見出し画像

noteクリエイターフェスティバル『焼き芋の話』

noteクリエイターフェスティバルが10月15日(金) 〜 10月17日(日) に開催されます。樋口はお声がけいただき、10/16(土)の14:00-14:30にお料理します。

当日「何を作るか」という話なんですが『秋の味覚』というテーマをいただいたのでここは焼き芋だろう、という話になったので、まずは基本となる焼き芋の作り方から。

さつまいもは常温、または新聞紙で包んでから野菜室で保存します。芽が出ることがありますが、手でポキポキ折ってしまえば問題なく食べられます。あと、お尻部分が黒いさつまいもがありますが、これは染み出てきた糖分で、甘い証拠です。腐っているわけではないので、気にしないで大丈夫。

画像1

さつまいもはスーパーで買うと思いますが、とりあえず憶えておきたい品種が2つあります。それは『ベニアズマ』と『ベニハルカ』です。さつまいもは90種類以上の品種がありますが、この2つがメジャー。

ベニアズマは関東を中心に栽培されている品種で、1980年代から根強い人気があるホクホク系のおいもです。一方のベニハルカは割とニューフェイスで、熟成するとねっとり系になり、糖度も高いので、人気上昇中の品種。

ベニアズマはホクホク系、ベニハルカはしっとり系です。どちらも焼き芋にはできますが、焼き方がちょっと変わってきます。ベニアズマの場合は水分がわりと少なく、パサパサになりやすいので、アルミホイルで包んで焼きましょう。

ほくほく系の焼き芋の焼き方はこちらのnoteにまとめてあります。

画像2

さて、今回はしっとり系のベニハルカを焼いていくので、アルミホイルは不要です。さつまいもは皮付きのまま、200℃のオーブンで1時間〜1時間30分焼けばOK。もちろん、しっとり系のじゅがいももアルミホイルで包むと蒸した状態になり、皮周辺の身まで食べられて歩留まりがいい、という利点がありますが、そのまま焼くと水分が蒸発するので糖度が凝縮し、味が濃くなるという利点があります。

画像3

出来上がり。石焼き芋の匂いがすると思います。これもアルミホイルを使わないメリットでしょうか。

石を使わずに石焼き芋の風味が出ないか、というのはみんなが考えることらしく、先行研究がいくつかあります。例えば『加熱による焼き芋香気の生成』は加熱開始後の時間経過と生成される香り成分について調べたもので、30分から調理した甘い香りがではじめ、75分経過した段階で出てくる甘さと焦げ臭が混じったカラメル様の香りをいわゆる『焼き芋らしさ』としています。

ベニアズマを200℃で加熱した場合、加熱開始から75分〜90分で焼き芋らしく好ましい好気が生成された、としています。75分を過ぎると甘さと焦げのバランスが逆転しはじめ、焼き芋らしさは低下しはじめるので「どこまで焼くか」という点でおいしさが決まってくるようです。

画像4

包丁で割ってみましょう。

画像6

おいしそうに焼けています。アルミホイルをせずに加熱すると皮が焦げるので、焼き芋らしい香りが出やすくなります。一方、外側の水分が抜けるので可食部が若干減るので、このあたりは個人の自由という感じですね。

画像5

バターを落として、砂糖を少しふりかけました。

画像7

甘く、ねっとりとして、なにもしていないのにスイートポテトのようです。今回はバターと砂糖で仕上げました。

焼き芋のアレンジは無限です。砂糖ではなく、ごま塩を振りかけるのも良さそうですし、適当な大きさに切って、バターを敷いたフライパンで焼くのも一手。焼き芋+シナモン+アイスクリーム、あるいは塩味に仕上げるのであれば、生ハム+ルッコラ+焼き芋なんかどうでしょう。ある人は「マヨネーズかけて食べると旨いよ」と言っていたのですが、おいしければなんでもいいのです。

note社側から当日に作るレシピについて詳細を、という依頼なので一つ書いてみます。焼き芋はおやつに使いがちですが、前菜にもなります。今回はカッテージチーズと組み合わせてみましょう。

画像14

カッテージチーズに限らず、モッツァレラチーズとかでもいけるかもしれませんし、溶けるタイプのチーズであれば載せて焼くのがおすすめです。ちなみに個人的に一番美味しいと思っているのはブルーチーズを加えたアレンジです。(これ、当日、作ります)

画像13

切れ目を入れてカッテージチーズを詰めます。

画像15

付け合せにはルッコラを選びました。半分にカットし、オリーブオイルで和えます。

画像16

ドレッシングはオリーブオイル小さじ2とバルサミコ酢小さじ1、塩少々を混ぜ合わせます。

画像17

ミニトマトを4等分にカットして、添えました。ルッコラは大きめに使った方が見た目がよくなります。ドレッシングをかけたら出来上がりです。焼き芋を焼くのは時間がかかるので、家に鍋やオーブンなんてないわ、という人はスーパーで買ってきてください。それでは、当日を楽しみにしています!

お申し込みは以下のフォームから。

おまけ

ちなみにオーブンがなくてもトースターでも同じように焼けますし、なんならフライパンでも焼けます。

画像8

なると金時を買ってきました。甘さ控えめのホクホク系の品種です。

画像9

鉄フライパンにさつまいもを入れ、蓋をした状態で弱火にかけます。加熱時間の目安は30分。太いものなら45分かかります。弱火にかけてしばらくするとSiセンサーからピピっと音が鳴り、火が弱火に落ちます。これは鍋の表面温度が250℃に達したサインなので、気にしないでそのまま加熱して問題ありません。タイマーをセットして、本でも読んでるあいだに焼けるはず。火が消えるようなら再び弱火にかければいいだけです。

画像10

途中、半分の時間で裏返します。

画像11

時間になったら竹串で火の通り具合を確認。

画像12

焼き上がりです。このぐらいの太さであれば30分という感じです。鉄フライパンであれば痛めないので安心ですが、フッ素樹脂加工の場合は避けましょう。ちなみにIHの場合、温度調整がもっと低い温度で働くので焼き時間が倍になります。意外と熱源によって影響を受けるので、竹串でたしかめながら料理してみてください。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!