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とうもろこしの茹で方、ポイントはどこか?

ネットを検索するとお馴染みのNHK番組ガッテン方式からプロが教える……といったものまで『おらが思う一番おいしいとうもろこしの茹で方』が出てきます。

自分も以前、簡単に茹でたものを比較をしました。その時は水から茹でるというセオリーを守ればどんな皮付きでも皮なしでも味に変化はなく、茹でるのではなく電子レンジで加熱したものが一番おいしいという結果でした。

とうもろこしには様々な種類がありますが、現在、スーパーなどで手に入るとうもろこしはスーパースイート系がほとんど。昔のとうもろこしは古くなるとデンプンが増えたので、生食には向きませんでした。スーパースイート系は皮がやわらかく、デンプンが極端に少ないので、生食も可能。

スーパースイート系の特徴は糖が多く、デンプンや水溶性多糖類が少ないこと。そのため加熱すると「水っぽい食感になる」(マギーキッチンサイエンスより)と言われていますが、逆に言うと「みずみずしくて甘い!」ということで、スーパースイート系が席巻しているのだと思います。ゴールドラッシュや味来、恵味など甘味が強い品種が増えましたが、個人的には味の差があまりなくなり、ショ糖の甘さが強いものが増えた気がして、あまり好ましいことだとは思っていないのですが、消費者が求めているのであれば仕方がないのでしょう。

デンプンが多いとうもろこしであれば茹で方や蒸し方による味の違いはありますが、現在のデンプンが少ないスーパースイート系であれば、茹で方による味の違いはたいしてないと思います。気をつけるべきポイントは糖の流出。電子レンジで加熱したとうもろこしがおいしかったのは、糖が流出しなかったからでしょう。茹でる場合や蒸す場合でも加熱のしすぎに注意するだけで大丈夫のはずです。

一応、note公開後に「(比較に)皮付きの状態のレンジ加熱も加えてください」という趣旨のコメントがあったので、テストしてみました。

皮付きの状態で500wのレンジで5分間加熱しました。

皮がラップの役割を果たすので、ラップいらずというメリットがあります。

参考のため、ラップで包んで加熱したものと比較します。いずれの加熱方法をとっても加熱後のとうもろこしは熱いうちにラップに包んで冷まします。そうすれば皮にシワが寄りません。

冷ましてから味見。味はまったく同じです。皮はやっぱりたいして味には貢献しないようです。しかし、レンジ加熱がおいしいという事実には変わりがありません。芯が加熱されることでその水分で蒸すような形になるので、風味が凝縮するのでしょうね。

蒸したらどうでしょうか、というコメントもあったので、蒸すことも試しました。

蒸気が上がった蒸し器で5分加熱。

加熱終了。味見してみましたが、レンジ加熱よりも味が抜け、30分加熱はより、さらに味が抜けていました。とうもろこしに蒸すという調理法は向いていないようです。

その証拠に蒸し器に残った水を味見するととうもろこしの風味を感じます。100℃で加熱するととうもろこしのエキス分が抜けやすのかもしれません。とうもろこしにはレンジ加熱が一番適していることがわかってきましたが、1本だけ調理するならいざしらずたくさん調理する場合には面倒です。やはり大量に料理するなら茹でる、という方法をとらざるを得ません。

蒸す実験を通じてわかったのは『とうもろこしの加熱し過ぎは厳禁』ということ。レンジ加熱の場合は加熱しすぎても味が抜けることはありませんが、蒸したり、茹でたりする場合には注意が必要です。というわけで、そもそも100℃で加熱するのがよくないのかもしれない、とテストしてみます。

水から強火で加熱し、90℃の状態で5分茹でたとうもろこしと……。

同じく水から加熱し100℃で5分茹でたとうもろこしを比較します。

蒸したときと同様に100度の方は味が抜けています。90度の方はレンジ加熱に近い味。

その証拠に左は100℃、右が90℃で茹でたときの茹で汁です。どうやら色から判断するには大量のとうもろこしを調理する場合は水から加熱し、90℃で5分ほど調理するのがベター。100℃で加熱する場合は加熱を3分以内にとどめるといいと思います。肉を焼く時と同じで低温で加熱のしすぎを防ぐか、高温短時間で決着をつけるか、どちらかというわけ。やや低温で茹でたほうが簡単だと思います。

まとめ 大量に調理する時は沸点以下で茹でる 加熱のしすぎは厳禁
    少量であれば電子レンジ調理が一番、甘く仕上がる

ちなみにとうもろこし。軸の部分にも風味があるので、少しつけるようにして切り落とし……

こんなふうに提供すると食べやすいです。クリームチーズを挟んでもいいですね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!