ブラマンジェのポイントは11℃という温度

今日は『コーヒーのブランマンジェ』をつくります。コーヒー風味なのに仕上がりの色は白という意外性がポイントです。

ブランマンジェは『白い食べ物』という意味のデザート。歴史的には砂糖とアーモンドでつくるのが起源で、中世の頃は鶏肉や蛙肉などを使った液状のスープとしても楽しまれていました。イギリスの三ツ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールはその頃のレシピをアレンジし、蛙を使ったブランマンジェを創作しています。

アントナム・カレームが活躍した19世紀になるとブランマンジェはほぼデザートとしてつくれるようになります。エスコフィエが残しているレシピもアーモンド、水、砂糖、ゼラチンを使ったもの。フレーバーは色々と変えられますが、アーモンドを使うのが正統的な要素ですが、現在のブランマンジェはさらに形を変え、牛乳や生クリームを使ったものが一般的になりました。

ブランマンジェの作り方は温めた牛乳と砂糖にゼラチンを溶かし、冷やしてから生クリームを加えるのが基本。生クリームをそのまま加える方法と、泡立ててから加える方法があり、前者はさらっとした感じに。後者はもったりとした口溶けになります。

ブランマンジェづくりでポイントとなるのは『11℃』という温度です。ブランマンジェづくりでの失敗はあとから加える生クリームがきちんと混ざらず、分離した状態になってしまうこと。それを防ぐためにはこの温度を頭に入れておきます。

材料
牛乳 200cc
コーヒー豆 15g
グラニュー糖 20g
生クリーム  100cc
ゼラチン   2.5g

小鍋で牛乳を75度まで(まわりがふつふついうくらい)温めたところにコーヒー豆を投入して、蓋をして室温に30分以上放置します。冷蔵庫に入れられるくらいの温度まで下がったら(これを粗熱がとれる、と料理用語で言います)、冷蔵庫に入れて、一晩ないしは二晩くらい置いて香りをうつします。ここまでが下準備です。

ゼラチンが少ない配合です。今回は1枚2.5gの板ゼラチンを1枚使っていますが、もちろん粉ゼラチンでも問題なし。

ブランマンジェのレシピはゼラチンの量を減らし、ぎりぎりで固めたいところですが、スーパーで市販されている粉ゼラチンの分量が一袋5gなのが難しいところです。そこで今回は5gの半分の2.5gでレシピを出しています。すべての分量を倍にすれば粉ゼラチン1袋(5g)でつくることも可能です。

小鍋にコーヒー風味の牛乳と砂糖を入れて、火にかけます。この段階では多少が色がついていますが、あとで生クリームを加えるので心配は無用。

60℃くらいになったら冷水で戻してからしっかりと絞ったゼラチンを加えて溶かします。ゼラチンは50から60℃のあいだで溶けるので、加熱のしすぎは意味がありません。沸騰させると牛乳のタンパク質が凝固してしまいますしね。

さて、ここからが大事なポイント。氷水に当てて牛乳+ゼラチンの液を11度まで冷やします。よくお菓子の本に「とろみがついたら」と書いてありますが、牛乳が入っている料理やお菓子はそのとろみ加減がわかりづらいもの。しかし、温度は嘘をつきません。ゼラチンは20℃以下になると固まりはじめ、11℃まで冷やすとあきらかな濃度がついてきます。

その状態になったら生クリームを加えます。こうすると生クリームと牛乳がまだらに混ざったり、二層になってしまったりという失敗がありません。

器に流し入れて、表面の泡をライターやバーナーなどで消します。冷蔵庫で6時間以上冷やします。

固まった状態がこちら。上にソースをかけるなら、アングレーズソースなんかがいいでしょうね。

極限までやわらかいブランマンジェなのですぐに召し上がってもらうか、少量を盛り付けるのが基本。前日から作っておけるので人を呼んだときのちょっとしたデザートに最適です。

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コメント2件

歴史からレシピを考えるって、ほんと楽しいですね! ブランマンジェに元々乳製品が使われてなかったって、知らなかったです。
乳製品の代わりにアーモンドミルクを使うのは四旬節の関係で、という人もいますが、生乳を保存することができなかったので、アーモンドミルクが便利だったんだと思います。古いレシピを読むと色々と想像できて面白いです。
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