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レタスの炒めもの 2種類

サラダに使われるレタスってこんな風に少しだけ余ったりしませんか?

余ったレタスは加熱することで嵩が1/3になるので、効率よく食べられます。茹でてドレッシングで食べたり、煮物なんかにしてもおいしいのですが、さっとつくれるという意味では炒め物がおすすめ。

レタスの炒め物の場合、味付けにオススメなのがオイスターソース。

オイスターソースは色々なメーカーから販売されています。どの銘柄でもいいのですが、塩味や濃度が異なるので量の調整が必要。今回使用した光食品のオイスターソースは濃度がゆるいので、味が絡みやすいのがメリット。オイスターソースのこってり感というよりも魚醤の風味が強く、わりとシャープな味です。

一般的なのは李錦記でしょうか。何と言っても李錦記のオイスターソースはメーカーが創業するきっかけになった商品です。昔は缶で売られていて、瓶に移し替える手間が必要だったのですが、あらかじめ瓶で売られているので便利になりました。こちらは濃厚でいわゆるオイスターソースらしい味わい。

作り方は極めてかんたん。僕の父が家でよく作っていたレシピで、もともとは丸元淑生さんの本に掲載されていたもの。レタスだけではなく、青菜などあらゆる野菜が同様に調理できます。

元レシピとの違いは塩の有無で、オリジナルは早い段階で塩を加えています。塩を加えると野菜の細胞壁(を構成するペクチン)が溶け、野菜から水気が出るので、僕は塩を加えないでつくります。レタス(1/4個分)は手でちぎって適当な大きさにしておきましょう。

蓋ができるフライパンか鍋を中火にかけて予熱します。中火で1分が目安ですが、最近のコンロにはSiセンサーという鍋底の温度が一定に達すると火力を弱める機能がついているのでそれを目安にします。

ピピッと音がしたので、レタスを投入。箸で軽く混ぜます。そう、このレシピは炒めものなのですが、油が入らないのが特徴。

蓋をして30秒蒸し焼きにします。炒めもので油を入れる目的は味に以外に

1 鍋肌と食材のあいだに油を介在させることで凹凸を埋め、熱効率を上げる
2 油の分の熱容量を増やし、フライパンの表面温度の低下を防ぐ
3 タンパク質やデンプンを含む食材などは鍋肌と食材のあいだに油が介在することでくっつきを防ぐ

があります。ただ、レタスの場合は凹凸が大きいので、油を入れるよりは蒸気で加熱したほうが均一に加熱できるので、そもそも油はなくてもいい、というわけ。もちろん、油のコクはないわけですが、その部分は後から加えたり、オイスターソースで補います。

30秒経ったので蓋を開けました。この状態で味付けしてもいいのですが、今回は軽く混ぜながらもう30秒加熱しました。どのくらい加熱するか、というのは好みです。

火を止めて、オイスターソースで味付けします。小さじ1〜2くらいでしょうか。オイスターソースは後から足せるので加えすぎには注意。混ぜながら味見をして、いい頃合いを探ります。

出来上がり。味が足りなければここでオイスターソースを加えてください。かんたんですが、なかなかおいしい。ホットサラダ感覚でたくさん食べられます。台湾などではしいたけを使ったビーガンオイスターソースも販売されていて、これもなかなか美味。お土産などで機会があれば試してください。

ところでお店などではレタスは加熱し過ぎを防ぐために「下茹で」という工程を踏みます。茹でることで火入れが均一化され、調理時間が短くなるというメリットがありますが、その場合、パターン1「塩と油を入れた熱湯で茹でる」パターン2「チキンスープで茹でる」という方法があります。

チキンスープで茹でるとレタスの持ち味はやや失われますが、うま味を補うことができます。家庭ではチキンスープを準備するのが大変なので顆粒だしを使いましょう。YUUKIのガラスープはうま味と塩分が控えめなのが特徴。顆粒だしや顆粒ガラスープなどのうま味系の調味料は使いすぎないのが使い方のコツです。

その理由はうま味が過剰だと舌に存在するうま味のレセプターが受け止めきれず、苦味のレセプターが反応してしまうから。塩を入れすぎると塩っぱすぎる、という状態がありますが、うま味物質を加えすぎるとうま味過ぎる、という状態が起きます。食材に含まれるうま味であれば問題は起きませんが、うま味系の調味料を使うとこの問題が出てくるので、うま味物質の濃度が薄いほうが使いやすいでしょう。

レタスのマスタード炒め
レタス   1/4個
チキンスープ 200ml(水200ml+顆粒ガラスープ小さじ1)
太白ごま油      小さじ1
ディジョンマスタード 小さじ1
粒マスタード     小さじ1
チキンスープ     大さじ1
砂糖         ひとつまみ
塩          ひとつまみ

さきほどのオイスターソース炒めとは違って、こちらはやや調味料が多いですが、レタスと相性のいいマスタードを使った炒めものです。

あらかじめマスタードを混ぜ合わせておきます。

チキンスープを沸かします。

レタスを投入。混ぜながら10秒ほど火を入れます。熱湯のほうがずっと火が入りやすいことに注意。

ザルで水気を切ります。スープなので流しには捨てないように。

さきほど水気を切ったときに残ったチキンスープを利用して、マスタードを伸ばします。これでマスタードソースの完成。

ここからはスピード勝負です。鍋に少量の太白ごま油を熱します。

レタスを入れて、マスタードソースを注ぎましょう。強火で熱しすぎるとマスタードの香りが飛ぶので、ここからは加熱し過ぎに注意。

全体に絡まって熱くなれば出来上がりです。

マスタード炒めは一時期、香港で流行った料理です。食べきるまで時間がかかりそうな場合はスープの量を増やして少量の片栗粉で留めたりします。野菜の炒め物は短時間でできるので、マスターすると便利なメニューです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!