見出し画像

【夕張】高速ゆうばり号廃止後の夕張市へのアクセスを調べてみた


現行(2024年9月30日まで)

9月30日までは、札幌から高速ゆうばり号を利用することで、直接夕張市内までアクセスできる。
ゆうばり号は現在、1日3往復運行されているが、札幌方面から日帰りで訪れる場合、札幌駅前9時10分発の便を利用することになる。

行き:札幌駅前(09:10発)⇒栗山駅(10:15)⇒鹿の谷郵便局(10:50)⇒レースイリゾート(10:53着
帰り:レースイリゾート(15:43発)⇒鹿の谷郵便局(15:45)⇒栗山駅(16:23)⇒札幌駅前(17:24着

高速ゆうばり号のダイヤ

高速ゆうばり号廃止後の市外からのアクセス方法

2024年10月1日以降は、JRの特急「おおぞら」「とかち」や普通列車を利用するか、夕張市のデマンド交通を利用することによって、市外から夕張市にアクセスできる。

特急おおぞら・とかちを利用する場合

特急列車を利用すると、札幌から片道約1時間で夕張市内まで移動することができるが、運賃に加えて特急料金を支払う必要も出てくるため、料金は「ゆうばり号」(片道2070円)と比べ約2倍になる。

札幌駅⇒(特急おおぞら・とかち)⇒新夕張駅:3570円(普通車)
新夕張駅⇒(夕鉄バス)⇒レースイリゾート前:760円
合計金額:3570+760=4330円

JR特急を利用して、レースイリゾートへ訪れる場合の料金

新夕張が目的地である場合でも、出費の増加は避けられない。

札幌駅前⇒(高速ゆうばり号)⇒夕鉄本社ターミナル:2010円
夕鉄本社バスターミナル⇒(夕鉄バス)⇒新夕張駅前:650円
合計金額:2010+650=2660円(特急を利用した場合は3570円

高速ゆうばり号を利用して、新夕張駅を訪れる場合の料金

所要時間について見ても、夕張市本町(レースイリゾート付近)へ行く場合は大して早くはならない。

札幌駅(06:48発)⇒新夕張駅(07:51着)⇒新夕張駅前(08:31発)⇒レースイリゾート前(09:14着
札幌駅(07:58発)⇒新夕張駅(08:59着)⇒新夕張駅前(09:20発)⇒レースイリゾート前(09:59着
札幌駅(08:52発)⇒新夕張駅(10:02着)⇒新夕張駅前(10:21発)⇒レースイリゾート前(11:00着
札幌駅(10:45発)⇒新夕張駅(11:54着)⇒新夕張駅前(12:12発)⇒レースイリゾート前(12:51着

JR特急で夕張市内に行く場合、新夕張駅前からレースイリゾート前への移動は夕鉄バスを利用(2024年ダイヤ)

レースイリゾート前(14:30発)⇒新夕張駅前(15:12着)⇒新夕張駅(15:33発)⇒札幌駅(16:40着
レースイリゾート前(15:40発)⇒新夕張駅前(16:22着)⇒新夕張駅(16:58発)⇒札幌駅(18:03着
レースイリゾート前(17:28発)⇒新夕張駅前(18:10着)⇒新夕張駅(19:19発)⇒札幌駅(20:29着
※18時台(18時42分発)には、新夕張から千歳行きの普通列車が出ている。これを利用した場合、千歳で快速エアポートに乗り換え、札幌には20時20分に到着する。

JR特急で夕張市内に行く場合、新夕張駅前からレースイリゾート前への移動は夕鉄バスを利用(2024年ダイヤ)

普通列車を使って新夕張駅までアクセスする場合

本数は極めて少ないが、札幌から千歳経由で新夕張まで普通列車だけでアクセスすることもでき、交通費を節約できる。
(それでも、高速ゆうばり号よりは高い)

千歳駅(11:35発)⇒(JR石勝線普通列車)⇒新夕張駅(12:37着
新夕張駅前(14:38発)⇒(夕鉄バス)⇒レースイリゾート前(15:17着

レースイリゾート前(17:28発)⇒(夕鉄バス)⇒新夕張駅前(18:10着
新夕張駅(18:42発)⇒(JR石勝線普通列車)⇒千歳駅(19:45着
※札幌~千歳は本数が多く選択肢が複数出てくるため割愛
交通費・・・1890円(JR、千歳~札幌間を含む)+760円(夕鉄バス)=片道2650円
※JR北海道の「一日散歩きっぷ」が使えるシーズンの場合は、JRの運賃が実質往復2540円(片道1270円)で済む。
(この場合の交通費は、1270+760=片道2030円)

普通列車を使って夕張市内へアクセスする場合、2024年ダイヤ

千歳から新夕張に向かう普通列車は夕方にもあるが、これは札幌方面からの日帰りには活用できないので、今回は割愛している。
この方法を採る場合、新夕張であれば6時間ほど滞在できるが、夕張市本町(レースイリゾート付近)の場合はバスの接続が悪く、2時間程度しか滞在できない。
従って、新夕張が目的地であればまだ良いが、そうでない場合にはおすすめできない方法だと言える。

夕張市市外線デマンド交通(行きは1便、帰りは4便の場合)

次に、夕張市によるデマンド交通を利用する場合を考える。
夕張市のウェブサイトによると、長沼町から栗山町を経由して、夕張市内各地を通り、紅葉山(新夕張駅前)に至るデマンドバスが、2024年4月から運行されているという。

https://www.city.yubari.lg.jp/uploaded/attachment/5679.pdf

先ほどと同様、札幌方面から日帰りで訪れることを考えた場合、栗山を9時40分(1便)に、紅葉山を16時45分に出発する便(4便:栗山18時5分着)が便利そうだ。

行き:栗山駅前(09:40発)⇒鹿の谷(10:15)⇒本町(10:20)⇒若菜(10:25)⇒南清水沢(10:40)⇒沼の沢(10:45)⇒真谷地(10:50)⇒紅葉山(11:00着
帰り:紅葉山(16:45発)⇒真谷地(16:55)⇒沼の沢(17:00)⇒南清水沢(17:05)⇒若菜(17:20)⇒鹿の谷(17:25)⇒本町(17:30)⇒夕張テニスコート付近(17:35)⇒栗山駅前(18:05着

夕張市デマンド交通のダイヤ

しかし、ここで重要な問題が浮上してくる。
もし現行の高速バスダイヤが今秋以降もそのまま引き継がれると仮定すると、高速バスで札幌から9時40分までに栗山駅前に到着することが不可能であるという点だ。
高速くりやま号の始発が栗山駅に到着するのは10時15分であり、35分遅い。

この問題を解決するには、
・大谷地や北広島から路線バスを利用して、9時15分(デマンドバスの発車時刻)より早く長沼町役場に辿り着く
JR線を利用して栗山駅に行く
という2つの方法が考えられる。

1つ目のやり方(長沼経由)については、(2024年春ダイヤ)大谷地ターミナル7時50分発(平日のみ運行)、もしくは北広島駅7時45分発(土休日は8時16分発)を利用すれば、9時15分より前に長沼町に辿り着けそうだ。
2つ目のやり方(JR)を採用する場合、(こちらも2024年ダイヤ)札幌駅を8時2分に出る岩見沢行きで岩見沢に向かい、そこから苫小牧行きの室蘭本線に乗り継げば、栗山駅に9時25分に到着する。

どちらも極めて面倒なルートだが、利便性や出発時間を考えると、札幌駅からJR線で栗山に向かい、そこからデマンドバスに乗り継ぐ方がまだましだと言える。

なお、帰りの札幌行きバスに関しても、終バスが17時30分栗山駅発であるため、高速バスで札幌に帰ることができない。(この場合も、JR線で札幌まで帰ることになる。)

以上の情報をまとめると、次のようになる。

行き:札幌駅(08:02発)⇒(JR函館本線)⇒岩見沢駅(08:44着, 09:02発)⇒(JR室蘭本線)⇒栗山駅(09:25着, 09:40発)⇒本町(レースイリゾート付近、10:20着)⇒紅葉山(新夕張駅付近、11:00着)
帰り:紅葉山(16:45発)⇒本町(17:30発)⇒栗山駅(18:05着, 18:25発)⇒(JR室蘭本線)⇒岩見沢(18:47着, 19:09発)⇒(JR函館本線)⇒札幌駅(19:51着
※帰りは岩見沢から特急を利用すると、26分早く札幌に到着する。
交通費・・・1490円(JR)+600円(デマンドバス)=片道2090円
※JR北海道の「一日散歩きっぷ」が使えるシーズンの場合は、JRの運賃が往復2540円(片道1270円)で済む。
この場合の交通費は、1270+600=片道1870円

夕張市デマンド交通(行きは1便、帰りは4便)を利用する場合、2024年夏ダイヤ

この場合、夕張市本町で約7時間、新夕張で約6時間ほど滞在することが可能だが、乗り換えが2回必要であるうえ、札幌出発が朝8時、帰着が夜の8時となり、しんどいスケジュールになる。

ハードスケジュールを回避したいならば、前述の特急おおぞら・とかちを利用するか、デマンド交通の別の便を利用しなければならない。

夕張市市外線デマンド交通(行きは2便、帰りは3便の場合)

2便(栗山11時35分発)3便(栗山14時30分着)を利用する場合、当然ながら夕張に滞在できる時間は短くなる。

行き:札幌駅前(09:10発)⇒(高速くりやま号)⇒栗山駅(10:15着, 11:35発)⇒本町(12:15)⇒紅葉山(12:55着
帰り:紅葉山(13:10発)⇒本町(13:55)⇒栗山駅(14:30着, 15:00発)⇒(高速くりやま号)⇒札幌駅前(16:11着
交通費・・・1310円(高速くりやま号)+600円(デマンドバス)=片道1910円

デマンド交通(行きは2便、帰りは3便)を利用した場合、2024年春ダイヤ

なんと、紅葉山ではたったの15分、本町でも1時間40分しか滞在できない。
これでは、実用性がないと言わざるを得ないだろう。

夕張市市外線デマンド交通(行きは1便、帰りは3便の場合)

間を取って、行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは3便(栗山14時30分着)を利用した場合を考える。

行き:札幌駅(08:02発)⇒岩見沢駅(08:44着, 09:02発)⇒栗山駅(09:25着, 09:40発)⇒本町(レースイリゾート付近、10:20着)⇒紅葉山(新夕張駅付近、11:00着
帰り:紅葉山(13:10発)⇒本町(13:55発)⇒栗山駅(14:30着, 15:00発)⇒(高速くりやま号)⇒札幌駅(16:11着
交通費・・・行きは1490円(JR)+600円(デマンドバス)=2060円
帰りは1310円(高速くりやま号)+600円(デマンドバス)=1910円

夕張市デマンド交通1便、3便を利用する場合(2024年夏ダイヤ)

この場合、夕張市本町で約3時間半、新夕張で約2時間滞在することができる。

夕張市市外線デマンド交通(行きは2便、帰りは4便の場合)

さらに、行きは2便(栗山11時35分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用した場合を考える。

行き:札幌駅(09:10発)⇒(高速くりやま号)⇒栗山駅(10:15着, 11:35発)⇒本町(レースイリゾート付近、12:15着)⇒紅葉山(新夕張駅付近、12:55着
帰り:紅葉山(16:45発)⇒本町(17:30発)⇒栗山駅(18:05着, 18:25発)⇒(JR室蘭本線)⇒岩見沢(18:47着, 19:09発)⇒(JR函館本線)⇒札幌駅(19:51着
交通費・・・行きは1310円(高速くりやま号)+600円(デマンドバス)=1910円
帰りは1490円(JR)+600円(デマンドバス)=2090円

夕張市市外線デマンド交通(2便、4便)を使う場合、2024年夏ダイヤ

この場合、夕張市本町では約5時間、新夕張では約4時間滞在できる。

夕張市市外線デマンド交通を利用する場合の最適解

以上の例から考えてみると、夕張市市外線を利用する場合の最適解は以下のように結論付けられる。

①夕張市内にできるだけ長く滞在したい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
②乗り換え回数を減らしたい場合:行きは2便(栗山11時35分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
③日が暮れる前に帰りたい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは3便(栗山14時30分着)を利用する

高速ゆうばり号廃止後の市外からのアクセスをまとめる

パターン①新夕張(紅葉山)が目的地である場合
普通列車を用いる:千歳と新夕張を結ぶ普通列車を利用すると、運賃を節約できる。
且つ「一日散歩きっぷ」が使える時期であれば、さらに節約可能。(往復約4000円
普通列車でも、新夕張で6時間滞在可。
特急列車を用いる:特急「おおぞら」「とかち」を使えば、札幌から片道1時間でアクセス可能。
料金は往復約7000円かかるため、お金に余裕がある人向けと言える。

パターン②夕張市本町(レースイリゾート)などが目的地である場合
お金に余裕がある場合:新夕張までJR特急で移動し、そこから夕鉄バスを利用するのが最適解になる。(往復約8600円
そうでない場合:好みに応じて以下の方法を選択する。
①夕張市内にできるだけ長く滞在したい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
②乗り換え回数を減らしたい場合:行きは2便(栗山11時35分発)、帰りは4便(栗山18時5分着)を利用する
③日が暮れる前に帰りたい場合:行きは1便(栗山9時40分発)、帰りは3便(栗山14時30分着)を利用する
極限まで交通費を節約したい場合は、「一日散歩きっぷ」が使える時期を選ぶのが良い。(往復約4000円

なお、北海道新聞によれば、高速ゆうばり号の廃止発表を受け、夕張市はデマンドバスの運行ダイヤ改善に取り組むようなので、今後の動向を注視したていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?