鮎料理の定番『鮎ご飯の作り方』

鮎は日本料理の魚の王様。ハラワタから皮まですべておいしい魚です。解禁日まではまだ先ですが、養殖物であれば時期はそれほど関係ないせいか、もうスーパーには並んでいました。鮎は塩焼きが定石ですが、家庭で塩焼きするのはなかなか大変。そこで鮎ご飯にしました。岐阜県の長良川沿いや栃木県の那珂川沿いなど、鮎がとれる地域の郷土料理で、鮎料理の定番です。

鮎 2尾
塩 適量
米 2合(300g)
昆布だし 400cc
醤油        大さじ1

水でもいいのですが昆布だしを使います。昆布は60℃で一時間抽出するのが基本なので、水を沸かしたところに昆布を入れて、火を止めて放置すればおいしい出汁がとれます。理屈さえわかってしまえば適当でも大丈夫です。

鮎の下処理です。鮎のお腹を肛門に向かって親指で軽く押しながらなぞると、排泄物が出てきます。

表面のぬめりを洗い落とします。匂いを嗅ぐとすいかの香りがして、いつも感動します。よくきゅうりの香りがする(きゅうり魚という名前があるくらい)と言いますが、僕はスイカの方が近いと思いますね。

準備完了。ここからは味が落ちるのがはやいので、手早く塩を振ります。

全体、両面にまんべんなく塩がまぶされる状態が理想。鮎は脂肪が多いので、塩の量は多くて大丈夫なのですが、一応重量で1%〜1.5%が目安です。魚焼きグリルで表面に焦げ目をつけます。この後、炊き込むのでまだ中が生でも大丈夫。特に気にすることはありません。

米に醤油を入れてから、炊飯器の目盛りまで昆布出汁を注ぎます。炊飯器で炊く場合は米を浸水させる必要は特にありませんが、鍋で炊く場合は事前に吸水させておいてください。

焦げ目がついた鮎をのせて炊き込みます。

炊きあがりました。ほかほかです。

ここが面倒なんですが鮎をとりだして、骨を取り除きます。腹骨が残っていると口に当たるので特に注意。ご飯に戻して混ぜ込めば出来上がりです。

骨をとってあげると素直に美味しい魚だなぁ、と感じてもらえるはず。内臓も一緒に混ぜ込んでいるのでほろ苦さも楽しめますが、苦いのが嫌な人は焼く前に内臓をとりだして洗ってから焼き、炊き込んでください。鮎を一尾出しても上手に食べられない人も多いので、こういう料理は万人受けすると思います。おいしい漬け物と赤だしの味噌汁と一緒に提供してましょう。

もっとおいしくしたいのであれば同じく出ざかりの新玉ねぎを一緒に炊き込むのもおすすめです。鮎と新玉ねぎは意外と相性がよく、ご飯に甘味が出て違った風味が味わえます。ただ、あまりご飯を美味しくしすぎると他の料理とのバランスが崩れるので、これくらいシンプルでもいいのな、という気はしますけど。

炊き込みご飯を作るときは出汁に薄口を入れるくらいで、基本的に酒やミリンは必要ありません。なんのために酒が必要なのか、ミリンが必要なのか、考えた上で使うのであればまったく問題ないのですが、(僕もですが)習慣でついレシピに書いてしまうこともあり、ちょっと注意したいところですね。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)

樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)など。新刊『新しい料理の教科書』が1/17日に発売されました!

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コメント2件

いつ見てもおいしそうなサムネイル画像!
わかさぎも西瓜の匂いに、私は感じます!ワカサギの唐揚げ食べたくて、買ってさぁ料理しようと開けた時、思いがけない匂いが飛び込んできて笑っちゃいました!
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