyle🤟

          春の蛹【4】

          高海との関係に亀裂が入ってしまい、自暴自棄になる遥。厳しい人生の試練の先に遥は何を見つけるのか。 「完」の表記の後にもエピローグ(というか二人のその後)がありますので、ぜひ最後までお付き合いください。   9  それからというもの、僕は高海を徹底的に避けた。話しかけられないように、高海が目で僕を探しているなと思った時点で逃げる。体育の授業は具合が悪いと嘘をついて保健室に逃げ込み、ホームルームは机に突っ伏して寝てるふり。家政部もずっと行かなかった。  僕の恋、僕の青春は終わっ

          春の蛹【4】

          春の蛹【3】

            7  季節は移ろい、日々澄んでいく空ともう暑いとは言えない気温に秋の深まりを感じる頃のことだった。僕は何事もなく毎日学校に通い、寝ずにきちんと授業を受け、いつでも高海を見つめ時折話し、放課後は家政部で活動するという日常を送っていた。その日も放課のチャイムの後、カバンの整理をしていつも通り家庭科室に向かう準備を整えていた。カバンを持ち上げ自分の机から立ち上がろうとしたとき、隣の席から「タカミンがさ……」という言葉が聞こえてふと動きを止める。女子二人組が高海の噂をしているよう

          春の蛹【3】

          春の蛹【2】

          遥と高海のデート編です。自分の気持ちを自覚し、青春を謳歌する遥。 夏休みに入りなかなか会えなくなった中で、高海にドライブに誘われます。 年齢制限はつけていませんが自慰描写があります。   5  期末テストの出来はまぁまぁだった。いつもと同じか、教科によっては少し良いくらい。休み前にもらう通知表をみると、体育の評価が今までより一つ上がっていた。そうして夏休みがやってきた。例年は学校という逃げ場がなくてあの家にずっといなければならないので居心地が悪い期間だけれど、今年は家政部

          春の蛹【2】

          春の蛹【1】

          あらすじ 『青春って、まるで蛹の中だ。』 蛹の中の人たち、そしてかつて蛹だった人たちへ。 「僕は誰にも愛されない」━━自身を「虫」だと思い込むほどに人生に絶望していた新高校二年生・遥。新学期に転任してきた体育教師・高海に出会い、その明るさに当初は辟易していたものの、初めて自分を思ってくれる人の心に触れ、成長していく。 陽キャ体育教師と陰キャ男子高校生の織りなす、若さゆえの苦味感じる、アオハル系純愛B L小説です。 春の蛹  1  苦しい、くるしい。肺に水が満たされてい

          春の蛹【1】

          サーチライト

          十七の幼い君を抱きしめる 今年の5月の頭、私は死のうと決めた。 さまざまな要因が重なって。不安や焦りに急き立てられ、プレッシャーにより急激なストレスに晒されたこと、職場環境や人間関係の大きな変化、私が正しいと思ってとった行動に対して家族から否定を受けたこと、私が人生を通してずっと抱えていた心の傷の痛みに、その人のために抱えていたのに、本人に理解されなかったと感じたこと、etc. その少し前に、韓流アイドルの自死のニュースを見た。 「あんなに素晴らしい人で、活動も頑張って

          サーチライト

          好きでも嫌いでもない

          悩んでばっかり人生を 実家に帰ってきている。 十数年前、大学進学を機に地元を飛び出してから、盆なり正月なりに一泊二泊くらい滞在することはあったが、こんなにゆっくり滞在するのは初めてだ。しばらくの間生活の拠点にしようと思っている。 今日は、近くのスーパーに買い物に行こうと一人で出かけた。目的地であるスーパーの近くにいつの間にか、新しくペットショップが出来ていた。 現在ペットは飼っていないし、新しく飼うつもりもないけれど、元々ホームセンターのペットコーナーとかで生き物たちを

          好きでも嫌いでもない

          私のこと

          プロフィールに表示するために自己紹介を書こう、と思い立ちましたが、私はまだ何者でもないので特に実績や肩書きはありません。 思いつき次第増やしていこう、増やせるように頑張ろうとは思います。 ペンネーム「黄咲うりか」 前半は「きざき」と読みます。 「うりか」は昔から使っていたハンドルネームです。これから本腰を入れて創作活動をしていくのなら、苗字ぽいものをつけた方が唯一性が出るかな〜と思って、前半を適当に考えてみました。 うりか、という名前は見た目的にひらがなのままがよかったので

          鏡地獄

          「ねぇあの子の世界は鏡地獄」 人に「好きなアーティストは?」と訊かれることがあります。至極ありきたりな質問ですよね。 でも私は上手い答え方がわかリませんでした。好きなアーティストがいないわけではなくて、むしろめちゃくちゃこだわりが強い。だからこそ「わからんやろなぁ〜」と思って無難な、流行りのアーティストの名前を脳内で検索してました。 でも、今は胸を張って言います。 「私は筋肉少女帯というバンドが大好きです」と。 上の世代の人に言えば通じることもあります。 「あ〜大槻ケンヂ