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塔 月詠/2021.8

針先は真円 冬の曲がり角まがった先にするどい月光
あくびする猫みていたら再生のおわりに舌を仕舞い忘れる
春ですよ、窓から先の空だけが恋人だった眦の色
さみしさとさびしさの差を降る時雨 もうしばらく映画を観ていない
教わったゆうだちのあと裏口で虹のふもとは無いことを知ったよ

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 今月も五首。ありがとうございました。前月までに比べると、妥当と思う。推敲しなおして別の場所に出す。すごくおおきな虹が出ていたゆうがたのことを思い出す。

 「塔」という結社は比較的若手が多い。学生は初年の会費無料、次年以降も半額という施策を取っているからという理由もおそらくあって、若手が多いことがまた別の若手を呼んで……と好循環が起きているように思う。
 短歌という詩形がその短さゆえSNSとの好反応でもって若年層への広がりを見せている、とは言ってもやはり短歌人口は高齢が圧倒的に多く、会の運営もままならない結社も少なくないであろうことを踏まえると、とても上手くやっている。

 先日の土曜日に、Twitterをやっている若手の塔会員でのオンライン歌会が企画されていた。ありがたや。ぼくも喜んで申し込んで、ここ1年くらいの歌のなかで相当いいなと自賛している歌を事前送付しておいたのだが、生憎と前日にワクチン接種が入り、副反応による発熱が出て出席できなかった。
 参加者の枠を埋めてしまったのに活かさなかったことになるので申し訳ないし、事前に共有してもらった一覧には話したいほかのひとの歌もあったので是非出席したかった。残念。また次回ぜひ。
 

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